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若井も合流して、僕たちは本格的にレコーディングに取り掛かった。
今日の楽曲は僕たちの楽曲の中でも特にレベルが高い。
そのせいもあってか、さっきまでのドキドキムードから一変してみんなは真面目モード。
りょうちゃんも、あのほわほわした雰囲気はどこかへ飛んで行ってしまって
theプロって感じだ。
そんな仕事の雰囲気が漂った中、
僕は一人 集中出来ずに自分の彼氏を目で追っていた。
いつものは見せない「大人」のりょうちゃん。一気に別人になってしまった様な気がして、、
僕の鼓動は早まっていくばかり 。
ーーはは、こんなんじゃ仕事にならないな、
「ふーーっ」
気持ちを切り替えなきゃ。
いつまでも恋い焦がれていられない。
そう。僕の、僕たちの曲を待っている人が居る。感情に左右されてて良いような規模じゃ無いのだ。もう一回、その事を自覚し直さないとな。
そうして僕は、みんなの後を追うように気持ちを切り替えたのだった。
誰にも気付かれないうちに。
「お、終わったァァァァァァ!」
僕が楽屋で楽曲の確認をしていると、録音部屋から若井の雄叫びが聞こえてきた。
録音部屋の防音設備を超えて来るほどの大声とは、一体何事だ?
てか、せっかくゾーンに入ってきた所だったのに、邪魔すんなよ若井ぃ?
そう心の中で愚痴っていたら、ふと若井の言葉を思い出す。
そういや若井、『終わった』って言ってたな。
この『終わった』という言葉には2つの意味がある。
『人生終了』という意味と、
『レコーディング終了』という意味だ。
どうか後者であってほしい。
そう願っていたら、、、
ギィィ……
ドアが開いて、誰かが入ってきた。 ご本人登場だ。
そして、そのご本人のお顔は曇り空のよう。
「若井笑 老けた?」
「元貴ぃ〜(泣)」
可哀想に。どうやら前者の方だったようだ。
ったく、誰がこんなに難しい曲を作ったんだよ(お前だよ)
なんだか若井もブツブツ文句を垂れている。
「そんな事言ったってさ、若井はいつも乗り越えて来るじゃん!」
「今回ばかりは話が別だよ。俺、ほんとにレコーディング間に合わないかもしれない…」
「ははっ笑笑 僕なりの不器用な愛なんだよ?ありがたく受け取ってよね〜」
「こんな歪んた愛なんか要らねぇよッ!笑」
とか言いつつも、若井は本当に乗り越えて来ちゃうんだよなぁ、まじで頼りになる。
「ていうかさ、そんなにピンチなら練習してればいいのに。」
「ん?あぁ、そうだったそうだった。」
忘れてた、と言い、若井は表情を改めた。
いきなりかしこまっちゃって、なんだろう?
ドキドキして次の言葉を待っていると、若井は衝撃的な言葉を口にした。
「お前さ、りょうちゃんと同棲したら?」
追記⋮いいねありがとーう!めっちゃ励みになるぅ〜