第4話
お風呂を出て、体を拭きながら、
(しまった!)
と思った。
下着は、もう1回同じのを履こうと思っていたので、そのまま置いていたのに、いつの間にか無くなっている。その代わりに、新しい下着が用意されていた。
(クソっ!私の下着はどこに………)
あらかた探したが見たからなかったので、諦めて、用意されていた下着を履いた。
「ちょっと、244さん!」
「ん?どうしたの?」
244さんはソファーに座ってテレビを見ていた。
「どうしたの?じゃ、ないですよ!!私の下着はどこにやったんですか!?」
「洗濯機に入れて置いたよ。他の服とも一緒にね。」
何か変なことでも?とでも言うように244さんはこっちを見て続けた。
「当たり前だろ?それとも、君は着た服を洗濯しないのかい?」
「安心してよ、新しい服買ってあげるからさ。」
「それと、新しい下着はもう準備していただろ?」
244さんが微笑んだ。
(くっ、この人本気でこれから一緒に生活する気なんだ。)
改めて実感させられた。
「………あと、そのパジャマ似合ってるね。可愛いよ。」
私はいま、用意されていた下着と、………おそらく244さんのものであろうTシャツと短パンを履いている。でも、ガタイの差だろうが、Tシャツは7分袖に、短パンは膝下まできている。
(下着は用意出来たのに、なんで、パジャマは用意してくれなかったんだろう。)
そう思って、聞いてみたが、
「ん〜」
と誤魔化された。
「………もしかして、自分の服を着せたかったとか?変態ですね〜」
自分でも何を言っているんだろうとは思ったが、244さんを挑発してみた。でも、まだ244さんは余裕そうだ。それどころか、
「そうだね。」
と肯定してきた。そして、ソファーから立って、近づいてきた。
244さんが1歩1歩近づいてくるたびに、私も1歩1歩遠ざかった。
「な、何でしょう。」
「………君はさ、僕が寝ている間に逃げようと考えているだろう。」
図星だった。さっき、風呂場で確かにそう考えた。
「い、いや〜していませんよ〜」
「君は、嘘が苦手なんだね。」
そう言って、次の瞬間私の視界には天井が広がった。そう、244さんにお姫様抱っこをされてしまった。
「えっ!?ちょ、離して、」
そんな言葉を無視して244さんは私を寝室まで連れていった。
(やば、244さんの顔やっぱ綺麗………じゃなくて、私重くないかな………じゃなくて!!)
あれこれ考えてるうちに目を覚ました時にいた寝室に戻ってきた。
244さんは、丁寧に私をベットの上に下ろした。
そして、244さんもベットに寝転んだ。
「えっ、なにをしてるんですか!?」
「さっきも言ったけど、君は僕が寝ている間に逃げるだろうと思ってね。」
そう言って、微笑んであと続けた。
「これからは、一緒に寝よ。悪いけど、逃がす気はさらさら無いんでね。」
そう言って頭を撫でてきた。
「………悪いと思って無いでしょう。」
「あれ?バレた?」
「バレますよ!!」
盛大にツッコンだ。
「大丈夫です!逃げないので!なので、別々に寝ましょう!!!」
「………それを僕が信じるとでも?それに、逃げないなら、一緒に寝ても問題ないだろ?」
(問題大ありだわ!!)
そう思いながらも、抵抗は諦めた。
実際暫くたって、体を動かそうとしたけど、全く動かなかった。それどころか、
「どうしたの?」
なんて聞かれるから、恐るしくなる。
(もしかして、寝ないのかな………)
(とりあえず逃げることは明日考えるとして、今日は寝よう)
そう思って、私は眠ってしまった。
コメント
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もっと早く神作品に出会えったかっです!