テラーノベル
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恋
それはとても素敵な言葉である。
自分のことを応援してくれる可愛い彼女、毎日家に帰れば癒してくれる愛しの妻
教室の中で天真爛漫にほほ笑むかわいいあの子
恋とは日常生活にあふれていて人間とは切っても話せない関係にある。
だが、世の中には常にそんなに素晴らしいものばかりであふれているとは限らない
世間一般的に反対される傾向にある同性愛者を筆頭に世間から冷たい目を向けられる
性的思考の人間だって存在する
誰しもがそんな本来の自分を隠し生活している。
いわば常人のふりをした狂人。人間の恋とはいわば、人狼ゲームなのである。
考えてほしい。
今、あなたが恋しているあの子。
その子は本当に、市民なのだろうか?
恋愛人狼ゲーム
第一話
束の間の平穏 一夜目
「カタカタッカタ」
室内で唯一パソコンのキーボードの音が響き渡る。
苺王子学園 名前だけ聞けば大層なエリート校に聞こえるがぶっちゃけただの進学校である。
ただ一つ、この学園がほかの進学校と違うのは、生徒の身分である。
一般の生徒もいないことはないのだがここの校長は金に目がない。
そのおかげで素行の悪い貴族や富豪の息子たちが裏金入学してくることが多いのだ
ここ、生徒会室にいるあの赤髪の男も同様である。
苺王子学園生徒会副会長 莉犬 この学校でも有名なビッチ、女子顔負けの圧倒的容姿で男なのに男を食い漁る。X、インスタ等はもちろん、出会い系アプリまでもを駆使して様々な男どもを骨抜きにしてきたらしい。
最近の趣味は彼女がいる男子をゲイにして彼女から寝取ることだとか、本当にタチが悪い。
一体男の何がいいのやら。
苺王子学園生徒会長 るぅと なんでも世界的に有名な大手企業の社長の息子らしい。
容姿、財力、成績、運動神経、何から何までが日本トップレベルともいえる彼がこんなただの進学校に来た理由は、単に家が近いかららしい。性格もよく、この学校では珍しく黒い噂の一つもない完璧な聖人である。
かくいう僕はなぜここにいるかというと単純に学がないからである。
僕の名前はころん 苺王子学園生徒会下っ端
親がそこそこ金持ちだった僕は目も付けられないレベルで調子に乗り犯罪にこそ手を染めていないものの人をいじめたりと
なかなかくずみたいな人生を送ってきた。小中学校で一切勉強なんてしてこなかったので当然高校受験は落ちまくり
親にさすがに中卒は恥ずかしいとのことでこの学校に裏金入学したのである。
素行が悪いだけで才能にあふれている人が多いこの学校では僕は落ちこぼれだ。
どうせ勉強なんてしても意味がないのだからどうせなら学校のために動けという周りの命令で生徒会にはいってしまった。
正直いても完璧に戦力外だし今すぐ帰りたい。
「るぅちゃ~ん、ねぇ、今日こそヤろうよ♡」
莉犬くんがこれでもかというほど甘ったるい声でるぅとくんを誘っている。
「何回も言ってるでしょ。ヤりません。」
パソコンで作業をしながら機械のように冷たい声で莉犬くんからの誘いを断る会長
「ていうかそもそも自分の仕事は終わったんですか?」
「はい!終わってますよ~!」
「じゃあころちゃんの方手伝ってきてください」
「えぇ~、るぅちゃんともっと話したいのに~」
「仕事が早く終われば、それだけ長くゆっくり話せるじゃないですか」
「それもそうですね!!じゃあ手伝ってきます!!」
おやつをもらった犬のように目を輝かせて莉犬くんはこっちに向かって歩いてくる。
あの会話、もう聞くのは何回目だろうか。なんであんなに何回も同じ言葉に騙されるのか。
犬でももう少し学ぶだろう。そんな飽きれが顔に出てたのか会長から叱られた。
「ころちゃん、なにぼーっとしてるんですか?仕事中は集中してくださいね。」
るぅろくんのお叱りにそーだそーだと莉犬くんも口を出す。
いや、そもそも僕じゃこんな仕事できないし、生徒会やめたいなぁ。
「ころちゃんどこまで進んだの~?え!?全然進んでないじゃん」
「だって~わかんないんだもん僕にはこんな仕事無理だよ~」
「え!?ころちゃん進んでないんですか!?」
完璧といわれるるぅとくんをここまで困らせれるのも僕ぐらいだろうと謎の優越感に浸っているとしっかり莉犬くんに叱られた
「なんでわからないなら聞かないの!?俺たちもう帰るよ!?」
「ははは、返す言葉もありません」
「明日締め切りの書類なのに、、莉犬!!今日は学校に居残りで作業しましょう!ちょっと先生に事情を話してきます!!」
「えぇ!!るぅちゃん!!ヤるんじゃなかったの!!」
「ヤりません!!!!!」
まぁ、、元からるぅと君にはヤる気はなかったんだろうけど、さすがにこれは莉犬君かわいそう。
「ははは、はは、はぁ、、、、こーろーちゃん?」
あ、終わった、これ相当怒ってる
「お前まじで覚えてろよ絶対に許さないからな、あ、今週末俺の家に来いよ金玉の中全部ぶちまけさせてやるよ二度と俺以外じゃ勃たない体にしてやるからな」
怖すぎるでしょ、そんなに怒っちゃうの?僕終わりじゃね?
「あぁ、知り合いのおじさんに掘ってもらうか、ころちゃんの顔なら多分あいつも喜んで掘るだろうし、あぁ、あとあいつとあいつも呼んで、あぁ、こいつもいい趣味してんな、こいつも呼ぶか」
怖すぎる、ビッチって敵に回したらこんなにも恐ろしいの?
「で、でも莉犬くん、ほら、会長といる時間も増えたし結果オーライじゃない?」
「あ?お前それ本気で言ってんの?もういいや、ガチでこいつら呼ぶからな、今週末が楽しみだねぇころちゃん?」
「こら、莉犬、怖いこと言わないでください。先生にも許可はもらいましたし、仲良くやりましょ?」
「そうだねるぅちゃん!!ほら!ちゃっちゃと終わらせるよころちゃん!!」
るぅとくん、まじでありがとう。僕今回ばかりは本当に死んだかと思ったよ。
それから3時間ほどでるぅとくんと莉犬くんが全部終わらせてくれた。夜も遅いし僕のせいだからと帰りは二人にファミレスでご飯をおごった。
莉犬君はまだ少し不服そうだったけどるぅと君にアイスをあーんしてもらってすっかり上機嫌に戻った。
やっぱりるぅと会長はすごい人だ。
僕も少しは見習わなきゃな。
「ころちゃん、起きてください。」
るぅとくんの声?あれ?みんなとファミレスで別れた後、僕、、
この匂いなんだ?
「、、、りい、ぬ、くん?」
「やーっと起きましたね、ころちゃん♡」
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