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ひとりぼっちの無花果
838
キムチ
107
戦火が飛び交い、絶叫が絶え間なく響き渡る。
本来ならば、豊かな自然と古風な趣に満ちた町であるはずの場所は、今や無情な炎と絶え間なく響く悲鳴に支配されていた。
空に浮かぶ、本来ならば優しく人々を見守るはずの月は、まるで殺戮に狂ったかのように、不吉な深紅の光を放っていた。
空に輝く、本来ならば希望をもたらすはずの星々は、まるで人々を見捨てたかのように、ただ果てしない闇だけを残していた。
これらの不吉な兆候が示しているのは、ただ一つ。
呪われた悪魔の子が、まもなく現れるということだった。
彼がもたらすものが、破滅なのか、それとも希望なのか、誰にも分からない。
だが、確かなことが一つだけある。
彼が歩むこの道では、必ず多くの人々が命を落とすことになるだろう。
さあ、彼がいったいどのような選択をするのか、その目で見届けようではないか!
「ドォォォン!!!!!」
凄まじい轟音が遠方から響き渡り、大地全体を激しく揺るがした。
そこには、黒い鎧を身にまとい、銀白色の長剣を手にした男がいた。
男は、向かい側に立つ三十代から四十代ほどの、赤い髪をした女に剣先を向けていた。
二人の身体は、どちらも埃と血にまみれている。
つい先ほどまで、激しい戦いを繰り広げていたことは明らかだった。
女は手にした奇妙な長杖を掲げ、目の前の男に向かって突きつけると、厳しい口調で問い詰めた。
「お前がここを攻めた目的はいったい何だ? まさか、本当に私たちのような老いぼれを殺すためだけなのか?」
男は、背筋が凍るような荒々しい息遣いを漏らし、冷ややかに女へと言い放った。
「さすがは伝説の英雄。判断力は鋭いな。お前の言うとおりだ! 俺がここへ来た最大の目的は、お前が隠しているあの品を奪い取ることだ」
それを聞いた女は、驚きに目を大きく見開き、信じられないといった様子で声を上げた。
「そんなはずがない! いったいどこでそのことを知ったのだ? あの者たち以外に、このことを知っている者などいるはずがないのに!」
男は冷笑を浮かべながら言った。
「そいつらがお前を裏切らないと、どうして言い切れる?」
その言葉を聞いた女は、怒りに満ちた声で吠えた。
「黙れ! あの者たちが私を裏切るはずなど絶対にない! 絶対にだ!」
男はさらに言葉を続けた。
「どうやら、お前は本当に哀れな女らしいな。自分が裏切られたことにすら気づいていないとは」
女は手にした長杖を地面に強く打ちつけ、怒りに任せて叫んだ。
「お前をこの手で殺し、その口から真実を聞き出してやる!」
男は剣を掲げ、冷たく言い放った。
「それも、お前にそんな実力があればの話だ」
そう言い放つと、二人は同時に相手へと突進した。
二人の戦いがようやく終わったとき、周囲にあった家屋は、すでに戦闘の余波によって跡形もなく破壊されていた。
地面には、底が見えないほど深い巨大な亀裂や穴が、無数に刻まれていた。
男は重傷を負い、全身の至るところから血を流し続けていた。
それでも、最後に笑ったのは男だった。
手にした剣で女の腹部を深々と切り裂き、大きな穴を穿つことに成功したのだ。
男は荒い息を吐きながら、冷ややかに言った。
「どうやら、この勝負は俺の勝ちのようだな!」
女は地面に倒れ込み、口から血を吐き出した後、苦しそうに言葉を紡いだ。
「どうやら、私も本当に年を取ったようだね……。今の若者にすら、敵わなくなってしまうとは」
男は嘲るように言った。
「どうやら、あの伝説も所詮は伝説にすぎなかったようだな!」
腹部の激痛に全身を震わせながらも、女は苦しげに男へと言葉を返した。
「私の伝説は、もう終わった……。だが、新たな物語は、今まさに始まろうとしているんだよ」
男は嘲笑を浮かべながら言った。
「まさか、あいつらのことか? どうやら、もううわ言を口にするようになったらしいな。すぐにあいつらも、お前のもとへ送ってやる」
その瞬間、女は素早く手を伸ばし、男の足首を力強くつかんだ。
そして、どこか晴れやかな表情を浮かべながら言った。
「私は信じているよ。あの子たちは、きっと私を超える存在になれる。だからこそ、私があの子たちの進む道を照らす、最初の灯火となろう!」
男は動揺し、慌てて声を上げた。
「待て、お前、まさか……!」
しかし、女は男が言い終えるのを待たなかった。
そのまま身に隠していた爆弾を起爆させ、二人はもうもうと立ち込める砂煙の中へと飲み込まれていった。
コメント
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わあ、第42話、読み応えのあるエピソードでしたね…! 真っ赤な月と壊れた町の描写だけで、もう息が詰まりそうでした。特に、致命傷を負った女が「最初の灯火となろう」って言い放った場面、胸が熱くなりました。最期まで信念を手放さない強さが、本当にかっこよかったです。あの爆発の後どうなるのか、続きが気になって仕方ないです!