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人気のない路地裏で、僕はいつも殴られる日々を過ごしていたことがある。少女の笑い声と共に鈍い音を鳴らす僕の体。よく、アザだらけになり其れを庇いながら1日を過ごすことが多かった。ある日もそうだ。
「あっはは!!!いいね!!!いいねぇ!!!君……いい顔するよ!!!」
そう言い張る女を睨むまもなく次の蹴りが僕の腹へもろに入る。思わず戻してしまった。僕は、許しを乞うしかなく。其れはみっともなかったと今は思うほどに。それでも少女は構わず蹴りを入れてきて。終い目には僕の髪を引っ張り。僕の顔を水へと沈める。僕は息ができずに気絶をする。
「体が弱い王子様!!!いい顔するねぇ!!!ふふっ……そそられる……」
という言葉を最後に……
いつの間にか、夜中になっていたことを覚えている。母上に怒られると悟った僕は、体の傷をかばいながらゆっくり歩いて帰るしかできなかった。どう言ってもこんな体の弱い僕なんかを助けてくれる親などいない。そう子供ながらに思ってしまった。
「……帰らないと、怒られちゃう……」
という言葉で目が覚める。嫌な夢を見た。でも、いつかあの女を葬る。いつもそのことだけを考えていたのに、あの呪われた姫に恋をしてしまった僕はどうしてしまったのだ。