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※夢小説/男主/BEASTネタバレ※
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俺には記憶が二つある。
一つは俺の人生の記憶。
もう一つは、俺じゃない”誰か”の人生の記憶。
俺はその”誰か”の人生の記憶を、
前世の記憶だと考えている。
昔、記憶が二つ存在する事を、
有る人物に云った事がある。
「…記憶が二つ、か……」
『そう。夢とかに、
もう一つの記憶を夢に見る事が有るんだ。』
“秘密を一つ教えろ”、とか意味の分からん事を云い出す物だから教えた。
この事以外、俺には秘密と呼べる物が無かったからだ。
「夢”とか”に、と云う事は、
夢以外にもそのもう一つの記憶を見る事が有るんですよね?」
『……。
……まあ、そうだね。
色々な”場面”で、急に頭痛が走って…頭の中で記憶が再生されては途切れる時があるんだけど…』
『例をあげるなら、』
俺は隣にいる有る人物を指差し云った。
『お前を見てる時とかに良くあるよ』
「……私?」
きょとんとして此方を見る。
『うん、太宰治を見てる時に、結構な頻度でもう一つの記憶を見るんだ。』
「へぇ……
うふふ、嬉しいです」
『…うん?…何で?』
「それが本当に前世の記憶だとしたら、
私は貴方の前世の”心残り”として残っているんですから」
『……心残り、か……』
…太宰治の云ってる事が本当だとしたら、
『…………確かに、そうかもね』
太宰治を救えず、
殺してしまった事を、
心残りとして残しているのかもしれない。