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わんくっしょん

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・拡散、宣伝等は一切禁止です。

・ご本人様には関係がございません。

・ご本人様の目の届くところで関係する発言はお辞め下さい。

・桃が病んでます。

・キャラ崩壊注意(桃がめんへら)

・微黄緑黄

・OD描写有り

・OD等の自傷行為を推奨する意図はありません。

・OD等の描写は全てフィクションです。

・作者の医療知識は皆無に等しいので多少の矛盾等は目を瞑って頂けますと幸いです。

・少しでも無理だと思った方はブラウザバック推奨。


side🌸

なんかしんどい、駄目かも。

メンタル的な不調を感じながら騙し騙しやってきてたけど、そう思っちゃったらもう駄目だった。

刃物に手を伸ばそうとして、そういえば、と手当道具を切らしてた事を思い出した。あー、ついてない。

今から買いに行くだけの気力も無くて、手を彷徨わせてから誤魔化すように市販薬のシートを手に取る。中毒だとかのあるような、よくODに使われるような市販薬でもなくただの痛み止め。プラシーボ効果もあるんだろうけど、なんとなくどうにかなる気がして、なんとなくふわふわして、なんとなくフラついて。作業を滞らせるほどじゃない現実逃避に使ってた。

シートからぷち、と1錠手の平に出してから、数日前に喧嘩してから見てない紫が頭を過った。知ってる。俺のメンタル不調の原因がいるまだってことくらい。

普段なら何てことなくて、なんとなく仲直りしてたりこんな大事になる前にどっちかが譲歩したり謝ったりしてたのに、タイミング悪くどっちも機嫌が悪くて今更引っ込みがつかなくて、ずっとずるずる長引いてる喧嘩。 俺に対して口汚く罵りそうだったのか手が出そうだったのか、俺の言葉に傷付いたのか。“もう知らねぇ。勝手にしろ”とだけ言い残して家を出てった。すちからの連絡で、いるまがすちの家に居ることは知ってる。みことからも連絡来たし。けど、それだけ。

ディスコもLINEも電話も、全部喧嘩した日にちで止まってる。

ODはリスカだとかアムカだとかの類いよりも危ないからやらない、なんて同棲してから決めた約束がずっと頭の中をぐるぐる回る。いるま怒るかな。それとも怒らないくらいもう俺の事なんてどうでも良いのかな。いっそ俺が倒れるくらいODしたら心配してくれるのかな。

めんへらんらん、なんてイジられるけど実際軽くは無い自覚はあった。なのにいるまと付き合ってからどんどん重くなってる気がする。あの無自覚メンヘラ製造機め。

あーもー俺知らない、なんて二転三転してた思考を放棄して、箱に入ってた薬を全部机に置いてたスポドリで流し込んだ。

あれ、スポドリで飲んで良かったんだっけ?まぁいっか。


それなりに錠剤が大きめの種類だったからか、喉に違和感が残る中、そういえばご飯食べてなかった事を思い出した。めんどくさいのと、メンタル不調の所為で喉を通らなくてせめて、とスポドリだったのにすっかり忘れてた。ほんとにらしくない。普段なら人一倍食べるし食べるのだって好きなのに。

仕方ない、もういっか。時間的にそんな数分で薬が効くわけ無いから多分プラシーボ効果だろうけど、どうにかなる気がしてくる。

あれ、通知来てる。

珍しくシクフォニのグループLINEの方に通知が来てるからなんだろうと見てみれば、みことのパソコンが不調らしい。『会議にはすちくんのパソコンから参加する!』と送られて、もう30分もせずに会議だった事を思い出した。あっっっぶな、忘れてた。

ODしてて大丈夫かな、まぁ対面じゃないしどうにかなるか。



まぁいっか、なんて思ってた頃の自分を殴りたい。更に言うなら無理矢理掴みかかってでもODを止めたい。

会議の直前くらいに少しフラついて、おー効いてる!なんて会議大丈夫かな、なんて不安から目を逸らして思ってたのがよくなかったのか。会議がはじまってすぐの時点でもう既に逆上せたような感覚があった。普段なら心持ち、ちょっとフラつく…?くらいなのになんか凄いかもなぁ、なんて適当に考える程度だったのに、段々深夜テンションじみたテンションの上がり方をしてきた。そこまではよかった。

