テラーノベル
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夕方。
空を覆っていた雲が、ついに雨を降らせ始めた。
細かな雨粒がアスファルトを濡らし、街を灰色に染めていく。
fu「今日はここまでにするか。」
ふうはやが腕時計を見ながら言った。
rm「はい!」
二人は屋根のある歩道へ移動する。
雨足は次第に強くなっていた。
近くのカフェで時間を潰すことになり、窓際の席へ腰を下ろす。
店内にはジャズが静かに流れ、コーヒーの香りが漂っている。
rm「こういう時間、珍しいですね。」
りもこんが湯気の立つカップを見つめる。
fu「ああ。」
rm「任務中にゆっくり座るなんて。」
ふうはやもコーヒーを一口飲む。
fu「悪くない。」
その一言に、りもこんは思わず笑った。
rm「ふうはやさんって、前なら絶対そんなこと言わなかったですよね。」
fu「……そうか?」
rm「はい。」
rm「最近、ちょっとだけ柔らかくなりました。」
ふうはやは窓の外へ目を向ける。
雨に濡れた街。
行き交う傘。
そして、道路の反対側に停まる黒いセダン。
まただ。
昨日も見た車。
一昨日も。
偶然にしては出来すぎている。
fu「りもこん。」
rm「はい?」
fu「ここで待っていろ。」
席を立とうとするふうはや。
しかし、その腕をりもこんが軽くつかんだ。
rm「一人で行かないでください。」
ふうはやが振り返る。
rm「もし尾行なら、一人の方が危険です。俺も行きます。」
迷いのない声だった。
ふうはやは数秒だけ考え、小さくうなずく。
fu「……分かった。」
二人は店を出る。
雨はさらに強くなっていた。
⸻
黒いセダンへ近づく。
あと十メートル。
その瞬間――
エンジンがかかった。
rm「逃げる!」
りもこんが叫ぶ。
車は水しぶきを上げながら急発進した。
fu「待て!」
ふうはやが駆け出す。
二人は必死に追うが、車は角を曲がり、すぐに見えなくなった。
fu「くそ……。」
ふうはやは足を止める。
雨が髪を濡らし、額を伝って落ちる。
りもこんも肩で息をしていた。
fu「ナンバーは……。」
rm「見えませんでした。」
悔しそうに首を振る。
その時だった。
ふうはやの視線が、道路脇へ向く。
小さな黒い封筒。
雨に濡れながら落ちている。
fu「……これは。」
拾い上げる。
封はされていない。
中には、一枚のカードだけ。
そこには短く印字されていた。
『疑え。』
たった三文字。
差出人はない。
りもこんもカードを見つめる。
rm「誰が……。」
ふうはやはカードをポケットへしまう。
fu「組織へ戻る。」
低い声だった。
⸻
洋館。
執務室。
ふうはやはカードをボスの机へ置いた。
ボスは静かにそれを手に取る。
bs「『疑え』……か。」
穏やかな笑みを浮かべる。
bs「随分と挑発的だね。」
その表情には動揺がない。
まるで、この出来事すら想定していたかのようだった。
fu「尾行されていた可能性があります。」
ふうはやが報告する。
bs「そう。」
ボスは紅茶を置く。
bs「君は、誰を疑う?」
静かな問いだった。
部屋の空気が、一気に張りつめる。
ふうはやは少しだけ目を伏せる。
fu「……まだ分かりません。」
bs「そうか。」
ボスは優しく笑った。
bs「それでいい。疑いは、急ぐものじゃない。」
その言葉は穏やかだった。
だが、部屋を出ようとしたふうはやの背中へ、もう一言だけ静かに続けた。
bs「ただ――」
ふうはやが足を止める。
bs「一番近くにいる人間ほど、見落としやすいものだからね。」
部屋を出たふうはやは、何も答えなかった。
廊下の先では、りもこんが待っている。
rm「どうでした?」
いつもと変わらない笑顔。
その笑顔を見た瞬間、ボスの言葉が頭をよぎる。
一番近くにいる人間ほど――。
ふうはやはすぐにその考えを振り払う。
fu「……いや。何でもない。」
そう答えたものの、胸の奥に残った小さな違和感は消えなかった。
⸻
その夜。
ボスは一人、チェス盤の前に座っていた。
白のキングと黒のキング。
その間に、一つだけ駒を置く。
ナイト。
bs「人は、直接壊そうとすると抵抗する。」
静かにつぶやきながら、その駒を指で弾く。
bs「だから、心に小さなひびを入れる。」
コトリ、と小さな音が響く。
bs「それだけで十分だ。」
ボスは穏やかに微笑んだ。
その笑みは、勝利を確信している者のものだった。
ハム✨投稿2ヶ月1ヶ月ツンデレ
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#夏コラボスペシャル
らい🎀
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コメント
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**美月ゆめか🌸:** わあ〜〜第20話、ゾクゾクした!!😳💦 黒い封筒の『疑え。』のインパクトと、ボスの「一番近くにいる人間ほど見落としやすい」が重なりすぎて鳥肌…!ふうはやりんこんの関係性にもヒビ入りそうでドキドキする…ボスのチェスの駒演出エモすぎるし、あの笑顔に全て計算ずく感があって怖カッコよかったです…!!次回が待ちきれないよ〜〜!🔥