「…到着。」
「やっと着いた!」
「やっと…って…」
「そんなに歩いて無いよ。」
「久しぶりだ…」
「行こっか。」
遊園地…やっぱり、たくさんのアトラクションがあるなぁ。最初は…
「ねぇ、ここ行きたい。」
「立体迷路?」
「良いね。行こうよ。」
「うん。」
迷路の場所へ。
「うわぁ…」
思わず声が出てしまった。思っていたよりも大きく、最近リニューアル。難易度が選べるようになっているらしい。
「これ…やるの?」
「中級コースにするよ…さすがに。」
「ごめん。私は初級にする。」
「それじゃあ、一旦ここで分かれよう。」
「待ち合わせは?」
「12時にここのフードコートで。」
「オッケー。」
私達は、中級コース。香、沙恵、影斗、柚衣、白玖。他の4人は迷う自信があるらしく、初級コースに行った。
迷路は、2人までは一緒に入れるらしい。2人が入った後、1分経ってから次の2人がスタートする。最初に柚衣と白玖。次に私と香。最後に沙恵と影斗。1番良い組み合わせだ。
スタート。様々な分かれ道があり、何度も行き止まりに当たる。
「また行き止まりかぁ。」
「お姉ちゃん。」
「うん?」
「ここで聞くものじゃないって分かってるけど…誰もいないから聞くね。」
「何?」
「好きな人、いる?」
「え?いないけど… 」
どうして、こんなことを聞くの?それを聞く前に、答えてしまった。いない。好きな人なんて。いるはずがないよ…。
「そっ…か。」
「香は?」
「いっいないよっ!」
…あ…うん…なるほどね。わかりやすいなぁ。
「ふ~ん。」
「ニヤニヤしないでよ!」
「はいはい。じゃあ、進もう。」
ん?今、誰か居たような…?気のせいかな。
進む。何度も行き止まりにぶつかり、数十分掛けてゴールにたどり着いた。
「やったー!」
「疲れた…」
「お疲れ様。」
「あ…影斗。」
「早いね〜。」
「勘が当たっただけだ。」
こっちは外れてばかりだったのに…
「柚衣と白玖は?」
「ここにいるけど。」
「え!?」
えっと…どこに…いたんだろう
「あれ?気づいてなかった?そこにずっといたんだけど。」
「嘘…本当に?」
気付けなかった…
「ああ。」
… 何も、言えなかった。
「12時まであと10分だ。」
「行かないと。」
皆で、歩き出す。
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