段々頭が重くなってきて…と言っても頭痛だとかの重さではなく、物理的に重く感じるようになって、少し視点を変えようと首を回すだけで勢い余って首ががくんと曲がるくらいにはおかしかった。変なテンションの所為でおもしろ~!!なんて思ってる場合じゃなかった。そこから数分後の今、すごい吐き気に襲われてる。

最悪吐いても良いように、ゴミ箱を抱えてカーソルはミュートの上に。不可抗力で口から吐瀉物が…という様な場合以外に吐いたことが無い上に、回らない頭で考えられない俺だけじゃ吐いた方が良いのかもわからず、会議の声が度々聞こえなくなる程の耳鳴りと吐き気、吐き気に耐えてる所為か滲む脂汗、おまけで血の気が引くような感覚がしたり脂汗の所為か暑くなったり、体温もいったりきたりで気持ち悪い。食べてないからか空きっ腹にODしたからか気持ち悪い上に吐き気で気持ち悪い、さらに脂汗で気持ち悪い上に暑くなったり寒くなったりを短いスパンで行き来して気持ち悪い。地獄みたいな気持ち悪いの4重奏。気持ち悪くて苦しくて、くらくらするのにやけにテンションだけは高くて。背もたれに体重全部預けてなんとか座れてるだけで、体勢を変えようとしたらきっと笑えるほど不格好に椅子から落ちる気がする。


『─んらん?───じょうぶ?』


きぃぃーーーなのかしぃぃーーなのか、とにかく周りの音を吸い込んでるような気さえする耳鳴りの所為で途切れ途切れではあるものの、名前を呼ばれて声に意識が向く。


「ぁ、うん。だいじょうぶ」


正直何も大丈夫じゃない。返事するために口を開いたのですら嘔吐きそうで、声が震えてないかとかおかしく思われてるんじゃないかとか気にする余裕すらなく、当然会議の進行状況なんてわかる訳も無い。

なんでこんなにしんどいの。あつい。会議だってわかってたらしなかったし。こんなにODってしんどかったっけ。さむい。なんできもちわるいの。もしかして死んだりするかな。死んだら死因ってどこまで伝えられるんだろう。

縋るようにゴミ箱を抱えてる指先が勝手にぴくぴくと痙攣する。動かそうとしてないのに勝手に動く感覚が気持ち悪くて、けどそんな些細な不快感も強すぎる“気持ち悪い”が全部塗りつぶす。

漸く吐き気が引いてきて、座ってただけなのに疲れ果てて荒い息をしながらぐったりと時計を見ると10分弱しか経っておらず、体感あんなに長かったのに、と驚く。思考も視界もなにもかもが全体的に靄がかかってるようにうまく動かなくて不明瞭で、動かしたいように動いてくれない腕をどうにか使ってゴミ箱を元の位置に戻す。

その間もずっと会議が行われてる事はわかるのに、回らない頭と、先程よりはマシとはいえまだ耳鳴りの残る耳じゃただの雑音にしか聞こえなくて、全く内容を理解やら処理やらの以前に聞き取れない。


「次のオリ曲は───」


会議の内容を把握してないのは駄目だと、どうにかディスコ越しの声に神経を向ける。


「──らんらんはどう思う?」


なんとか聞き取って、なんとか頭を回して理解しててもずっと腹の底に緩やかな気持ち悪さが残っていて、口を開くと吐瀉物が出てきそうで何も言わないでいるとすちにそう振られた。

やばい、頭も回ってないし変なことをいうだけならまだマシだけど吐きでもしたら言い逃れできなくなる。


「ん……おれはっ、」


そこまで口にすると嘔吐きそうになって、思わず反射的に口を閉じてしまう。やばい、どうしよ。どうにかフォローしなきゃないことはわかってる、フォローフォローフォローフォローフォローフォロー……………

とりあえず最悪吐いたとしてもパソコンやら椅子やらにぶちまけるよりは、とゴミ箱を持ち上げようと身体を動かしたところで、頭の中とお腹の中がぐちゃぐちゃに掻き回されるような気持ち悪さと、首だけじゃ支えきれなかったらしい重い頭が勢い余って机にぶつかる。

ごんっ!と結構な音がしたのに不思議と痛みは無く、どこをぶつけたかも自信が無い程度には感覚が鈍いらしい。飲んだのが痛み止めだったから?

