第5話 青春の輝き (2)
一日が過ぎてもモヤモヤしていたので、私は数少ない友人、エリーを頼ることにした。エリーは噂や恋愛話が好きな女の子だ。ドラドについての噂も、彼女に聞いたものだ。エリーの家に向かったがエリーはいなかった。しばらく探していると大通りの出店の所にいた。「エリー。」
「?あっマリーだ〜どうしたの?」
「ちょっと相談したいことがあって。今、いいかな。」
「う〜ん。相談ね〜。悪いけど、明日でいい?今日はお祭りをめいいっぱい楽しまなきゃ!」
「お祭り?今日はなにかめでたい日なの?」
「え〜!?マリー、それ1種の不敬罪だよ?」
「え。なんか大事なやつ?」
「大事も大事!今日は女神ルージュ様の生誕祭だよ!?」
「あ。」
そうだった。よりによってルージュ様の生誕祭を忘れるなんて。ルージュ様は想像と自由を司る女神でこの天界を統べるお方だ。そんな方の生誕日を忘れるとは。エリーの言う通り不敬罪だ。いつ首を跳ねられてもおかしくない。段々と青ざめていく私を見て、
「ま、まあちょっとくらい覚えてない時もあるよね〜」
と慰めてくれた。
「ところで、マリーは最近どこに行ってるの〜?この頃、私と全然話してくれないし…ねえ、どこに行ってるの?」
「どこって、いつもの森だよ。そこで薬草を採集しているの。」
「だとしてもだよ。あ〜、まだ探してるんでしょ。森に住んでるっていう噂の少年!」
「…もう探してないよ。」
「ん〜?今、嘘の間があった!探してるんだ〜」
とニマニマした顔で言ってきた。
「言っとくけど、そんなんじゃないからね。」
と言おうとしたが、そういうことについて相談するために来たことを思い出し、言うのをやめた。
「ん〜やっぱり今から相談に乗ってあげるよ。」
「え、いいの?お祭り楽しみたいんじゃ。」
「マリーが何に悩んでいるのか〜気になっちゃった!ねえ、相談って何?」
「ええっと…ちょっとでも一緒にいるとすごくドキドキする人がいて…これって恋、なのかな。」
チラっとエリーを見ると何言ってんだこいつみたいな顔をしていた。
「え、マリーそれ本気で言ってる?」
「?」
「もはや可愛く見えてきたわ。」
「??結局これは恋なの?」
「もち…可能性は高いよ。だってドキドキするのはその人だけなんでしょ?それともすっごく綺麗な羽だったとか?」
「羽は…特にかな。」
「ふ〜ん。じゃあそれは恋だね!」
キッパリと言われ、心の中の煙がすっと消えていくのを感じた。
「そっか。恋なのか。」
「はぁ〜、ついにマリーも恋か〜。お相手はもしかしてあいつ?」
「?あいつって?」
「え、ルイズだよ!違うの!?」
エリーが指を指す方向を見るとルイズがいた。ルイズは私の家の隣の人で、これといって関係はない。よく独り言をつぶやく奴で、どちらかと言うと苦手な人種だ。
「ルイズに恋?ありえない。」
「ズバッとゆうね〜ルイズに聞かれたら泣いちゃうかもよ?」
「誰が泣くって?」
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