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一瞬で肉塊になる”かつての大国”・イギリス…!!やはり弟を奪うとは、それだけのことをイギリスはしたのです。愛の力ですね(場違い感)
もう表現力がすごくて...アイルランドの姿が頭の中にはっきり浮かんできました。ぶっ刺さりました。
グロ系も書けるなんてスゲェや
アイルランド×北アイルランド
地雷の方はブラウザバック推奨!
僕は身体が小さくて、気弱だから、しょっちゅう変な人に絡まれた。
単なる不審者に狙われたり、…“国”であることを知っている過激な人たちにもすぐ狙われた。僕は力が弱いし、気が弱いから、人間にやり返すなんてことも出来ないからだ。
そんなとき、兄さんはいつも僕のことを庇って、僕の事を襲う人間を倒してくれる。兄さんだって子供で僕より少し背が高いくらいなのに、…ぼろぼろになりながらも、兄さんは僕の為に人間を叱り、殴って追い返してくれた。僕はそれを見ることしかできなくて、いつも罪悪感で死にそうだった。でも、兄さんは腫れて傷だらけの顔でにこっと笑い、手を差し伸べてこう言ってくれる。
「…アルスター、帰ろう」
僕は兄さんが大好きだった。”アイルランド”という家が、なんだかんだ言って大好きだったんだ。
兄さんは優しくて、とびきり強くて、…ああ、もう。とにかく大好きなんだ、兄さんの事が。
「…あ、りがとう」
いつもは無口な僕が頑張って勇気を振り絞ってそういうと、兄さんはすこしびっくりしながらも、キラキラ笑顔を輝かせて「どういたしまして!」と言う。僕はそんな兄さんが、本当に、好きだったんだ。
「…兄さん、…?」
背筋が凍るのが判る。僕の目の前に現れた兄さんは、兄さんの形をした化け物に見えた。
兄さんの全身にはべったりと血が付いていた。兄さんの服が破れていたり、兄さん自体怪我をしてることから誰かと相当激しい喧嘩をしてきたのだろう。
…でも、僕は判っていた。兄さんがこうなったのは、僕のせいだ。
「…そのうで、……」
兄さんの左手には誰かの千切られた腕が握られていた。さあっと僕の顔が青ざめる。嫌だ、見たくない。そう思ったけれど、僕の視線はその腕に釘付けだった。あの、確かに細いけど筋肉のついた綺麗な腕は、…
(…イギリス、さんの)
「アルスター」
兄さんはにこ、と笑ってこちらを向いた。…アルスター。とても、懐かしい名前。
「違う、僕は北アイル______」
そう言いかけたところで、ベチャァッッ!!と不快な音が鼓膜を揺らす。兄さんが勢いよくイギリスさんの腕を床に捨てたんだ。イギリスさんの腕は、もう腕であることがわからないほどのただの肉塊と化していた。うぷ、と思わず吐き気がこだましてくるが、なんとかこらえた。
「アルスター」
再度、兄さんはそういう。そして、僕の方に近づいてくる。僕は腰が抜けていて、兄さんを目で追うことしかできなかった。
…僕はどうなってしまうんだろう。
「アルスター」
がしっ、と兄さんの腕が僕の頬を掴んだ。ひんやりしたような、…生ぬるいような血と肉の感覚が頬から脳へと伝わり大変気持ち悪い。いや、それ以上に、兄さんが怖かった。なんで、そんなに笑うのかわからなかった。
「大丈夫だ。俺達は国なんだから、腕の一本位無くなってもすぐ生えてくる
…それに、イギリスにかける情なんてない。そうだろ?」
僕は黙り込んだ。
「あいつは俺から本当に全部、…全部奪っていきやがった。俺の大事な、大事な国民も、…俺の、家族も、…勿論、お前も」
そうだった、兄さんがおかしくなったのは、僕が”北アイルランド”になってからだ。
イギリスの統治のもとから兄さんが”アイルランド”として独立したとき、アルスター地方の一部は”北アイルランド”としてイギリス領になった。その地方にはブリテン島から来た長老派やイングランド国教会、…プロテスタントの住民が多かったから。アイルランドはカトリックの国なんだ。
僕はその時、”アルスター”じゃなくなった。
僕は”北アイルランド”になった。
「なあ、一緒になろう。後悔はさせない。イギリスのもとになんて居たくないだろ?」
こちらの全身を舐め回すような、執拗な彼の瞳の動きにくらくらする。嫌だ、僕は、兄さんと一緒に居られないんだよ。
…カチャ、という音と共に僕の腹に何かが当たる。
兄さんの機関銃だ。僕は身体がこわばるのを実感した。
「なあ、一緒になろう。一緒に”アイルランド”になろう。きっと、全部うまくいく」
僕は兄さんの顔が見れなかった。
兄さんは、腫れて傷の多い顔で、…多量の返り血を添えて、言った、
「アルスター、帰ろう」
きみはもうにいさんじゃない
最近は北アイルランド、カトリック系が多いみたいですね
完全に勢いに任せて書いた駄文ですが後悔も反省もしてません((
誤字とかモロ確認してないですが見逃してください。