ぐちゃぐちゃに掻き回される頭とお腹と、視界の変化に着いていけず痛くなってきた目に重い頭と腕をどうにか使ってゴミ箱を抱えると、ディスコ越しにこさめが話し出した。


「らんくん?すごい音せんかった?」


あやばい、そうだフォローしないと。あれ、何話してフォローしなきゃなくなったんだっけ。やばい頭も回ってない。

何もかもが上手く動かせないのに焦りだけが積み重なっていくと、突然いるまが話し始めた。


「悪ぃ、1回終わりにしてもいいか?また後で続きしよう」


なんでこんな事言い出したのかはわかんないけど正直助かる。視界がブレてるような靄がかかってるような、とにかく焦点が合わない時みたいにうまくディスコの文字がよめなくて、それでもアイコンが動いたり消えたりしてるのはわかる。なんか喋ってた気もするし、多分一旦お開きという事になったんだと思う。

良かった、と安心してそのままとりあえず横になりたくて椅子から立ち上がろうとするとまた頭とお腹をぐちゃぐちゃに掻き回されるような気持ち悪さがして、思わず床に座り込む。

冷や汗なのか脂汗なのかも良くわからないけど暑くて汗ばんで、かと思えば血の気が引くかのように寒くなる。体調不良の時みたいな荒い息をして、なんとか吐き気を飲み込みながらやっとベッドまで辿り着いて横になる。

横になった途端随分と楽になって、吐き気も気持ち悪いのも、ぐちゃぐちゃに掻き回されるような心地もどこかに飛んでいった。お腹の底が緩やかに気持ち悪いのは治らないものの、さっきまでの気持ち悪さに比べれば殆ど無いような程度。

気持ち悪いものも全部無くなって、残るのはふわふわとした現実味のない感覚とやたら上がったテンションと楽しさだけ。ふわふわして、くらくらで、楽しくて、溶けそうなくらい。

視界はおかしい気もするけど、どうせ代わり映えしない天井しか写らないんだから困ることもない。

ふわふわして、くらくらして、たのしい。眠くないのに瞼が閉じそうになって、夢なのか現実なのかもわかんなくなってくる。うたた寝みたいな、眠りに落ちる瞬間みたいな気持ちよさに、沈んでいく感じ。


ふわふわだなー、なんてぽやぽやしたまま楽しさに浸ってるとガチャ、と鍵の開く音が聞こえた気がして、驚いて身体を起こしたものの、視界が回って頭が重くてぐらぐらして、そのままベッドに逆戻りする。

家の鍵を持ってるのは、俺といるまだけのはず。いるま来てくれたのかな、帰ってきた?心配してくれた?

横になったからか気持ち悪さもすっと引いて、ふわふわの楽しいにわくわくが増える。


「…らん?」

「なに?」


いるま、いるまだ、いるま。いるまがきてる!喧嘩してるから普段なら気まずいとか申し訳無いとかあるはずなのに、頭が変な回り方しかしない所為かそんな事は微塵も無くて、心配してくれた?なんてめんへらじみた思考が顔を出す。もしかしたら声も弾んでるかもしれない。


「……入ってもいいか」

「いいよ~」


普段なら淀みなく喋るはずのいるまが、珍しく言葉に迷ったのか、神妙そうな様子で声をかけてくる。入って来たら驚く?怒る?心配する?

起き上がったら気持ち悪くてどうせ逆戻りするンだろうなというのもあるけど、それ以上に俺がベッドでごろごろしてるなんて殆どないから重大そうに見えるんじゃないかなんて下心もあって寝転んだまま返事する。


