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単独任務8日目(夜)
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あの後も普通に仕事をし、特に収穫らしいものは何も得られなかった。そんな中レイナは、表向きには市長の仕事の手伝いをしながらも、ふと思いついたことを実行する為、ずっと市長の部屋を目視で探り続けた。
夜、いつもの探索をする時間が来る。
レイナは事前に魔法で多めに作っておいたソレを異空間にしまうと、いつも集合する場所へと向かった。
全員が部屋に集まり、今日の収穫を共有する。
レイナが市長の部屋で仕事をしている間、2人はシュサを味方に引き入れていたようで、これでこの屋敷の使用人は全てレイナ達の味方となったらしい。最後にレイナが市長に持ちかけられたことを話す。
「じゃあ、もう完全に市長の中で私とカイクは黒ってことになってるんだね」
「多分そうだと思う」
「その命令?みたいなの、ハスネさんやキヨさんやシュサも言われてるのかな?」
「さぁ?2人は俺たちの完全な味方っぽいし、明日にでも訊けばいいんじゃない?」
「じゃあ、明日私はキヨさんに、ウィンはハスネさんに、カイクはシュサさんに話を訊いてみよっか」
「なんで俺がシュサなんだ?」
「この中で1番カイクがシュサさんと仲良いからね。この中でシュサさんのこと呼び捨てなのアンタだけだし」
そんなこんなで明日やる事も大体決まり、レイナはいよいよ今日の夜やろうと思っていた事を2人に話すことにした。
「そういえば、今日、引き戸について調べる以外にやることって決まってるの?」
話す前に、一応今日することは無いかと訊いておく。
「特にないな」
カイクが言ったことに、レイナは安心して異空間から事前に作っておいた盗撮機と盗聴器を取り出した。
「…それ、何?」
いきなり出てきた沢山の黒くて小さい機械を見て、ライネが言う。
「盗聴器と盗撮機。これを今から市長の部屋に仕込もうかと思って」
「こんなに沢山どっから持ってきたんだよ…」
「さっき作った。今までの調査で今の市長はほぼ覚で偽物だろうけど、まだ決定的証拠がないなって。だから、部屋で1人のときなら何かこぼすんじゃないかと」
「今市長部屋で寝てるけど、大丈夫?」
ライネが不安そうに言う。
「大丈夫だと思う。私はこれを市長の部屋に仕込みたいから、先に2人で引き戸について調べててくれない?」
「わかった。じゃあ、俺達は先に行ってるな」
「うん。じゃ、頑張って」
「了解。できるだけ早く終わらす」
隠し部屋を出ると、ウィンは2人でとは違う方向へ向かった。
まずは市長の部屋に向かい、ドアノブに手をかける。
部屋の鍵は閉まってないようで、すんなりとドアノブが回った。
極力音を出さないようにしながら、そうっと扉を開け、中に入る。
中では市長が、大きないびきを上げながら、ぐっすり眠っていた。
市長を起こさないようにしながら、盗聴器や盗撮機を、バレなさそうな所へと設置する。
仕掛けている間、市長が起きる気配は全くせず、いっその事ガッツリ物音を立てても起きないのではないかと思う。
部屋中の観葉植物や絵画、机や椅子の下まで、全てに盗聴器と盗撮機を仕掛けると、レイナはまたそうっと部屋を出た。
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盗聴器等を仕掛け終わり、2人がいる図書館へと向かう。
仕掛ける作業は想像より早く終わったのか、2人はまだ本棚をどうやってどかすか考えている段階だった。
「そういえば、あの魔法使った時にさ、本棚全部消えなかった?」
「だよな。あれどうやったんだろ?」
そんなことを話している2人に近ずき、話しかける。
「別に市長と同じ退かし方じゃなくてもいいんじゃない?」
「うおっ!」
ヒョコッと2人の間に出ながら言うと、どうやらきづいていなかったのか、カイクが声を出して驚いた。
「ウィン、もう終わったの?」
「うん。市長が熟睡しててね。やりやすかった」
そう言いながら、引き戸があった辺りにある本棚に近づく。
「これ、どうやって退かそうか考えててさ」
カイクが言う。
「ライネって、どんな魔法が使えるの?」
「私は、主に光魔法を使ってるよ。あまり使わないけど、それ以外の属性の魔法も結構使うかな」
「じゃあ、物のサイズを変える魔法とかってある?」
「えーっと、確か使えたはず」
ライネがそう言うと、レイナは本棚を退かす作戦のようなものを話した。どの様な作戦かと言うと、まずは本棚を小さくして、引き戸の中を探索し終えたら、また本棚を元の大きさに戻すというものだった。
「それなら、できるよ」
「じゃあ、お願いします」
ライネはそう言い、本棚に触れると何かを唱え始める。すると、本棚のサイズがみるみる小さくなっていき、最終的にはミニチュアのような大きさになった。
それを2回やると、本来そこに本棚があった場所の壁に、かなり年季の入った引き戸が現れる。
「じゃあ、俺から入るね」
そう言い、カイクが引き戸に手をかけ、扉を開ける。鍵は掛かっていないようで、引き戸はすんなりと開いた。
「!!」
開いた中から、強烈な腐臭や、鉄の臭いがむわりと漂う。
中は暗く、2人は臭いの原因が何か見えていない様だが、暗視をつけていたレイナには、それがはっきりとわかってしまった。
「なんだよ…これ」
カイクも鼻をつまみながら部屋の中に入ると、そこにある物が見えたようで、顔色がさぁっと青くなる。
後に続けて入ったライネも同じ反応をした。
「なんで、こんな所に死体が…」
強烈な腐臭の正体は、部屋の中央に置かれた、2体の死体から漂っていた。
「…」
込み上げてくる吐き気を必死で抑えながら、死体に近づく。
おそらく見た目からして、魔法を使った時に見た本物の市長と、その奥さんの死体だろう。
「ちょ、私もう出るね」
限界だったのか、ライネが部屋の外に逃げる。
レイナにも限界が来そうだったため、取り敢えず証拠として死体の写真と部屋全体の写真を撮り、逃げるように部屋から出た。
部屋の外に出て、素早く扉を閉め、先程小さくした本棚を元のサイズに戻す。
何も無かったかのように本棚が元の位置に戻ると、3人はその場にへたり混んだ。
「何…あれ」
暫く深呼吸をすると落ち着いたのか、ライネが言う。
「一応写真は撮ったけど…」
そう言いながら、スマホでフォトを開く。そこにはもう二度と見たくないような物が写っている。
「今はそれ出さないでくれ。また吐き気が…」
3人はまた暫くボーッとすると、それぞれ無言で自室へと戻った。
レイナも部屋に戻り、ベットに潜り込む。正直今すぐにでも風呂に入り、臭いを落としたかったが、今入ったら煩いだろう。
なので、何時ものメモを手短に終わらせると、レイナはスマホを置いて眠った。
どうも。昨日これ書いてたらいつの間にか熟睡していました。
それでは、特に話すことも無いため、
さよなら〜( ᐙ)/←(復活)