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うぅ~好き🥺🫶💞無理しない程度でいいので続き楽しみにしてます🥰🫰💞💞
続き楽しみにしてます🥰🥰
蘭春⚠️
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カチカチカチカチ
時計の進む音に耳を傾ける。
その時ちょうど短い針が正午を回った。
ガタン!
勢いよく机を押し上げ、椅子から立つ。
春千夜「!」
スマホの画面をみると
『玄関前で待ってる』
という蘭からのメッセージが入っていた。
蘭が俺を待っている。その事実が浮ついた俺の心をさらに浮つかせた。
心無しかいつもよりも足取りが軽い。それに玄関までの道がものすごく長く感じられる。
廊下をぬけ、エレベーターのボタンを押す。
けれど待っている時間をも惜しくて、エレベーターを諦め、すぐ近くの階段で1階まで駆け下りる。
ビルのフロントの前を駆け抜けすぐそこの玄関まで早足で迫る。
数メートル先に俺を待っているであろう蘭の姿が見られた。
春千夜「!、ら、…あ」
蘭の名前を呼ぶ前に見なりをなおし、呼吸を整える。
春千夜「⋯よし、」
恋心を自覚する前は、なんとも思わなかったことが、今になって特別なことに感じられる。
春千夜「蘭、」
こうして名前を呼べることが
蘭「あ、春千夜、おせーよ」
名前を呼んでもらえることが、
春千夜「⋯、わりぃ、」
こんなにも嬉しい。
ほんと恋ってすげぇわ。
何て、俺が1人で恋の偉大さについて考えていると蘭がそういえば、というように俺に問いかける。
蘭「今日さー、飲みに行くのはいいんだけどどこで飲むの?」
蘭「昼間だからBARも開いてないだろうしー 」
春千夜「たしかにな」
誘うことに必死でどこに行くかなにも考えていなかった。
俺から誘ったのに何も考えてない自分が少し恥ずかしく思える。
春千夜「あー、とりあえず腹減ったし、適当にそこら辺の居酒屋でも入るか?」
蘭「いいね、さんせー」
「いらっしゃいませー!、何名様でしょうか?」
蘭「2人でーす。」
そう言って、店員に2と手で表す蘭に可愛さを覚えた。
「了解しました!ではこちらのお席ご案内致します!」
蘭「はーい」
蘭「じゃ、かんぱーい!」
春千夜「乾杯」
ごくごくと乾ききった喉に喉越しのいい液体を注ぎ込む。
蘭「うま、やっぱ昼から飲む酒サイコーだわ」
春千夜「だな。なんか食べ物もたのもーぜ」
天国のような時間が過ぎるのはあっという間だ。
現に今、時計はもう午後の7時を指している。
気づかないうちにこんなにも時間が経っていたのか。嫌だ。まだ蘭と一緒にいたい。
そんな俺の思いとは裏腹に
蘭「あー、もーこんな時間じゃん。そろそろお開きにするかー。明日も3時から仕事だしー。」
なんて言葉が蘭の口から放たれる。
なんだよ、俺のこと好きならもっと一緒にいたいとか思わねーのかよ。
春千夜「…、そうだな。」
少しの後悔を胸に答えた。
会計を終え、外に出ると真冬の空はもうすっかり暗くなっていた。
蘭「あー、さみぃー。」
春千夜「だな。」
なんて会話をしていると上からポツポツと水が降ってきた。
雨が降ってきた。そう認識した瞬間に、すぐに土砂降りになった。
蘭「うわっやば。あ、あそこいこ、春千夜」
そう言って俺達が駆け込んだのは近くにあった公園の屋根付きのベンチだった。
蘭「雨やべー⋯、急に降ってきたな」
春千夜「だな。誰か適当に足になりそうやつ呼ぶか?」
蘭「そーしよ」
蘭「はぁ?そんなにかかんの?」
蘭が声を荒らげてそういった。
蘭「うん、あー、わかった、じゃあな」
はぁ、と蘭がため息をつく。
春千夜「どうだ?」
蘭「30分かかるって。さすがに待てねーよな。風邪ひくわ。」
蘭の言う通りだ。
雨に濡れた体はいつもよりも冷えやすく、冷たい夜風に吹かれていることもあって少し肌寒い。
春千夜「あー、じゃあどーすっかな。
………はくしゅん」
そんな話をしていると、やはり寒くなってくしゃみが出た。
さむ、そんな風に肩を擦る。
蘭「……さみーの?」
俺の顔を覗き込むようにして蘭がそう問いかける。
春千夜「あ?まぁ、すこしな」
蘭は、ふーん、というような顔をした後、少し悩んだような顔をする。
春千夜「?、蘭?」
よし、と覚悟を決めたように蘭が言う。
蘭「とりあえず⋯、一旦、俺ん家くる?春千夜の家よりは近いだろ。 」
たしかに。ここからは俺ん家より蘭の家の方が近い。近いが。
蘭の家で2人っきりか⋯。
少し悩む俺に、
それに、と蘭が言葉をかける。
蘭「飲み足りねーし、な?」
春千夜「⋯そーするか。」
期待と不安、そのふたつが巡った思いでそう答えた。
がちゃ、
蘭「よいしょ、はーい、どーぞー」
蘭はさりげなく扉を開け俺が中に入るのを待ってくれている。
行動が全てモテで構成されているのか。この男。
春千夜「⋯じゃまします。」
今までとは違う、そんな思いで玄関の門をくぐった。
蘭「いらっしゃーい。適当にいつものソファ座ってて。」
春千夜「ん、」
いつも、蘭の家に来た時に座るソファの方に移動し、平常心をつくろう。
数分して蘭がこちらの部屋に移動してくる。
蘭「はい、これ。」
そう言って渡されたのは、バスタオルと服、そして新品の下着だった。
春千夜「?、んだよこれ。」
一応それを受け取り、問いかけた。
蘭「いや、風呂、はいるっしょ?お先にどーぞ。」
風呂場の方向を指さしながら蘭がそう言った。
春千夜「あ?いやいや、普通にお前から入れよ。」
家主を放っておいて、俺から入るなんてこと出来るかよ。
蘭はえー、という顔をした。
蘭「いいから先入れよ。あ、んだよ、それともなに?俺と一緒に入りてーの?」
ニヤリと笑って蘭がそういう。
春千夜「は」
蘭「なーんだ、そーいうことかよ、かわいーなはるちゃん♡」
か、かわ⋯⋯//
春千夜「あ?!、ち、ちが⋯、も、もういーわ、俺先入る。」
蘭「んー、いってらー」
バタン。
勢いよく風呂の扉を閉めた。
春千夜「クッソ⋯⋯、」
俺は普通の顔で居られてただろうか。赤くなってなかっただろうか。
そんな不安は置き去りに、心は蘭への好きでいっぱいだった。
春千夜「からかいやがって⋯///」
ドキドキとまだ高鳴る胸と熱を持つ顔。
今夜は心臓が持ちそうにない。
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すっごく更新が遅くなってしまいすみません💦
見てくれてありがとうございます🙇♀️
あと1話程で物語終わりにしたいと思ってます!
最終話をぜひお待ちください👍🏻