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ギャグ風味あり
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人類 叡智の結晶。
それすなわち、ネット通販なり。
「ふっふっふっふっ」
ネットに繋がるスマホひとつあれば、わざわざ店に出向かずとも、どこからどこへでも欲しいものを届けてくれる。商業の発展とは、かくも尊いものである。
深夜にポチッた商品を最短で翌日には発送してくれるのだ。
ああ、なんと素晴らしきや引きこもり人生!
通販バンザイ!!
なにより。ひとの目が気になって実店舗では購入がためらわれるあんなモノやこんなモノだって、気軽に買うことができる。例えば、コレ。
おれの手に握られているのは、一本の小瓶。
コンビニやドラッグストアでよく売られている栄養ドリンクの形を模した、一見なんの変哲もないこの商品。
その名も『マンネリ打破』——実はコレ、媚薬なのである。
「ふっふっふっ……ぐふふっ」
この媚薬、YAMAZONのクチコミによると。
『一晩中、彼の腰が止まらなくて困りました!』
『恋人とは仲良しだけど、セックスレスに悩んでました。でもコレを飲んだら… 今ではすっかりラブラブです♡』
『いつもそっけない彼女が甘えて来た。すごいぞコレ。男としての自信が取り戻せた。感謝』
『不感症な私も、彼と一緒にこれを飲んだら熱い夜を過ごせました♡』
※効果には個人差があります。
このように、なかなかの高評価。期待に胸が膨らむというものだ。
さて。どうしておれがこんなものを買ったのかというと。理由はひとつ。葛葉に飲ませる為である。
葛葉と付き合ってそろそろ二年が経つ。
表向きは悪友の仲と呼ばれているおれらではあるが、交際はそこそこ順調に続いている。もちろんセックスだって、幾度となく回数を重ねてきた。
はじめの頃こそなかなか快感を得ることが難しかったが、そこはおれのたゆまぬ努力のおかげ。今ではちゃんと気持ちよくなれている。
おそらく葛葉との体の相性も悪くないはずだ。セックスすれば、お互いにイくことが出来ている。
しかし、だ。
あえて言わせてもらおう。
葛葉のヤツ、淡白なのである。
まず、頻度が少ない。
『配信お疲れ様。疲れてるだろ? お風呂あっためてあるから早よ入りな。今日はゆっくり休んどけ』
『一緒に寝るだけで。こうやって、抱きしめててもいい?』
… … …、… … …。
そんな甘っちょれぇぇェことを、ヤツは言うのだ!
そんなんだからもちろん、一晩の回数も少ない。ていうか、ほぼ一回だ。
い っ か い !
あまつさえ。
『次の日に響くから』とか『めっちゃ気持ちよかった。今日はもう満足』とか。ほざきやがる。
ふっっざけんな!
おれはもっとイケるのだが!?
ぬるい。
ぬるすぎる!!
これだから、ぬるま湯のごとくぬっくぬくの温室育ちのお坊ちゃまクンはよぉぉッ!!
おれは所望する。
エロ漫画広告で見るような、どエロいセックスを!!
——パリィン!
床に散らばる媚薬の瓶の破片。
葛葉『なんだ…体が急にあつくなってきた…ハァ…ハァ…めっちゃ——ムラムラする!』
突如発情した葛葉は服をいそいそと脱ぎはじめ、そばにいたおれをうしろから抱きしめる。
おれ『な、なにすんだ葛葉!』
葛葉『だめだ…! おれもう、ガマンできねぇ…!』
壁どーん! 顎くいっ! 床ばーん!
濃厚で濃密なKISS!
息も出来ないほどの激しいHUG!
抱き潰されるORE!
葛葉『ハァ、ハァ…ローレンすまねえ…このままここで抱いていいか?』
おれ『!?… おれを… …どうするつもりだ!?』
華麗なる警備部隊⭐︎必殺右ストレートパンチ∞をお見舞いするも、手首はつかまれ、両腕を拘束されてしまう。
目と目が合う、おれと葛葉。
床に組み敷かれたおれを見つめる葛葉の目は、まさに獰猛な捕食者の目だ。そう——まるで血肉に飢え、荒野をさまよい、今まさに獲物に食らいつかんとするオオカミのごとし。
一方おれはといえば。例えるならば、そうだな… …か、か弱き野ウサギちゃん?
まぁおれ、すっごく強くてかっこいいんだけど。
おれ『や、やめろッ!』
葛葉『うるせえ! ぶち犯してやる!』
おれ『うわぁぁ〜〜!』
ビリビリビリッ!
葛葉のバカ怪力で破けるおれの服!
かわいそうな2時だとかTシャツ(涙)
湊に新しいのを買ってもらおう(✌︎)
おれ『うっうっ…メソメソ…ぴえん( ; ·̫ ; ) 』
葛葉『ローレンの(※ピー)はおれの(ピー)に(ピー)して(ピーピー)されたくてたまらないっていってるぜ?』
※規制音
おれ『そんなこと、おれは言ってな……あ!♡』
葛葉『ほら、中めっちゃヒクヒクしてる』
おれ『ヒクヒクなんてしちょらん! ——ッ!? やぁっ♡♡』
葛葉『ハァ…ハァ…ローレンも、ほんとはこうして欲しかったんだろ? ハァ…ハァ…』
おれ『ハァ…ハァ…そんなわけないだろ…ッ、んんッ♡ ハァ…ハァ…』
葛葉の指がおれの×××を、ぐっちょんぐっちょんのぐっちゃぐちゃにかき混ぜる。
抵抗したいのに!
×
抗えない快感♡
こんなつもりじゃなかったのに!!
×
止まらない絶頂♡♡
葛葉『おれの種付けプレスで、ローレンのこといーっぱい孕ませてやる♡』
おれ『!? !? !?』
(いったいこのあと、おれはどうなってしまうのだ——!?)
※試し読みはここまで。
つづきは本編をお楽しみください。
——あるだろ? こういうエロ漫画。
即堕ち二コマのエロ同人誌でもいい。
絵柄は高橋留〇子先生風でお願いしたい。それか、横槍メ〇ゴ先生で。
男なら、一度くらいは味わってみたいじゃないか!? どエロいセックスを!
そう、それを叶える秘薬が——この『マンネリ打破』なのだ!!
あの冷静沈着、温厚篤実……と見せかけた超超超クソ生意気な葛葉がコレを飲んだら、いったいどんな事になるのだろう。
「ふっふっふっふっ」
夢と妄想と、期待とエロに。おれの胸と股間が膨らむというものだ。
——と、鬱屈した胸の内を吐露してしまったわけなのだが… …
つまり。
おれはもっと、葛葉とエッチがしたい。
でもそんなの。
おれから言えるわけがない。
これはおれと葛葉の、バラ色のセックスライフの為なのだ。この媚薬は、最後の頼みの綱なのである。
小さな勇気を奮い立たせるよう。おれは手の中の小瓶を、ぎゅっと強く握りしめた。
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