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夏休みの宿題が終わらねえぜ!!
はっぱ
36
#オリジナル
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重田💋(omoda)
283
ダグラスはすぐさま敵の本拠点に到着した。星外生命体が湧き出ていたところは、大きな屋敷だ。
「何か……見覚えが…」
ダグラスは怪訝な表情で、燃え盛る屋敷を凝視する。割れた窓、燃えて炭となったドア、崩れかかった壁―
「…っ!!」
突然、ダグラスが頭をかかえ、苦しんだ。
「……あれが、あれが…!!!」
目は開き切っていた。何度も同じ言葉をつぶやく。
「あれが………」
ダグラスは無意識に屋敷から目を背けた。そして、震える足で逃げ出した。ダグラスの額から、汗がこぼれた。
「どうして逃げ出すんだ…あれが、何だか思い出せないのに―!」
『思い出せないのは、嫌な事があったから…じゃない?』
走っていた足が止まった。誰がこの言葉をダグラスに伝えたのかが、ふと思い出せなかった。しかし、この言葉は優しい語りだった。
「―ス!おい!ダグラス!!」
強い口調がダグラスの耳に入った。ダグラスは閉じた目を開いた。そこには大剣を担いだニクソンが、ダグラスの顔をのぞいていた。
「何勝手に逃げてるんだよ!!これでもジンを救いたいって、思っているのか!?」
ニクソンは思い切りダグラスを叱った。
「……お前、最後まできちんと任務を行え!!!」
ダグラスの表情は変わらなかった。彼は歯を食いしばり、また屋敷へと歩んだ。
ニクソンに支えられながらも、ダグラスはまた屋敷にたどり着いた。指揮官らの話がいきわたったのだろうか、ダグラス班以外の隊員も集まってきた。
「炎がひどいわ…」
マグダレーナは不安そうにつぶやく。
「アイザック?魔法、放てる?」
「いや、もうこれがダメなんだ…魔力切れだ。」
アイザックは目を伏せた。
「………こんな状況じゃ、制圧はとても難しい―」
すると、後方からニクソンは叫んだ。
「オレが行く!!!」
隊員達は大きく驚いた。
「命知らずなのか…!!」
「もう少し別の案も、あるはずなのに…」
周りは不満を漏らした。でも、ニクソンは慄かなかった。すると、彼は屋敷の前まで黙って歩いた。
「こんなのに怖気ついていられないんだ。」
ダグラスは、ひっそりと彼の後を追う。
「オレがCOMAを代表して、なんとかする。」
「ニクソン―!!」
マグダレーナは涙を浮かべた。屋敷の門の前でニクソンは立ち止まり、隊員達を見た。
「怖がってるヒマなんてないんだよ…どうしても、オレはジン一族を守ってあげたいから―」
そして、ニクソンは笑みを浮かべてもう一度振り返り、
「違う。お前らがいなくなるのが、一番辛いんだよな。」
ニクソンはポケットから”何か”を取り出し、ダグラスに向かって投げた。
「何かあってもなくても、これを”アイツ”に届けてもらいたい。オレ、昇進したって伝えてくれな。」
ニクソンは屋敷に突入した。それにつられたのだろうか、ほかの隊員2名がニクソンに加勢した。
「エディ指揮官。3名の隊員が敵の本拠地に突入したそうだ。」
「ようやく、拠点の消火が終わったのサ?」
シアラー指揮官は顔を背けて、
「いいや、そんな事はしていないそうだ。唯一の魔法使用者のアイザックの魔力はとっくに切れている、らしいからな。」
「……どうするのサ?」
エディは深刻そうな声で尋ねる。
「彼らの命運を祈る。それだけだ。」
「残された手段がこれしかなかった、って事になるのサ……」
エディは落胆した。
隊員全員に、本拠点鎮圧の通知が入った。
影のような星外生命体が屋敷から湧き出るのが止まった。
2人の隊員の表情は、硬かった。
そして、屋敷を囲んでいた隊員は喜びをあげなかった。
そう、ニクソンが帰ってこなかった―
コメント
1件
うわ……今回も重かったですね。ニクソンが……あの「お前らがいなくなるのが一番辛い」って台詞がもう、ずるいですよ。ダグラスの記憶の断片も気になります。「思い出せないのは嫌な事があったから」って誰の言葉だったんだろう……。それにしても、昇進したって伝えてくれって、あれが最後の頼みだったのかと思うと切ないです。次が待ち遠しいけど、ちょっと心の準備が必要かも……。