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👻🔪×💡。💡がmob(男)と行為しかける場面あります。mob視点ありますが夢小説ではないです。Rシーンは今回なし。苦手な方は回れ右。
mob視点
「伊波、お前大丈夫?」
「ぅ〜〜ん」
「家まで送ってやろうか?」
「いいの?やったぁ」
「俺知らないから案内しろ」
「はぁい」
久しぶりに大学のサークルで飲みに行ったと思えば、この有り様。千鳥足の彼を支えようとおんぶを試みると素直に乗ってくれた。軽、と思わず声に出しそうになる。
「家何処なの?」
「こっからすぐそこぉ」
「どっちだよ」
「まっすぐ。みっつめのこうさてんで、ひだり」
伊波の家、前聞いたときは電車に乗るくらい離れた所だった気がしていたけれど。まあいいか、家を間違えてなければそれで良い。
「鍵は?」
「おれもってる。ちょっとまって」
言われた家に着いた瞬間に、伊波は鍵を見つけたらしい。ガチャ、という音とともに肩を支えながら扉を開け、家に入る。
「あぃがとう、おくってくれて」
「案外クールなんだな、お前の趣味」
いかついブレスレットや指輪などを見て驚く。伊波の知らない一面を覗いてしまったみたいだった。
「ん〜〜〜?」
そんな趣味に構わないような顔をして微笑みかけてくる伊波は、かわいいの一言では済ませてはいけない気がした。
inm視点
今日は小柳が任務で出ていっているから大丈夫だろうと思って、曖昧な記憶の中サークルの同期を家に上げた。そこまではなんとなく、覚えているのだが。
「ま、待って、どうしたの」
「かわいいね、伊波♡♡♡」
酔いが覚めて、サッと血の気が引く。捕まえようとしてきた手を避けて、テーブルの反対側に回り込む。
「お、おかしいよ、どうしちゃったの…?」
「逃げないでよ〜。さっきまでの伊波はどこいっちゃったの?」
それでもテーブルの幅は彼の腕の長さには勝らず、捕まってしまった。
「やめて!!!離して!!!!」
「やっぱ華奢だね〜♡♡」
腕に力を込められて、血管が浮き出てきている。このままじゃ引き裂かれてしまいそう。そんなことを感じるくらいには恐怖だった。
「痛い!!やめて!!!!」
ロウ、助けて。今どこいるの?助けて、ロウ。
今までロウが満たしてくれることが多かったから、抗う手段を知らなかった。
「ンふ……っぁ///やめてぇ…//よ!!」
服の中に手を入れられている。身体を触られている感覚が、気持ち悪かった。コイツより小柳の方が、ウン百倍上手い。
「えっちな声出せるじゃん♡♡誘ってんの?♡」
「誘ってなんか…///ないか、ら…!!」
「はぁ♡そそられる♡♡」
手を後ろに組まれ強い力で抑えられているせいで抵抗ができなかった。そのまま下の服を降ろされそうだった。やだ。助けて、ロウ…………。
「は……………?」
聞き慣れた低い声を聞いたとき、泣きそうだった。
「ろ、ロウ……助けて……………」
kyng視点
帰ってきたら妖艶な声が聞こえてきて体が震えた。この声は、伊波…?だけではなさそうだ。一人でヤッていただけならまだかわいいで済むのだが。誰か居る…?警戒しつつリビングの扉を開けると、ライと知らない男が居た。
「は………………?」
誰、コイツ?浮気か?ライに問い詰めようと顔を向けると、彼の目には涙が溜まっていた。驚いている男はライのズボンから手を離し、こちらを向いて目を丸くしている。
「お前、誰?」
「いや、こっちの台詞だけど。ライに何してんの」
「な〜にまるで悪いことしたみたいな言い方」
「どう見てもライに危害加えてるだろ。離せよ」
「は~い。おじゃましました」
何事も無かったかのようにこの家から抜け出そうとする男を捕まえる。コイツの反応を見る限り、ライが二股している訳ではないのだろう。コイツもコイツで、俺の存在知らなかったみたいだし。
「何した?場合によっては警察呼ぶけど」
「何もしてないって!送ってやったんだよ、伊波が酔ってたから」
目の前の男は目が泳いでいる。やがてその目は俺の手に着いている指輪やブレスレットにたどり着いた。
「その後は?なんですぐ自宅に帰らなかった?」
「一人暮らしだと思うだろ、普通!」
一瞬の隙を突かれて腕を離された。しまった。
「ゴツいアクセサリー、お前のかよ」
吐き捨てるように言って逃げた男を追おうとすると、ライが俺の服を掴んだ。
「ろぅ、ここに、居て……?」
半泣きの彼に従わない奴など何処に居るのだろうか。仕方なく男を逃してライを見る。見たことないほど怯えているライを見て、目を合わせる。
「ライ、深呼吸できるか?」
こくりと頷いてゆっくり呼吸を落ち着かせているライ。さっきの奴の話を、聞いて良いのだろうか。トラウマ案件であればもう、何も言うことはないが。
「ご、ごめん……」
家に誰かを上げてはいけない、そんなルールなど存在しなかった。門限だって決めていなかったし、付き合っているからと言ってお互いの生活を制限するつもりではなかったから。
「オレ、ロウの彼氏失格かも…」
だから、小さな声で少しずつ懺悔するライが不思議だった。というか、被害を被っているのはお前なんだが。
「なんで?」
「だって……っ」
ライはこれまでにあった出来事を全て話してくれた。さっき居たのは大学の同期で、とっても仲が良かったこと。あんな目で見られていたのは知らなかったこと。今までそんな素振り見せたことなかったから、軽い気持ちで家に上げてしまったこと。
「こわかった………っ」
また思い出してしまったのだろうか、身を震わせて小さくなるライ。軽く腕を回してあげると、ライの瞳から涙が流れ落ちた。その大きな目がこちらを見つめて小さく呟いた。
「ね、ロウ…?」
「ん?」
「嫌なこと忘れたい、とか、だめ…?」
「つまり?」
「上書きして欲しい、です…………」
「仰せのままに♡」
伊波をお姫様抱っこすると、一瞬慌てたようだったがすぐに大人しくなった。俺を見つめる瞳はたいそう期待の眼差しだったと思う。
「ロウ、大好き」
「ふーん」
「うわ、冷た。オレのこと好き?」
「うん」
「どんなとこが?」
「全部」
「テキトーすぎ!もっとないの?かわいいとか、かっこいいとか」
「ん〜、あんなやつとよりも俺との行為の方がウン十倍楽しいと思ってるとこ、とか」
「はぁっ……!?///」
「ん、図星?」
顔を真っ赤にして答えなくなったライは、小動物のように見えた。
「おーい、返事がないけど?」
「二度とこんな質問しないから…!!//」
「答えてくれないならお仕置きコースだなぁ」
身体をビクンと震わせてこっちを見るライ。その後特に返事はなかったのでお仕置きを決行することにした。