玲央は息を切らしながら崖の縁にたどり着いた。
眼下には激しく波打つ川が流れている。落ちれば助かる保証はない。
「……追い詰められたねぇ。」
ゆっくりと振り返ると、そこにはスタンリーが立っていた。
ライフルを肩に担ぎ、余裕の表情を浮かべている。
「これで終わりだ。」
玲央は肩をすくめた。
「へぇ、やっぱり軍人ってのは容赦がないねぇ。…でも、まだ詰みじゃないでしょ?」
スタンリーは眉をひそめた。
「その傷で、どうするつもりだ?」
玲央はニヤリと笑うと、崖の縁に立ち、バランスを取った。
「”次の手”を打つのさ。」
次の瞬間——玲央はそのまま崖下へと飛び込んだ。
「……!」
スタンリーの目がわずかに見開かれる。
水面に近づく瞬間、玲央は体を丸め、できるだけ衝撃を和らげる姿勢を取った。
——ドボンッ!!
コメント
1件