コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
反芻の苦しさ 後編
若井になんて言おう…
「切りたくなったら連絡して」
切った後でもいいかな?
怒られちゃうかな?
どうしよう、どうしよう、どうしよう、
飲んで忘れようかな
ん?睡眠薬どこ?
あれ?ないんだけど
「あ”あ”あ”あ”あああぁぁぁ!!!!!」
なんなんだよ!!!!
…….おくすり……..泣
あ、若井……
電話しないと……
スマホを手に取ってみたが電話をかけられない
怖い、若井に話すのが、怖い
電話しないとなのに、、
まただ。動悸がする
苦しいよ、
呼吸が、心臓が、
助けて
若井。
大丈夫だ、若井なら大丈夫
怖くない
せーので通話ボタン押そう
せーのっ
トゥルルルルルル
ガチャッ
<はーい
あっ若井出ちゃった
「はあッはあッはあッ」
心臓が苦しい
怖い
<もしもし?元貴?どうした?
優しい声だ
なんか話さないと、
「あっうっ…..」
声が出ない、
<もとき?大丈夫っ?もときっ!?
「ご…..めん…..」
<….大丈夫だよ。今から元貴の家行くからね。それまで深呼吸して、なにもしないで待っててね
「(コクッ」ガチャッ
若井怒ってなかった
たった3文字しかお話しできなかったけど理解してくれた
若井に迷惑をかけている自分が憎い
切りたい、切りたい、切りたい、切りたい
「グスッグスッ」
ピーンポーン
<もときー?きたよ〜
あ、きた泣
玄関まで迎えに行く気力なんてないよ
「うぅッポロポロ」
スマホ….
「鍵開いてるから入ってきて」既読
「りょうかい」
ガチャッ
「グスッううぅぅッ泣」
「元貴。」
あ、若井だ
「グスッ 若井…?」
「そうだよ、若井だよ。来たからね。もう大丈夫だよ」
「ごめんなさいッッまたッ切っちゃったッポロポロ」
「怒ってないよ。大丈夫、大丈夫。電話してくれてありがとね」
(ギュウッ
あっ、あったかい
若井が来てくれてる
若井が僕を抱きしめてくれてる
若井が僕を愛してくれている
若井、あったかい
「グスッ若井….」
「あのッ….」
「はあッはあッ」
呼吸が苦しい
話そうとすると動悸が止まらなくなる
「元貴っ!ゆっくり深呼吸ね。俺に合わせて
すー、はー。すー、はー。(トントン」
「すーッッゲホッはぁー。ゲホッゲホッ
すー、はーゲホッ」
「そうそう。大丈夫だよ」
「落ち着いた?」
「うん。ありがとう….」
「手当てしていい?傷の」
「うん….」
「ちょっと痛いかもだけどごめんね」
「い”ッポロポロ」
「はいっできたよ?痛かったね
(ナデナデ」
「ありがとう…」
「じゃあ少し俺とお話ししよう?」
あ、怒られる?
「怒ってないから安心して?」
すごい、若井ぼくの心読めるのかな?
「うん……」
「今日はどうしたの?
切りたくなっちゃった?」
「うん…..」
「そっか….言えなかったらいいんだけどなんで?」
「………泣」
(ギュッ
「こうしててあげるから話せる?」
なんでだろう。若井に抱きしめられると安心する
「あのね、最近ね、」
「うん」
「ちょっとした言葉で傷つくことが多くて」
「言われたことがずっと頭の中でぐるぐるするの…..グスッ」
「そっか……」
やばい耳元から聞こえる若井の声に泣きそうになる
「それでね、吐き気がして、動悸が止まらなくなって、苦しいの….グスッ」
「うん。」
「それでわけわかんなくなって、気づいたら切っちゃってたの…..グスッ」
「そっかぁ…..つらいねぇ。しんどいねぇ。
……..(グスッ がんばったねぇ。」
若井の声も少し震えている、泣いている
「つらかったぁ、しんどかったよぉ(ポロポロ
うわあああぁぁぁッッッ(ポロポロ」
どうしよう涙が止まらない
「くるしかったッ(ポロポロ」
「うん、うん。泣
がんばったね、もときは。
ホントによくがんばった。えらいよぉ」
「もうッ生きるの疲れたよぉ(ポロポロ
いきるのッッ……………..やめたいよぉ泣」
「ッ……」
「もうッッ生きるのッやめてもいい…..?」
「…….いやだッッ泣
元貴と会えなくなるのいやッッ」
「えっ?泣」
「俺は元貴とずっと一緒にいたいよッ(ポロポロ」
僕と一緒にいたいっていう人、いるんだ泣
それなら…….
「じゃあ、…….生きてみようかな」
「ありがとうッ自分勝手でごめんね泣」
大丈夫だよ。と心の中でつぶやく
僕は気づいた。
生きるのやめたかったんじゃなかった。
大切な人に大切にされたかったんだ。
「若井、ぎゅうして?」
「いくらでもするよ泣
(ギュッナデナデ」
「ありがとうッ(ポロポロ」
若井に抱きしめられるとなんでこんなに安心するんだろう。
全身の力が抜けていく感じがする
「元貴….あのね…..俺…..」
「なに?」
「元貴に死んでほしくなくて、このあいだ元貴の家に来たときに、元貴の睡眠薬全部持っていっちゃった」
「えッあれ若井だったの?」
「そう。ごめんね」
前だったら飲みたくて暴れていたかもしれない。
でも、今なら、若井がいるから、
「大丈夫だよ。
僕が死ぬの食い止めてくれて、ありがとう」
「その代わり、僕から離れないで」
「僕がまたしんどくなったら、そのときは僕を抱きしめてあげて。」
「うん。もう、この世からいなくなろうとか思わないでね。」
「うん。」
お疲れさまでした
以上すとむ🌸でした