コメント
8件
全話読ませていただきました🙌 この お話 大好きです 💗 次回も 楽しみです ‼️
天才だぁ...次回楽しみです。ちなみに何んですけど更新される日は変わったりしますか汗急な質問すみません汗
『繫縛の楔』〜私はこの檻から逃げられない〜
第6鎖 『お揃いの瞳』
『私は、もう……ここから逃げられない……。』
なんて残酷なことをするんだろう。知的なフェネスのやることは酷だ。
私は部屋に戻され、再び鎖を繋がれる。
『もうヤダ、誰か殺して……。』
(こんなの生き地獄だよ……っ!)
と、その時――。
ドガンッ!!
『きゃっ!!』
『よぉ。主様。』
ボスキが足でドアを蹴り入ってきた。
『ぼ、ボスキ…っ?』
『ふっ。さっきぶりだな。分かっただろ?もう逃げられないってこと。』
『……。』
『他の執事のように身体に教え込むのも悪くないが俺は他の奴と同じは味気ないと思ってな。』
『……?』
『…なぁ。主様。俺とお揃いしねぇか?』
『え……?お揃いって、何が……?』
『……。』
ボスキは右目をトントンと叩く。
何を言ってるのか分からなかった。だが、
その疑問はすぐかき消された。ボスキの右手にはナイフが握られていたからだ。
『ま、まさか、右目を……っ?』
『あぁ。主様は優しいからな。受け入れてくれるだろ?』
スっとボスキの手が伸びる。
『いやぁっ!!』
私は部屋から逃げ出そうとする。
ガチャガチャガチャ……!
ドアノブを何度も回す。
『嫌、だれか、だれかぁぁ!!』
私は誰に助けを求めてるの……?
この檻の外に……味方なんて居ないのに。
『逃げるなよ……主様。』
グイッ
『痛……っ!ボスキ、やめて、いやぁ!離してぇ!!』
髪を引っ張られてベットに押し倒される。
『やめ、いや…っ!』
『ふ……っ。その顔……堪らねぇな。』
ボスキは右手にナイフを持ち、私の瞳をじっと見つめる。
『暴れると余計痛いぞ?』
『やめ――。』
ザシュッ!ザシュッ!
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ…ッ!!!!!』
断末魔が屋敷に響きわたる。
ポタ、ポタ…ッ……。
ナイフから鮮血が滴る――。
『これでよし……。ふっ。俺とお揃い。だな。主様。』
気絶している主様の頬を撫でる。
『俺の仮面を付けておけ。俺は新しく作れば問題ない。』
カチャ
『似合うな。あぁ……。これで俺のものだな。』
チュッとおでこにキスを落とした。
取り返しのつかないものを失った私は――
まるで、道化だ。
片目から見えるのは辺りに広がる闇だけ。
次回
第7鎖 『薔薇の鞭で愛情を注ぐ』