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8 - 第8話 自分の城

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2024年12月14日

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◻︎急病



デスクに戻って、資料を見た。一枚に付箋が貼ってある。


_____ん?電話番号?


11桁の数字は、明らかに誰かの電話番号だけど、誰?


『これも目を通しておいて…』


健介が渡してきたものということは、プライベートの番号?クシャッと丸めてゴミ箱に捨てた。


「結城君、ちょっと!」


デスクに結城を呼ぶ。


「はい、なんでしょうか?」


「さっきの新田さんの話を参考にして、プロジェクトの準備に取り掛かって。あと3人誰か仲間に入れてね。進捗は、都度報告するように」


「はい、わかりました。3人は…」


「確か今は隣のチームが、手が空いてると思うから」


_____とにかく今は、プロジェクトを成功させなきゃ!


パソコンのメールをチェックし、抱えている仕事をこなしていく。仕事はきっちりやらないと、私は一人で生きていくんだからと気合が入る。


_____アイツのことなんか、かまってられない



猛烈に仕事をこなした。1時間だけど残業もした。どうせ帰っても誰も待つ人はいないから。



「さてと、帰りますか」


ほとんどが帰ったフロア。思わず独り言が漏れる。オフィスを出て地下鉄に乗って、駅から10分に私の城がある。


30年ローンで買った、私だけの城。1LDK60㎡、15階建の6階。コンビニで買った缶チューハイとおつまみを提げて、エレベーターに乗った。


このマンションは、単身者が多いのが気に入ってる。家族で住むには少し狭い。そのおかげで子どもの声がすることもなく、静かに過ごせる。

鍵を開けて、閉じ込められた日中の空気でムッとする部屋へ入り、エアコンを入れた。


_____手を洗って、とりあえず飲もう


奮発して買った白いソファで、ライムの缶チューハイをプシュッと開ける。


「ぷはぁ!たまらん!空きっ腹に沁みるなぁ」


オジサンみたいだよな、と自虐的に考えることはとっくにやめた。だってここは私の城、私の好きにしていい場所なのだから。


見るともなくテレビをつけて、お笑いタレントが出てるバラエティー番組を観る。頭の中に蔓延はびこってる仕事のことや、不快な雑多なことをリセットする。


「あはは!くだらないなぁ!もうっ!」


声に出して笑う。私は寂しくないんだと思いたいから。


_____一人でも寂しくない、結婚なんていらない


呪文のように唱えながら、今夜は3本目をあけた。


テレビもライトもつけたままでソファで寝てしまうけどそれも、一人ならではの贅沢だ。


_____あれ?


どれくらい寝てしまったのだろう?

エアコンでお腹が冷えたのか、刺すように痛み出した。痛い、と思ったらもう止まらない。


「いったぁ…、なに…なんで…」


お腹を抱えて丸くなっても、ゆっくり深呼吸してみても痛みはどんどんひどくなる。トイレに行きたいような気もするけど、立ち上がれそうにない。汗が吹き出してきた。

自分のお腹で何がおきているのか、わからない。


痛い。

痛いよぉ…。

こんな痛みは経験したことがない。息をしても痛い。


私はテーブルにあったスマホをなんとか見つけた。119をタップする。


「い、痛い…」


その後は記憶がなかった。













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