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ちょっと急いで書いたんで口調と日本語がおかしいですが気にしないでね☆
五月の湿った空気がポート・マフィアの首領執務室の窓を叩いている。重厚な扉の向こう側、太宰治はデスクに突っ伏し、中原中也は不機嫌さを隠そうともせずに腕を組んで立っていた。二人が同時に生理を迎えたのは、これが初めてのことではない。だが、よりによってこの過酷な任務の直前、しかも両者共に二日目という最悪のタイミングで重なるとは、誰が想像しただろう。
「はぁ……両方二日目とはね。これってつまり『運命♡』ってやつ?」
太宰が机から顔を上げ、気だるげに薄い唇を動かす。窓からの光が彼女の細い首筋を照らし、その瞳にはどこか楽しげな色が宿っていた。中也は呆れを通り越して殺意を込めた視線を叩きつける。
「な訳あるか。殺すぞ、貴様」
怒鳴る声さえ、今日はどこか湿り気を帯びて震えている。下腹部に居座る鈍い痛みが、神経を逆撫でし続けていた。中也は苛立ちを隠すようにポケットに突っ込んでいた手を引き抜き、乱暴に髪を掻き上げた。元来、中也はどちらかと言えば男勝りな振る舞いを好む。だが、生理の時期だけは、その身体的な差異が否応なしに突きつけられる。
「っていうか、中也ほんとに女の子だったんだね。胸板薄すぎて、てっきり男のなり損ないかと思ってたよ」
「手前よりはあるわ! 巫山戯んな!」
「どこにあるのかな? 目の錯覚かな?」
太宰のからかいに、中也は腰のホルダーからナイフを抜こうとしたが、下腹部に走った鋭い痛みに顔を歪めてそれを止めた。太宰もまた、青白い顔をして腹を抱えている。普段なら軽快に交わされる罵り合いも、今日ばかりは重く、鈍い。
「……ナプキン、持ってないか。忘れた」
沈黙の後、中也が短く吐き捨てるように言った。太宰は瞬きを数回し、ふふ、と喉の奥で笑う。
「首領に聞けばいいんじゃない? 予備を持ってるって言ってたよ」
「……嫌だよ。あのロリコンに生理用品なんて貸し借りしてられるか」
「案外、趣味がいいかもよ?」
「そういう問題じゃない」
中也はふらつく足取りで椅子に腰を下ろした。視線をふと太宰の足元に落とすと、黒いスラックスに、微かに、しかし確実に赤い染みが広がっているのが目に入った。中也は眉間に皺を寄せ、溜息を吐きながら自分の外套を脱ぎ捨てて太宰の腰に巻き付けた。
「おい、染みてるぞ。……着替えてこい」
「え? ……あ、ほんとだ。気づかなかった」
太宰は自身の腹部を見下ろし、呆然とした顔をした。次の瞬間、彼女はこともなげに懐から着替えのスラックスを取り出した。
「はい、替えがあるからこれ履きなさい。……中也も履く?」
「……待て、なんで私のサイズの服を持ってんだ、貴様」
「ふふ、ストックは多ければ多いほどいいの。中也の服は着心地がいいしね」
呆れたように中也は太宰からスラックスを受け取り、物陰で素早く履き替えた。戻ってきたとき、太宰はすっかり冷え切った身体を温めるように、偶然持ち合わせていたカイロを腹に押し当てていた。
「お腹、痛いよ……」
太宰が子供のように呟く。その表情には、普段の狡猾な裏社会の住人の面影はない。中也は無言で、自身が持っていたもう一つのカイロを取り出すと、太宰の手に押し付けた。
「ん。2個あるから一個やる」
「……ありがとう。中也ってば、意外と優しいね」
「借りだ。次は返せよ」
二人は並んで、執務室の硬いソファに座り込んだ。二日目の重い痛みと、冷え切った身体。太宰がふらりと中也の肩に頭を預けてきた。中也は突き放そうとしたが、太宰から伝わってくる微かな温もりが、冷えた自分の身体に心地よく染み渡ることに気づき、抵抗をやめた。
「はぁ〜、子供体温の中也、あったか……」
「……熱苦しい。離れろ」
「嫌だ。中也、今日不機嫌だね。生理のせい? お腹、撫でてあげようか?」
太宰は中也の言葉を無視して、その細い指先を中也の腹部に滑り込ませた。柔らかい布越しに伝わる、太宰の細い指の動き。それが、鈍い痛みを優しく解きほぐしていくようで、中也は思わず身体を跳ねさせた。
「ぅあッ!?」
「あはは、変な声。……やっぱり痛いんだね」
