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Nozomi💜
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#QK
あお
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雨のアクシデントから明けた、翌日のオフィス。
いつもなら朝一番にふくらと他愛のない話をしていたはずの河村は、自分のデスクで、昨日借りたふくら折りたたみ傘をぎゅっと握りしめたまま、ひどく暗い顔で俯いていた。
そんな河村の前に、山本がすっと影を落とす。
山 「河村さん、ちょっと今いいですか? 次の動画の構成について、あっちの会議室で少し話したくて。須貝さんたちも待ってます」
河 「あ、うん。わかった」
河村は力なく頷き、ノートパソコンを持って立ち上がった。
隣のデスクのふくらは、昨日からずっと目を合わせようともせず、パソコンの画面に齧り付いたままだ。河村は小さく胸を痛めながら、山本の後に続いて会議室へと向かった。
ガチャ、と会議室のドアを開ける。
そこには、須貝、そして東兄弟の問と言の3人が、なぜかものすごく真面目な顔をして並んで座っていた。
河 「……え? 須貝さんに、問と言も? 構成の確認って、みんなでやるの?」
不思議そうに首を傾げて席についた河村に向かって、山本がパタンとドアを閉め、鍵をカチャリと静かに閉めた。
河 「……えっ? 山本、なんで鍵……」
問 「河村さん、構成の話っていうのは嘘です」
言 「昨日、ふくらさんと何かありましたよね? 僕たちの目は誤魔化せませんよ」
突然、心配そうな目で詰め寄ってきた東兄弟に、河村はパチパチと瞬きをして困惑する。
河 「え、えっと……何のこと……?」
須 「昨日ふくらに傘押し付けられて逃げられたからって、家で悩んでただろ」
須貝がいつもの豪快なトーンではなく、本当に心配そうな優しい声で河村を見つめる。
図星を突かれ、河村の肩がビクッと跳ねた。河村は手元にあるふくらの傘をさらに強く握りしめ、消え入りそうな声で胸の内を吐き出した。
河 「だって……あそこまでされるってことは、もう、僕と一緒にいるのが本当に嫌なんだよ。相合い傘なんて絶対に迷惑だから、わざわざ自分の傘を僕に押し付けてまで、自分から逃げ出していったんだ。……完全に、拒絶されたんだと思う」
ずっと張り詰めていた糸が切れたように、河村の大きな瞳から、ぽろぽろと涙が溢れ出した。
河 「僕、ふくらに嫌われちゃったのかな……。何か、怒らせるようなことしちゃったのかな……。もう、あの一緒に帰る時間は、戻ってこないのかな……」
両手で顔を覆って声を殺して泣き出す河村を見て、4人は顔を見合わせ、それからこれ以上ないほど優しい眼差しを向けた。
須 「泣くなよ! 」
須貝が河村の肩を優しくポンポンと叩く。
問 「そうですよ河村さん! ふくらさんが嫌いな人に、自分の大切な傘を押し付けて、自分は雨の中走って帰るわけないでしょ!」
言 「どんだけ過保護なんですか! むしろ大切にされすぎてます!」
河 「え……?」
涙を拭いながら顔を上げた河村に、問と言が身を乗り出して語りかける。
問 「思い出してください。こないだ河村さんがオフィスで倒れそうになったときのこと」
言 「僕たちが『送りましょうか』って言ったとき、ふくらさん、ものすごい顔して『俺が送る!』って僕たちのこと睨んできたんですよ? 嫌いな人のこと、あんなに必死に守るわけないじゃないですか」
山 「河村さん、大丈夫です。安心してください」
ここで、山本がティッシュを河村に手渡しながら、穏やかな笑顔で頷いた。
山 「ふくらさんは今、ちょっと自分のことで頭がいっぱいになってて、心の準備ができてないだけなんです。河村さんが何か悪いことをしたわけでも、怒らせたわけでも絶対にありません。ふくらさんが、河村さんを嫌いになることなんて、地球がひっくり返ってもあり得ませんから」
須 「おう! だからそんなに自分を責めんな。ふくらのあの態度は、ただの空回りで、ちょっとしたヘタレなだけだからさ」
メンバーたちの温かい言葉と、山本の「絶対に嫌われていない」という強い保証。
それを聞いて、河村の胸の奥の重い塊が、すっと溶けていくような気がした。
ふくらに嫌われたわけじゃない。
自分が何か怒らせたわけでもない。
そう分かっただけで、涙の後は一気に安心感が広がっていった。
河 「……うん。ありがとう、みんな。……少し、安心した」
まだ鼻を赤くしながらも、河村はいつもの優しい笑顔を取り戻して小さく微笑んだ。
山 「よかった。よし、河村さんはここでちょっと、休んどいてください。」
「その顔でオフィスに戻ったら周りの方から心配されますよ。」
