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「……っ、」
肩に顔を埋めたまま、じゃぱぱの呼吸が小さく乱れる。
たっつんの服を掴む手はまだ震えていた。
たぶん今までずっと、
“弱いところを見せちゃダメだ”って踏ん張ってきたんだろう。
だから安心した瞬間、
張っていた糸が一気に緩んでしまったみたいだった。
たっつんは何も急かさない。
背中をゆっくり撫でながら、
落ち着くまでただそばにいる。
しばらくして。
「……たっつん」
「んー?」
「俺、怖かった」
かすれた声だった。
「みんなに頼ったら」
「“リーダー失格”って思われる気がしてた」
たっつんは眉を下げる。
「そんなわけないやろ……」
「でも、自分が止まったら」
「グループが止まる気がして」
「止まらん」
即答だった。
じゃぱぱが少し驚いた顔をする。
たっつんはその目を真っ直ぐ見返した。
「お前一人で動かしとるグループちゃう」
「俺ら全員でカラフルピーチや」
静かな言葉。
でも、その一言一言が強かった。
「お前が倒れるまで頑張る方が問題や」
「支えるために仲間がおるんやろ」
じゃぱぱの目がまた潤む。
「……っ、でも」
「迷惑かけたくなくて」
「だからって、自分壊したら意味ない」
たっつんは少し困ったみたいに笑う。
「お前さ」
「人には“頼っていい”って言えるのに、自分だけ禁止しとるやん」
「……」
図星すぎて何も返せない。
たっつんは小さくため息をついて、
じゃぱぱの前髪をそっとかき上げた。
「顔色やばいで、ほんま」
「……寝てないから」
「知っとる」
「……食欲もあんまない」
「それも知っとる」
「……」
「全部バレとるわ」
たっつんが優しく笑う。
その笑い方が、
責めるんじゃなく“心配してた”って分かる笑顔で。
じゃぱぱはまた泣きそうになる。
「なんで言わんかったん」
「……心配かけたくなかった」
「今めちゃくちゃ心配しとる」
「……ごめ」
「謝るなって」
たっつんはそう言って、
軽くじゃぱぱの額を小突いた。
「お前の悪い癖や」
「しんどい時ほど隠すの」
じゃぱぱは目を伏せる。
するとたっつんが少しだけ声を柔らかくした。
「なあ、じゃぱぱ」
「……ん」
「今日はもう終わろう」
「でも編集――」
「知らん」
ぴしゃり。
「今日はリーダー禁止」
「仕事も禁止」
「“頑張らなあかん”も禁止」
じゃぱぱが少しだけ困ったように笑う。
「無茶言うなぁ……」
「無茶してんのはお前や」
たっつんは立ち上がると、
じゃぱぱのパソコンを勝手に閉じた。
「あっ」
「終わり。強制終了」
「ちょ、待って」
「待たへん」
そう言いながら、
たっつんはじゃぱぱの手を引く。
その手が思った以上に温かくて。
じゃぱぱの胸がぎゅっと苦しくなった。
「……たっつん」
「ん?」
「……離れんで」
一瞬だけ、
たっつんの目が丸くなる。
たぶん、じゃぱぱからこんな風に言うのは珍しかった。
でも次の瞬間、
たっつんはふっと優しく笑った。
「離れへんよ」
その返事があまりにも迷いなくて。
じゃぱぱは安心したみたいに、
そっとたっつんの袖を握り直した。
コメント
1件
うわ……この話、めちゃくちゃ刺さった……。 たっつんの「全部バレとるわ」って台詞、優しさが重くて泣ける。“リーダー禁止”の宣言も、強制終了も、全部「お前を守るため」って真っ直ぐ伝わってくる。じゃぱぱがようやく「離れんで」って弱さを見せた瞬間、こっちも息ができたよ。自分を壊すまで頑張っちゃう人への救いって、こういう何気ない“そばにいる”って選択なんだなって思った。