太宰の少し掠れた声が、耳元でくすぐったい。中也は乱れた呼吸を整えながら、熱くなった顔を隠すように俯いた。こんな無防備な距離感は、普段の二人にはあり得ない。生理という抗えない不調が、彼女たちの境界線を曖昧に溶かしている。
「……違うわ。お前こそ、痛みで顔が死んでるぞ。……ったく、仕方ねぇな。私も撫でてやるよ」
「え? 中也が? 流石にそれは……」
太宰が驚いて顔を上げた。中也は不器用に、しかし真剣な手つきで太宰の腹部を手のひらで包み込んだ。中也の手は、太宰よりもずっと温かかった。その温もりが太宰の肌に伝わった瞬間、太宰は小さく息を呑んだ。
「ひゃぅ、ッ……」
「……ッ、何だ、その変な声は」
二人の間に、沈黙が流れた。互いの鼓動が、重なる皮膚を通して伝わってくる。冷え切っていたはずの身体が、徐々に熱を帯びていく。生理特有の倦怠感も、この熱の前ではどうでもいいことのように思えた。
「……中也の手、本当にあったかいね」
「……お前もな」
太宰が中也の胸元に顔を埋める。中也は、その華奢な肩をそっと抱き返した。窓の外では、いつの間にか雨が止み、雲の隙間から柔らかな光が差し込んでいた。
「来月も、またこうしてくっ付こうか」
「……気が向いたらな」
「素直じゃないねぇ。……大好きだよ、中也」
「うるせぇ。……私もだ」
言葉にするのは照れくさいけれど、今はそれだけで十分だった。冷えた身体が満たされていく感覚の中で、二人はこの不調さえも、悪くないものだと感じていた。ポート・マフィアの重い日常の中で、ほんの一時だけ訪れた穏やかな、けれど確かな体温の共有。二人は静かに目を閉じ、互いの鼓動に耳を澄ませた。来月も、再来月も、こうして痛みを分かち合えるのなら、それもまた悪くない「運命」なのかもしれない。二人は寄り添ったまま、微睡みの中で互いの温もりを確かめ合っていた。
ちなみに日にち被って「運命♡」ってやつ?って会話は私が知り合いのお姉さんとやった会話を参考にしています(笑)
おまけ。文ストミリしらの時に書いたやつ。
百合です。
太中に見えるかもだけど個人的には左右なしです。
↓
ポート・マフィアの薄暗い廊下を、足音を殺して駆けていく影があった。
太宰治は、長い髪を揺らして、前を歩く中原中也の背中に飛びついた。
「中也ー! ねぇ、中也! 私と付き合ってよ!」
中也は眉間に深い皺を刻み、溜息をつくと同時に肘打ちを見舞う。だが、太宰はそれを華麗に回避し、今度は隣に並んで歩きながら上目遣いで覗き込んだ。
「ねぇってば。私達、相性最高じゃない? 喧嘩もするけど、殺し合いだってできるくらい。これ、運命っていうか、もう結婚するしかないよね」
「誰がするか。殺すぞ、この包帯女」
中也は吐き捨てるように言うが、赤くなった耳元までは隠せていない。太宰はそれを見逃さず、クツクツと喉を鳴らして笑った。
「好きだよ、中也。世界で一番、私のことを理解して、一番私を怒らせてくれる中也が大好き」
唐突な告白。それはマフィアの幹部同士の会話にしてはあまりに軽薄で、けれど湿り気を帯びた切実な響きがあった。
中也は歩みを止め、太宰を睨みつける。その碧眼には、苛立ちと、隠しきれない焦燥が混じっていた。
「……お前、本気で言ってんのか、ただのからかいか知らねぇが。いい加減にしろ。五月蠅い」
「本気だよ。私、中也のこと以外に興味ないもの」
太宰は中也の細い肩に手をかけ、少しだけ強引に引き寄せる。中也は「うせろ」と口では言いながらも、太宰の手を振り払うことはしなかった。
「……馬鹿野郎。任務中だぞ」
「じゃあ終わったら? 終わったら付き合ってくれる?」
「……知るか。……気が向いたら、考えてやらんこともない」
中也は顔を背け、早足で角を曲がっていった。
その後ろ姿を見つめながら、太宰は満足げに目を細める。
「ふふ、言質取った」
冷たい石造りの廊下に、二人の軽快な足音が重なって響く。
世界を暴力と硝煙で塗りつぶす彼らにとって、それは何よりも甘く、そして壊れやすい、対等な恋の始まりだった。
コメント
13件
二人で仲良くくっついてるの可愛すぎ尊すぎかよぉぉぉ...
お腹撫でて感じるのめっちゃ癖なんだが?!安定に尊くて元気出る
文ストミリしらでも知ってても夏の穂さんの語彙力が元から良くて今はそれよりもはるかに成長しているのなぁぜなぁぜ