俺には、親友がいる。
幼稚園の頃から高校までずっと一緒の、大好きな親友。
その親友が、最近おかしい。
何処が、とかではなく…全部が。
何か、今までの彼奴とはズレているのだ。
だけど…俺は弱いから。「なんかあった?」とは訊けない。
それでこの関係が拗れたら…きっと、俺は立ち直れないから。
大好きな親友に、愛されている俺。
この関係じゃないと俺等は生きていけない。
だから、今日もイツモドオリ。
___ばしゃんっ!
「ッ冷た…」
「おい、ここ掃除しとけよ〜?」
「〝オマエノセイデ〟汚れたんだからさw」
俺は、見て見ぬ振り。
声を掛けることさえしない。
最低だって?
知ってるよ。
でも、彼奴は此れに触れられる事を望んでない。
親友だけど、お互いに信用していない。
まあ信用なんていつかは崩れるモノだし。
俺は愛があればそれでいいし、彼奴は人が傍に居れば誰でもいい。
___否、彼奴が欲しがってんのは“人”じゃなくて“体温”だな。
人の温度を確認して、自分が今生きている証明をしていたいんだ。
親友の癖、優しい言葉なんて掛けたことがない。
イツモドオリの歪な関係。
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