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今日は朝からどうも仕事が捗らない。
私は元々は販売をしていたが、元旦那のつよい要望で仕事をやめ専業主婦になった。その期間に色々な資格を取った。管理栄養士の資格をとったり、パソコン技術を学んだりしていた。
元旦那との離婚理由は色々あるが、経済DVというのだろうか。あいつはお金を家に入れなかった。
専業主婦をやらせているのに。
家賃は自分が出しているとでかい顔をしていたが、刑事であったあいつはほとんど自分は家にいないからと食費等の生活費を入れなかった。
家に帰ってこないのに私が専業主婦でいる意味はあるのかと思い、パートに出たりしていた。そうしないと自分の貯金が減る一方だからだ。
貯金が減るごとに不安になっていった。
金の余裕が心の余裕というのはホントだ。
家に帰ってきたと思っても疲れたと不機嫌でいる元旦那。大変な仕事だとは思う。列車の飛び込みがあった時は左目が見つからないと一日中探していたりもあるようだ。
休日も共に過ごすこともなくどこかに出かけていっている。
この男と一緒にいる意味あるのかなと思った。
そもそも何が良くて結婚したのか分からなくなった。
幼馴染の紹介で知り合った。幼馴染の彼氏の同僚が元旦那だった。
仕事柄忙しいからデートも頻繁ではなかったが優しかった。でも頻繁にあって無かったからこそよく人間性を見てなかったのかもしれない。
『断る理由が特にない』
これが私の結婚を決めた理由だ。それがそもそも間違いだった。
色々と嫌なところを見て離婚を決めた。
私の仕事は姉の仕事の手伝いのようなものだ。
姉はエステを開業したがパソコンが全くだったので私が顧客の予約等の管理をしている。
ホームページ担当というわけだ。
それに加えて、顧客の食事管理もパソコンでやり取りする。写真付きで送ってもらい栄養バランスを見てアドバイスをするというような感じだ。
姉の口ききで、他のエステ店のお手伝いもしていると言う感じだ。
少し休憩でもしようかと思った時に携帯が鳴った。
幼馴染からだ。
幼馴染のみきは幼稚園の頃からの中だ。彼女も結婚していて、他県に住んでいる。私よりも私のことを分かっている感じだ。
「もしもし〜?」
『もしもし!ゆうちゃん今平気ー?!暇でかけちゃった(笑)』
ここからいつもの長電話になる。
下らない話から深い話までいけるから、ほんとに毎回楽しい。
『引っ越し先ど〜?慣れた〜?』
と聞かれ推しが出来たとネタ的に話した。てっきり爆笑されて終わると思いきや、
『ねえ、そのお兄さんさあ。ゆうちゃんのこと好きなんじゃないの??』
とまさかの返しをしてきた。
「あはは!(笑)なわけないでしょ、歳下だよ?!5個も!20代と30代の差は大きいしその子カッコいいからそれは失礼な勘違いだわ!(笑)」
『いや、確実に好意あると思う。』
「私のあだ名知ってるよね?タイのニューハーフに酒呑童子だよ(笑)そんなのに好意持ってくれるかね(笑)」
私の伯母はスナックのママなのだが、たまーに手伝いに入ったりしていた頃がある。その時お客さんにタイのニューハーフみたいと言われたことがある(笑)それを話したらみきは大ウケだった。
顔付きと細いのに骨格ががっしりしていてタイのニューハーフのようだと。
タイのニューハーフといわれた時、すぐに思い浮かばず携帯で調べた画像は綺麗な人が出てきたからそのタヌキじじいは許すことにした(笑)
酒呑童子(しゅてんどうじ)というあだ名は、私が大酒飲みというところから飲みの席で付けられたあだ名だった。これにもみきは大ウケ。
『爆笑だわ!でもゆうちゃん綺麗だから。というか気がなきゃわざわざ連休なんて教えて来ないでしょ。あると思うけどな〜!またなんか進展あったら教えてよ!』
完全に面白がっているなと思ったが、「はいはい」と適当に言って電話を切った。
…そこから少し意識をするようになったかもしれない。
推しではなく、恋愛対象として…。
2週間程経っただろうか。
久しぶりに彼が配達に来てくれた。
軽く話をして、じゃあまた!と友達とするようにハイタッチをしようとしてしまった。
彼も反射的に手をあげてくれたので手を合わせた。
そして
…そのまま彼の手を握った。
ぎゅ… と握って少ししてから 「しまった…!」と思った。
無意識で握ってしまっていた。
しかも、長い時間…!
どうしよう…。
彼の方を見れない…!
視線に困り、手元をそのまま見ていて気付いた。
…あれ…彼も握り返してくれている…。
そのままそっと視線を彼の顔にうつした。
すごい真顔だった。
どうしよう、困らせている。
離すに離せないでいるに決まってる…!
でもここでパッと離したら、思わず手を握りましたがバレる!
それはまずい…!!
そう思い、余計にぎゅーっと手を握ってから「じゃあまた♪お仕事頑張ってね!」と手を離した。
『はい!いってきます!』
ドアを閉めその場にへたり込んだ。
…やってしまった…。
絶対変に思われた…!!
すごく大胆な事をした自分にびっくりしたのと、
初めて彼に触れる事ができて自分の心臓の音がうるさくて仕方なかった。
そして気付いた。
私は彼が好きだ。