─パチリ
『……ん…_____ん?』
目を覚ました私の頭はまだ寝ぼけているのか、今自分がどんな状態なのか把握できていない。
「やっとお目覚めかい?随分と眠っていたねぇ」
「身体が冷えているかもしれません。ぼくが暖めて差し上げます」
「其の役目は私がするから、君は其処でじっとしてなよ」
「貴方の方こそ無闇に動かないで下さい」
徐々に覚醒してきた中、目に写った景色は薄暗い粗末な部屋
そしてやたら顔面が良い男が2人── 。
その2人は何やら言い争いをしている。
そして何故か私の両隣にやってきた2人
右に黒髪ストレート美人のイケメン
左に包帯を巻いたイケメン
片方づつ私の腕に抱きついてきた。
『__________は?』
え、なに?まって、ちょっと待って!色々と意味が判らないんだけど!?
此処はどこなの!?
って言うか、
『おまえ達 誰だよ!!』
何腕に抱きついてきてんの!?
『あんたら誰!?抱きつくな離れろ!!』
謎の状況に加え、謎のイケメンにいきなり抱きつかれて私はいったいどうなってるの…?あと、離れろって云ったのにこいつら離れてくれないんだけど!!
「照れているのかい?中々可愛らしい反応をしてくれるじゃあないか」
「ほら暖かいでしょう?もっとくっついても構いませんよ?」
『イケメンだけどぶん殴っていい?』
この人達どうなってるのほんと誰なの?お願いだから説明して?状況をまず把握させておくれ
『とりあえずあんたら誰なの?てか此処は何処なの?あなた達いつから此処に?』
「「………。」」
『え、まさかの無視!?』
お口チャックするタイミング間違ってますよぉ!!
私の問いに対し何故か黙ってしまった2人のイケメン──
え、何か云ってよ!という視線を向けるが目が合えばニコリと微笑みを向けられる。
『ねぇ此処は何処なの?知ってる?』
「其れが私たちも知らなくてねぇ…。気がついたら此処にいたのだよ」
「どうやら我々は誰かに拐われて此処に連れて来られたようですね」
『え、誘拐!?』
この2人も此処が何処か判らないらしい。
少し記憶を辿ってみると、私が警察に迷惑メールの件を相談しに行こうとしていた時に突然声を掛けられ振り返った瞬間に襲われて意識を失ったんだ。
迷惑メールの次は誘拐って無理過ぎるんですけど…!!もしかして私たちを拐った犯人はメールの送り主か?_いや、もしそうならこの2人は関係なくない?
『と云うかあなた達はいつまで私に抱きついてんの!?いい加減離れなさい!』
「私は君がこんな処に連れて来られて怖いだろうと思い善意で寄り添っているのだよ?」
「怖がる必要はありません。ぼくが守ってあげますから安心して下さい」
『いやいきなり抱きついてくるあんたらの方が怖いんだが?』
誘拐なんてされた事ないし本来なら怖がるはずだけどこの2人のせいで全く恐怖がなく、どちらかと云うとこの2人の方が怖い。
包帯野郎の方は善意で寄り添ってるとか言ってたけど、その割には凄く嬉しそうにしてるし手も握ってくる
ストレート美人の方は私に身体が冷えるから暖めてやると云っていたが、この人の方が冷えてないか?触れられた時に少しひんやりしたもんきっと冷え症なのだろう
『とりあえず気持ち悪いので離れて貰えませんか』
「おや、ツンデレかい?そういう所もいいね!」
「成る程、これがつんでれですか…。実際に体験したのは初めてです。」
「そうなのかい?私の周りにはたくさん居るよ」
「ぼくの周りには居ませんので少し新鮮に感じます。」
『馬鹿野郎誰がツンデレだふざけんなぶん殴るぞコラ』
こいつら好き放題云いやがって何なの?初対面の人間に向かって無礼にも程があるでしょうがぁぁ!!!
全くもって無礼極まりない2人である。
特に包帯野郎、こいつは下心丸出しで私の事をツンデレ発言しやがった。イケメンだからって何でも許されると思うなよ
それに比べてストレート美人の方はまだマシだ。今のところ抱きついて離れないだけでその他は無礼じゃない─いや抱きついて離れないのはかなり無礼だからマシと云う訳じゃないけども!
「ねぇ〇〇ちゃん、せっかくだしお話ししようよ!」
『あなたは呑気だね!誘拐されてるのに危機感ないの!?』
「大丈夫大丈夫!なんとかなるさ!」
『いや能天気すぎで、しょ…?__あれ、』
__私自分の名前名乗ったっけ?
あれ、自分で気づかない内に自己紹介みたいな事したっけ?あれれ…?
『私名乗りました?』
「…云ってた云ってた!」
『なんだぁーやっぱり知らない内に名乗っちゃってたかー!あはは、これまたうっかり☆
____ンな訳あるかぁぁぁぁあぁぁ!!!!』
こんな目覚めて間も無く状況が判らず、無断密着してくる野郎共に名前名乗る訳ないでしょうが!!流石に其処まで馬鹿ではないから!
『おいストレート美人、私は嘘つきが嫌いだ。この包帯野郎は嘘ついてるかどうか教えろ下さい』
「彼は嘘つきです。貴女は自分の名前を名乗ってはいませんよ」
『はい有罪』
「ちょっと待ち給え!どうして私だけ野郎扱いなの!?不公平じゃないか!」
『嘘つきに公平・不公平を語る資格はない!』
「(フフ、此れでぼくへの好感度は上がりましたね。)」
全くもって憤慨である。
〇〇の中の2人に対する好感度が変化した。
ストレート美人─+5包帯野郎─-5
今のところストレート美人の方が、やっぱりまだ好感が持てた
コメント
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2000までいったぞぉ…あと、は、頼んだチ───(´-ω-`)───ン
ストレート美人と包帯は的確すぎるw