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此の恋は
まるで、鋭く研がれたナイフの様に
私の心を抉った。
“此の恋はナイフの様に。”
注⚠BL.太中
太宰治…元ポートマフィア最年少幹部
現武装探偵社社員
love…中原中也
素直になれないタイプ
嫌われてると思ってる
22歳
中原中也…ポートマフィア幹部
Love…太宰治
同じく素直になれないタイプ
嫌われてると思ってる
時は遡り、
太宰が未だポートマフィアに居た頃の話
『はぁー…………めんどくさいなぁ…』
そう言いながら
僕…太宰治は敵組織を潰し始めた。
バァンッ!バンッ!!!!
『………はぁ。』
銃声が響く中、組織のリーダーが死んだらしい。
後は楽勝かな、なんて思って引き金を引く。
ポートマフィアに戻ってきた頃には
日が暮れていた。
使えない僕の部下のせいで、
楽勝だと思ってたのに一発撃たれてしまった。
『……ほんと無能…』
そういいながらも医務室に進む。
その時、目が赭色の髪の少年を捉えた。
中原中也
「ンだ?いつにもまして
傷だらけじゃねェか、クソ太宰」
中原中也
「こうやって見る分には滑稽だが、
死ぬんじゃねェぞ。」
「手前を殺すのは俺だ」
……そう、言葉を吐く彼を前に、
最悪だった気分は更に悪くなる。
ねぇ中也、僕だって、傷ついてるのだよ?
僕が中也が好きなのを、僕は気づいてる。
だから、彼と話すうちはこんなに胸が痛い。
まるでナイフで抉られているような。
そんな彼に対して、
『僕は傷だらけかもしれないけど、
君はいつにも増して小さいね、
もう少し牛乳を飲んだら?』
そう、僕は憎まれ口を叩いた。
そこからひとしきり言い合って、
“大嫌い”
でカタがつく。
こんなのいつも通りで、
もう悲しくなんてないはずだ。
それでも、
『少しくらい…
心配してくれてもいいじゃん…』
そう言って僕は体に包帯を巻いた。
また、いらない包帯も増えていく。
“此の恋はナイフの様に。”