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「チャラせん何見てんの?」
「ああ、これ。もうすぐまっすーの誕生日だから、プレゼント選び」
「そっか、そうだった。でも通販で買うのかよ」
「まさか、目をつけといて直接買いにいって本人に渡すよ」
「いーなー、羅刹学園を出れるとかいーなー」
「これも大人の特権ってやつだね。あとダノッチにはこの話聞かない方が良いよ」
「? 分かった」
「うん、素直で良い子」
もうすぐ淀川真澄の誕生日である。淀川真澄を狙っている四人はそれぞれどんな誕生日プレゼントを贈ろうかと考えていた。そうして誕生日当日、無陀野無人は淀川真澄に会いにきたが、見事に逃げられた。しかもプレゼントだけ置いて帰れと無情な伝言を並木度馨に残していた。
「それじゃ、無陀野さん。プレゼントを預かりますね」
「お前は分不相応な恋心とやらは捨てたか?」
「いえ相変わらず変わりません、変えるつもりも無いので諦めて下さい」
「ふん、これがプレゼントだ。真澄に必ず届けろ」
「ライバルだからって隊長の命令には違反しませんよ」
「あと次は逃がさんと言っておけ」
こうして無陀野無人は淀川真澄へのプレゼントを馨に預けて羅刹学園に帰った。その時、当の淀川真澄はというと花魅坂京夜と会っていた。
「まっすー、誕生日おめでとう」
「うるせぇ、直で会わなきゃプレゼントを渡さないとか面倒かけんな」
「やっぱりまっすーの誕生日は会ってお祝いしたいじゃない、それじゃプレゼントを食べに行こう」
「ああ? 食い物なのか。だから会わないと渡せないってわけか」
ちゃっかりと花魅坂京夜は淀川真澄に会って、そうして二人で豪華なランチを食べた。花魅坂京夜が薦めるだけあって、良い日本料理屋でかなり美味しい料理が出た。
「それじゃ、まっすー。また会おうね」
「美味かったけど、さっさと帰れ」
「あーん、冷たい。キスの一つもしてくれればいいのに」
「俺がそんなことするキャラか!?」
花魅坂京夜は大満足で羅刹学園に帰っていった。そうして夜になって馨の古本屋に真澄がよると、無陀野無人からのプレゼントはカッコいいスーツ一式だった。サイズがぴったりな所がある意味恐ろしい。
「どうやって隊長の体のサイズを知ってるんでしょうか?」
「さぁな、ぴったりなのが逆に腹が立つな。高そうだし使えそうだから捨てれねぇし」
「それじゃ、僕からのプレゼントです。無陀野さんと比べますとかすみますが服です。隊長が気軽に着れそうな普段着にしました」
「おう、ありがとな」
「それと一ノ瀬くんからも手紙が届いてます」
「どうせ誕生日おめでとうだろ、読むまでもねぇが一応読んどくか」
無陀野や、花魁坂のプレゼントには礼を言わなかったのに、真澄は馨には礼を言った。それはいつも副隊長として自分を支えてくれている馨を知っているからだ。そして一ノ瀬四季からの手紙も読んでみた。
”誕生日おめでとう、あんたが産まれて来てくれて本当に良かった”
「隊長、若い子って素直で良い子ですね」
「精一杯のプレゼントって感じだな」
そういう淀川真澄は内心で心のどこかが揺さぶれられた。ありきたりな言葉ではあるが、プレゼントなんてこともできない人間が、一生懸命考えたプレゼントだったからだ。真澄はまた時間があったら羅刹学園の寮に電話してやろうと思った。
「春は過ぎたっていうのに、皆まだいかれてやがる」
コメント
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読み終えました!第5話、みんなの真澄さんへのアプローチがそれぞれ個性的で楽しかったです。無陀野さんの「逃がさん」宣言とサイズぴったりのスーツには笑いましたし、京夜の「会って渡したいランチ作戦」は上手いなと。でも一番刺さったのは一ノ瀬くんの手紙。「あんたが産まれて来てくれて本当に良かった」ってシンプルなのに重みがある言葉ですよね。真澄が馨にだけ礼を言うのも納得。彼なりの信頼関係が見えてほっこりしました。