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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#年の差
水無月 京
84
#大人の恋
月詠 涼
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「その二年後だ。私のもとに、ある人が攻の死亡通知と彼からの手紙が届けてくれた。その人から、日本を出てからのふたりの足取りを教えてもらえた。攻と桐子さんは、最初アメリカにわたり、そこでふたりで働き始めた。最初は日本語講師としての職を得たらしい。そこで、紛争地域からの移民の子供たちと知り合い、彼らを支援する法人を開設して……数年後、拠点を現地へと移したらしい。桐子さんが帰されたのは、どうやらその時点でのことのようだ。攻は、彼女を危険な地域に置いておきたくなかったんだろう。妊娠には気付いてなかったようだ。少なくとも、攻からの手紙にはそれらしいことは一言も書かれていなかった。攻は彼女と別れた時に、遺言書を作成していて、傷つけた詫びとして死んだときに遺産の半分を彼女に渡してほしいという意思を綴っていた」
戦争の火種を抱える地区で誰かを助けるために生きようという考えは、私にはよくわからない。
まだ自分のことさえままならない私に、他人が救えるとは思えないから。父は、それをやろうと思うくらいに意思の強い人だったのかしら。
結局話を聞いても、父という存在をリアルに感じることはできない。ただ、月を眺めて泣いた母が、父を愛し続けていたんだろうなというのはなんとなく理解できた。
「私は彼女に会いに行って、遺産の話をした。だが、彼女は受け取りを拒否してね。それで一旦、遺産は親族である私のもとに振り込まれたんだ。私は……とても受け取る気にはなれなくて。当時はまだ生きていた彼女の父親に彼女の口座を聞いて、毎月少しずつ振り込むことにしたんだ。彼女は……今度は素直に受け取ったよ。時折手紙もくれた。君の写真を添えてね。攻によく似ている君を見て、私と彼女は共に慰められていた。直接言葉を交わすことはもうなかったけれど、私と彼女は、大切な人を失った悲しみを共有していた。だから、彼女が初めて僕に頼ってきたとき、僕は一も二もなくそれを受けた。“あの子を雇ってあげてくれないかしら。私、あの子がかわいくて、大事なことを教えそこねてしまったの。私がいついなくなっても困らないように、あの子がひとり立ちできるようにどうかお願いします”とね。……まさか本当に、こんなに早く死んでしまうとは思わなかったが」
コメント
1件
ああ、もう……胸がぎゅってなった🥀💧 お父さん、戦火の中でも誰かを助けようとしたんだね。母さんが振り込まれたお金を最初は拒否して、それでも「あの子を」って頼った最後の言葉が重すぎる。39話にして核心が少しずつ見えてきて、でもまだお父さんのリアルが掴めないっていう主人公の気持ちもわかるよ。 この距離感の描き方、坂野さんほんと上手いなあ……