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見上げると、城壁のさらにずっと上に、無数の星が瞬いている。
城壁から手を放す。先に着地する。プナールの足が、俺の肩の高さになった。
靴は途中で脱げたらしく、素足だ。
「さあ、そこから飛んでごらん」
彼女はレンガから手を離した。続いて、岩の窪みから足が離れた。
新しい大地がプナールを、しっかりと受け止めた。
「ねえクタイ、」
彼女の声は静かだった。
「私、」
壁をかする風の音が聴こえる。
「ついに、やったわ」
彼女は声を上げた。
俺はうなずいた。