なんて?聞き間違いですよね?
分からない
分からない
分からない
嘘下手なんですから変な嘘つかないでくだs…
 …はぁ、真っ直ぐな目だ、分かりましたよそうですか…本当なんですね。
 赤「…そう、ですか。」
 涙が止まった、おかしな話だ。さっきより衝撃的な話のはずなのに…
 兎「うん、それであかーしに言っておきたいことがあったの。」
 ゴソゴソをと音をたてながら何かを探すあなたをいつもなら一緒に探すだろうが今はただ呆然と見ていることしかでき無い。
 兎「あった!伝えたいこと全部書いておいたんだよ、忘れないように。」
 そうなんですか。
 兎「読むねちゃんと聞いてて。」
 赤「…はい」
 絶対聴き逃しません。
 兎「あかーしいつも自主練付き合ってくれたりトスくれてありがとう。」
 いえ、スターと練習出来て良かった。
 兎「普通のエース、なれなくてごめん」
 あなたは普通なんかよりすごいですよ。
 兎「春高優勝出来なくてめっちゃ悔しかっただから、来年は優勝してね。」
 はい、絶対に
 兎「あかーし優しいから来年も絶対さいこーなチームになる。」
 後輩が優秀なんですよ。俺は別に。
 兎「赤葦京治…梟谷をよろしくな」
 赤「…はい」
 ぽんと頭に手を乗せられ、止まったはずの涙が溢れた。涙と一緒に溜めていた言葉まで溢れてしまう。
 赤「…やっぱり嫌ですッ居なくならないで下さい。絶対来年春高もインターハイも優勝するからあなたにも見ていて欲しいッ…俺はあなたがいないとバレーを好きになれないッ!」
 こんなこと言いたくない…知られたくなかった…でもッでも
 赤「あなたがいない世界で俺は生きていたくないッ!」
 兎「あかーし…」
 木兎さんは俺の名前を呼び俺の腕を掴んで、メモは見ず真っ直ぐ瞳を見つめてくる。
 やめてください、こんな顔も瞳も綺麗じゃないから、そんなに見ないで下さい。
 兎「お願い、最後の1行だからちゃんと聞いて。」
 腕を引っ張られ顔が近づく。
 兎「あかーし、たくさんありがとう、
赤「…へ?」
 え?今なんて?待って下さい本当に、バレーできないとか死ぬとか好きだとか、本当に頭パンクする。
 兎「これでおしまい。ありがとう」
 赤「!待って下さい。あのえっと、とにかく!木兎さん本当に死ぬんですか?」
 兎「うん!今のでもうバレー以外の未練ないし。」
 ゴシゴシと目元をこすって溢れたぶんの涙だけは拭き取る、まだ全然溢れてくるけどその分は諦めよう。
 赤「それに好きって、仲間としてですよね?」
 兎「ちがうよ、恋愛的に。」
 ぶわっと音がなりそうなほど顔が火照る、俺は今告白されたのか?死に際の人に?
 赤「これって返事とかって…」
 兎「くれるの!?」
 赤「…」
なんなんだこの人のテンション、 返事…しないのは…否分かってる。
 今日何度も飲み込んだ言葉。
伝えなきゃいけない。
 飲み込んでしまえなかった言葉、気づかなければよかった、気づかなければこんなに辛くはならなかった、気づかなければ
 赤「好きだから…俺も一緒に死なせて下さい。」
 こんなこと言わなかったのに。
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