テラーノベル
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世界を見捨ててまでも、君を愛せる自信があるよ。
そんな愛を伝えたら君は咲ってくれるかな。
この手を取ってくれるかな。
「 ずっと、僕なりの愛を伝えるからね 」
この言葉は君に届いたのか。
はたまた、雨の音で打ち消されたのか。
僕には知る余地もないのだろう。
冷たくなった君を眼前に、
軽いステップで宙を舞った。
これが僕の愛だ。
『 たまには反省も必要だなぁ 』
『 ねぇ、__ ちゃん。愛してるよ 』
腐った君が咲っているように見えた。
〈解説〉
・咲う
→主人公から見た彼女は花のように美しい。
・冷たくなった君を眼前に
→主人公の恋人は倦怠期から対応が冷たくなっていた。それをよく思っていなかった主人公は恋人を殺してしまう。 つまり、「冷たい」は恋人が冷たく接してくる、と言う意味と既に亡くなっており体から体温が抜けている、と言う意味の二つをかけています。
・軽いステップで宙を舞った
→首吊り自殺を表しています。できるだけ柔らかな印象にしたかったので、恋人と踊っているような軽やかな表現にしました。きっと主人公は自分の手で殺めた恋人と死後も踊っているのでしょう。
・これが僕の愛だ
→主人公のなりの曲がった愛です。償いの心も少なからずあるはずです。
・『 』
→最初の鍵かっこは「」だったのに対し、最後の鍵かっこは『』に変わっています。これは首を吊っている状態のため、意識が朦朧としているのを表しています。生きているか死んでいるかもわからないような境目でも恋人を想っている主人公は狂気すら感じますね。
・腐った君が咲っているように見えた
→先ほども説明した通り、恋人は亡くなっています。きっと亡くなってから少し時間が経っているのでしょう。腐食が進んでいるようです。
→「咲っているように見えた」人は死んだ時、筋肉が緩み笑っているように見えるそうです。この文章で恋人が亡くなっていると悟った貴方は相当な読解力を持っていると思います。
→首を吊ってもがいている時でも恋人に目を向けていますね。主人公とその恋人は果たして幸せになれるのでしょうか。
コメント
9件
初コメ失礼します。 ほんと、大好きなんですけど