プナールの身体は今、城壁を乗り越えたものにしか手に入らない知恵と経験、感情に満ちている。同時に、俺の全身に貼り付いていた国境も、粉々に散った。破片は天高く舞い上がり星屑の彼方へと消えた。
「さあ、」
俺は両手を広げた。
「おいで」
プナールの青い瞳から、初めて熱い涙が溢れ出た。
一歩、二歩、細い身体が進み出る。
それからだんだんとスピードを上げて、俺の胸の中に埋まった。
俺はその小さな身体を、固く、固く抱きしめた。今や、俺達は同じ世界にいる。
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