「美桜の部屋、漫画とか本でいっぱいだな。片付けるの手伝おうか? 大変だろ?」
「いやいやいや、ぜんっぜん大変じゃない! むしろ楽しいというか、なので大丈夫! 隆ちゃんは自分の部屋かたしてきてっ!」
全力で拒否した。さっき見られた漫画は少女漫画だから過激なシーンはないものの、他のやつにはそりゃ濃厚なシーンが沢山あって、まぁそれが最強に最高なんだけれども。ノーマル男子に見られた時の反応が恐ろしくて考えたくもない。そもそも新居に見られなくないなら持ってくるな! って思うかもしれないけどそれは無理だ。この本に囲まれる空間が無いと私はストレスで十円ハゲができるかもしれない。バレるかもしれないという危険と隣り合わせでも私はこの漫画達から離れる事は出来なかったのだ。
「じゃあとりあえず自分の部屋片してくるけど、今度美桜のオススメ漫画貸してよ、読んでみたいから」
この方はやはり神ですか? と聞きたい。誰か教えて下さい。この方は神なのですか? 相手の趣味を知ろうとするとか……手を合わせたくなる。
「じゃ、じゃあ後でオススメ教えるね」
「ん、ありがと」
バタンとドアが閉まり私は床に寝そべり、上がり切ったテンションをどうにか身体から逃そうと右に左にと転がりまくった。
「うぅ〜神すぎるよぉ〜好きすぎるよぉ〜」
一人悶々としながら一冊ずつ本棚に仕舞い込み夕方の五時には八割ほど部屋は片付いた。
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