テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ハム✨投稿2ヶ月1ヶ月ツンデレ
3,376
553
#夏コラボスペシャル
らい🎀
2,130
朝。
薄い雲が空を覆い、街には少し湿った風が吹いていた。
洋館のガレージでは、ふうはやが車の点検をしている。
エンジン音。
タイヤの空気圧。
サイドミラー。
一つひとつを丁寧に確認していく。
rm「おはようございます!」
りもこんが駆け寄ってきた。
片手には紙袋。
rm「また朝ごはんです。今日はちゃんと二人分あります!」
ふうはやは紙袋を見つめ、小さくため息をつく。
fu「またか。」
rm「またです。」
りもこんはにっと笑う。
rm「朝はちゃんと食べないと、任務で倒れますよ。」
fu「倒れたことはない。」
rm「これからも倒れないためです!」
そう言って、パンを一つ差し出す。
ふうはやは少しだけ迷い、それを受け取った。
fu「……ありがとう。」
rm「はい!」
りもこんは嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、ふうはやも気づかないほどわずかに表情を和らげる。
⸻
午前十時。
二人は街へ出ていた。
今日の任務は、裏社会の情報屋が使うとされる古いアパート周辺の確認。
住民に怪しまれないよう、ごく自然に歩く。
rm「静かですね。」
fu「ああ。」
ふうはやは歩きながら周囲を見渡した。
その時だった。
ガラスに映る景色の中で、一台の黒い車が目に入る。
昨日も見た車だ。
偶然か。
それとも――。
ふうはやは何も言わず、そのまま歩き続ける。
⸻
アパートを一周し、二人は近くの公園へ向かった。
ベンチに腰掛け、任務の内容を整理する。
rm「収穫は少なかったですね。」
りもこんがメモ帳を閉じる。
fu「ああ。」
ふうはやは短く答えた。
視線は、公園の入口へ向いている。
数秒後。
一人の男性が缶コーヒーを買い、自動販売機の前に立ち止まる。
だが、飲まない。
視線だけがこちらを向いていた。
fu「……。」
ふうはやは静かに立ち上がる。
fu「少し待ってろ。」
rm「え?」
りもこんが振り返る頃には、ふうはやは歩き出していた。
男も同時に歩き出す。
曲がり角。
路地。
さらに細い路地。
ふうはやが角を曲がった瞬間――
男の姿は消えていた。
fu「逃げたか。」
地面には、吸い殻が一本だけ落ちている。
ふうはやはそれを見つめ、静かに拾い上げた。
新品に近い高級銘柄。
組織内ではあまり見ない種類だった。
⸻
rm「ふうはやさん!」
息を切らしたりもこんが追いついてくる。
rm「急にいなくなるから心配しました!」
fu「悪い。」
その一言に、りもこんは少し驚く。
最近、ふうはやは謝ることも増えた。
rm「何かあったんですか?」
ふうはやは吸い殻を見せる。
fu「誰かにつけられていた可能性がある。」
りもこんの表情が一瞬だけ固まる。
心臓がどくりと鳴った。
――警察?
それとも組織の監視?
頭の中でいくつもの可能性が浮かぶ。
fu「……気のせいかもしれない。」
ふうはやは吸い殻をポケットへしまった。
fu「だが、しばらくは警戒する。」
rm「はい。」
りもこんは笑顔を作る。
けれど、その笑顔の裏では冷や汗が流れていた。
⸻
その夜。
通信室。
黒い車に乗っていた男が電話をかける。
??「報告します。」
??『どうだった。』
??「対象Fは勘が鋭い。尾行を察知しました。」
受話器の向こうで、短い沈黙。
やがて、低い声が返ってきた。
??『これ以上近づくな。しばらく距離を置け。』
??「了解。」
電話は切れた。
男はゆっくりと息を吐く。
??「さすが、組織最強の幹部か。」
小さくつぶやく。
⸻
一方、洋館の執務室。
部下がボスへ報告書を差し出していた。
mb「監視対象に尾行を悟られました。」
ボスは目を閉じる。
bs「……そう。」
怒らない。
責めない。
ただ、静かに紅茶を一口飲む。
bs「では、次の手を。」
部下が小さくうなずく。
mb「はい。」
ボスは窓の外を眺めながら、穏やかに微笑んだ。
bs「人は疑い始めると、信じたいものまで疑う。」
その笑顔は変わらない。
けれど、その言葉だけは、どこまでも冷たかった。
bs「その時が、一番壊れやすい。」
コメント
1件
第19話読み終えたよ〜!!!😭💕 りもこんが毎朝ごはん持ってくるところ、もう完全にふうはやさんの心開きかけてるじゃん…「ありがとう」とか「悪い」とか謝るようになってるの尊すぎる🫶✨ でもラストのボスの「信じたいものまで疑う」台詞がめっちゃ怖くてエモい…この先どうなるの!?次話まだ?待ちきれないよ〜!!🔥