山本は河村の頭をポンと叩くと、須貝、東兄弟の3人に目配せをした。
山 「次は、あっちの部屋で死にそうになってる、ヘタレをお説教しにいきましょう」
須 「おう! 任せろ! 自分の好きな人泣かせるような真似しやがって、徹底的に絞り上げてやるわ!」
完全に安心した様子の河村を優しく会議室に残し、山本たち4人は、ふくらが待つ隣の会議室へと、特大のお説教を届けるために大移動を開始するのだった。
一方、河村が慰めてもらっていた頃、隣の会議室では、ふくらが伊沢と鶴崎の2人に挟まれる形で、死にそうな顔をして頭を抱えていた。
伊 「おいふくら。昨日、傘を押し付けて会議室に逃げ込んだってマジ?」
鶴 「ふくらさん、いくら自分の気持ちを自覚したからって、そのヘタレムーブはさすがに酷すぎますよ」
ふ 「だって……! 近すぎて心臓持たないし、でも濡らしたくないし……。あんな冷たい言い方しちゃったから、もう絶対に河村に嫌われた……」
ふくらが頭を抱えて悩んでいると、ガチャリ、と勢いよく会議室のドアが開いた。
入ってきたのは、須貝、東兄弟の問と言、そして山本。
山本たちの凄まじい気迫に、ふくらは思わず身をすくめる。
山 「ふくらさん。今、隣の部屋で、河村さんが泣いてましたよ」
ふ 「え……っ!?」
『河村が泣いていた』という言葉に、ふくらの頭に衝撃が走る。
山 「ふくらさんが意識しすぎて声をかけなかったり、昨日あんな拒絶するような形で傘を押し付けたりしたせいで、河村さん『僕、ふくらに嫌われちゃったのかな』って、本気で泣きそうな顔してボロボロ涙流してたんですよ?」
ふ 「そんな……、俺、そんなつもりじゃ……っ」
あまりの申し訳なさとショックで床に座り込むふくらを、須貝がその大きな手で肩をガシッと掴んで椅子に座らせた。
須 「ふくら。 お前、本当にクイズ以外のことになるとポンコツだよな」
問 「そうですよふくらさん! そもそも、第5話のとき、僕たちが河村さんを送ろうとしたら、ものすごい顔で独占欲全開にして『俺が送る!』って僕たちのこと睨んできたじゃないですか!」
言 「あの時点で、僕たちから見れば、ふくらさんが河村さんのこと大好きなのなんて丸わかりだったんですよ!」
伊 「そうそう。隠す気ゼロの過保護な恋人かと思ったわ。なのに、お前が急に自覚した途端にチキるから、ややこしいことになってんだよ」
鶴 「ふくらさん、河村さんがどれだけあなたのことばかり見てるか、本当に気づいてないんですか? 毎日あんなに嬉しそうに、あなたと同じ駅まで帰ってたんですよ」
メンバーたちからの怒涛の言葉が、ふくらの脳内で目まぐるしく繋がり始める。
ハーブティーを渡したときも、同じ駅だと分かって「家までずっと一緒だね」と言ったときも、看病したときも。
河村はいつも、耳まで真っ赤にして、本当に嬉しそうに微笑んでくれていた。
ふ 「……え? 待って。……じゃあ、河村は……」
山 「はい。河村さんも、ずーーっと前から、ふくらさんのことが好きなんですよ」
ふ 「――っ」
すべての真実を握る山本の口から飛び出した、決定的な正解。
それを受け止めた瞬間、ふくらの心臓がドクン、と大きく跳ね上がった。
ふ 「河村も……俺のことが、好き……? 両想い、だったの……?」
伊 「やっと気付いたか、」
須 「 お互いしか見てないんだよ! 誰も間に入り込めないの!」
鶴 「ほら、正解はもう出ました。
「あとは、ふくらさんが自分の言葉で、河村さんに伝えにいくだけです」
問 「ふくらさん、かっこいいところ、見せてくださいよ!」
言 「河村さんの笑顔、みたいんですよね?」
メンバーたちの愛に満ちた強い言葉と、背中を思いっきりドカンと押してくれる温かさ。
河村が泣いていたという事実、そして、河村も自分を好きでいてくれるという、これ以上ない解答を手に入れたふくらの瞳から、さっきまでのヘタレな迷いは一瞬で消え去った。
ぎゅっと拳を握りしめ、ふくらは真っ直ぐに山本たちを見つめる。
ふ 「……うん。ありがとう、みんな。」
「……俺、行ってくる。河村に、ちゃんと伝える!」
山 「がんばってください!」
メンバーからの応援もあってついに勇気がついたふくら。
このあとどうなったかは、、、、
次わかります。
コメント
3件
えぐいえぐい、気になりすぎる……!!!!!
うわあああああ第9話も激アツすぎる😭💕💕 河村さん泣いちゃうとこ読んでこっちまで泣きそうになったよ…!「嫌われたかも」って思う気持ち、すごくわかるから余計に切ない…でもそれを優しく包み込むメンバーたちが最高すぎる!!山本さんの「絶対に嫌われてない」断言、めっちゃ効いたし、須貝さんの「ふくらはただのヘタレ」って的確なツッコミに笑った😂笑 そしてふくらさんもようやく気づいたね「両想い」って…!!もう次回どうなるか待ちきれないよ〜〜!!早く伝えに行って河村さんを笑顔にしてあげてください😭✨