「やっぱ、体調悪い?」

「んーまぁ、一応?」


俺の顔を見るなりきゅっと眉を寄せて心配そうに聞いてきたいるまに心配されてる!なんて気分が上がる。


「熱測ったか?飯は?食えそう?」

「測ってない、ご飯やだ」


ODじゃなくてただの体調不良だと思ってるのかそう声をかけてくれるいるまにそう返しつつ、ODって伝えたらどんな反応するんだろうなーなんて夢想する。


「じゃあとりあえず体温計持ってくるからちょっと待ってろ」

「はーい」


さっきごみばこに捨てたシート持ってたらODって気づくかな?どうしよ、ごみばこから拾ってくる?なんて考えたものの、手足がやたら重くて考えるだけに留まる。いるまが看病してくれるのかな?俺が心配すぎて帰ってきた?俺が心配すぎて会議無理矢理終わらせたの?そんな根拠もないポジティブなことをふわつく頭でぐるぐる考えてるといるまが戻ってくる。


「ほら、起き上がれるか?」

「ん、……むり、ぐるぐるする」


いるまが背中を支えて俺を座らせようとしたものの、頭の動く感覚に乗り物酔いじみた気持ち悪さが込み上げて、頭もお腹もぐちゃぐちゃに掻き乱されるような気持ち悪さに耐えきれずいるまの手に全体重を預けているまの手に支えられてる背中だけ中途半端に浮いてる変な体勢になる。


「うぉ、じゃあこのまま測るぞ」


いるまの手が離れて背中が布団につく感覚。微睡みのような意識の中で脇で何かがじゃっかんもぞもぞしてる気がする。多分体温計。

ぴぴぴぴ、ぴぴぴぴ、と体温計が鳴ってまた脇がもぞもぞする気がした。


「37.6だけど…微熱?」


あ、熱あるんだ。解熱鎮痛剤っていうイメージあるけど解熱効果なかったのかな。それとも飲んだやつがただの鎮痛剤だった?


「そうかも、…いるまぁ」


なんとなく、手を伸ばせば届くベッドサイドにいるのにいるまが遠く感じて、どっかに行きそうな気がして手を伸ばす。


「なに?どっかしんどい?」

「ぎゅー…」


甘ったるい程の優しい声に安心して、ふわふわの頭の所為で自制も聞かずに思わず口から願望が零れる。


「でもお前起き上がれんやろ」

「ん……となり、きて」


寝転んでるから気持ち悪いのも収まってて、思考はクリアなのに身体が追い着いてこない。


「…しゃーなしな」


ふわふわの視界は瞼が落ちそうになってるのか目の前で紫が動いてることしかわからないけど、ベッドの揺れる感覚がしたから多分いるまがベッドに来てくれてる。うれしい。


「ほら、はよねろ」

「ん、………だいすき」


いるまに抱きしめられて、安心感と愛しさが湧き上がってくる。どこまでがいるまのお陰でどこからが薬の所為かもわかんないけどとにかく嬉しくて、ふわふわして、安心して、重い瞼のままいるまに抱きついて目を閉じた。




side🌸


「らーんー?」


翌日、薬が抜けたのかまだちょっと気持ち悪いものの日常生活に支障がないくらいには元気になったにも関わらず、心配症のいるまにベッドの住人を義務付けられてゴロゴロしてるとそう声が聞こえてきた。

怒ってる??いや俺仕事しないでちゃんとゴロゴロしてるよ???


「お前、薬飲んだやろ」

「あっ……」


いるまの言葉にすっかり忘れてたものの心当たりしかなくて思わず声が出る。やっっっっっべ………


「次やったら薬俺管理するって言ったよなぁ?」


しっかり記憶にある。覚えてる。気まずくて怖くて、目を逸らしてこくんと頷く。


「はぁ、ほんま心配したんだからな」

「うん、……ごめん」

「……俺も、キレて出てって悪かった」


ちゃんと看病されたし、心配してくれてた自覚はあるから俺にしては珍しくいるまに言い返すこと無く素直に謝ると、いるまも喧嘩が発端だと察してたのか謝った。


「……仲直り?」

「………まぁ?」


中々お互い素直に謝る事も無かったから、いるまにそう聞くといるまも中々ない状況に困ってるのかふわっとした肯定?が返ってくる。


「俺は帰ってきてくれたし、いるま大好きだよ」

「ばーか、俺の帰る場所ここしかねぇよ」





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コメント

2

ユーザー

ガチでこの作品好きです

ユーザー

初コメ失礼します!!! オススメに出て来たのですがめっちゃ好きです!!! 🌸🌸推しで病み系結構好きなので嬉しいです!!! 神でした✨✨✨

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