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「……ななもりさん?」
「そうだけど、君は?」
ななもり陛下は小首をかしげて僕に問う。
「僕は、なろ屋です。すま」
「ななもり陛下、僕です!スマイリーです!彼は僕の友人です」
僕が言い切る前にスマイリー君が遮る。
「あとのことは僕から説明致しますので、ひとまずは僕の体を元に戻していただけないでしょうか…!」
体を元に戻す?人間の姿になるということだろうか?
「おん!いいよ!」
ななもり陛下はニカッと活発そうな笑みを浮かべ僕からスマイリー君を剥ぎ取る。
「ウクエ・レアヨガノ・イミテオ」
ぽんっ!
ななもり陛下がよく分からんこと言ったらスマイリー君が人間に!!
「ありがたく存じます、陛下」
スマイリー君が片膝ついてななもり陛下にお辞儀する。なにそれかっこいい。
「じゃ、なろくん行こっか」
「ぇあ、うん」
…結局なんのためにイカついおじさんを乗り越えてこの城まで来たんだ??
「まずなろくん、君は___」
「〝夢〟を見てるんだよ」
「……へ?」
いやいや、そんなイケボで言われても理解がおっつかない。
「正確に言うなら、夢を通して平行世界…パラレルワールドに来てるの。………なんでかは分からないけど。事故かな 」
……おお、なるほど…?
「んで、君は転生RPG系漫画で言う所の主人公ポジ。まぁ勇者ってやつだよね。僕はそいつにやるべき事を教えてあげるナレーターみたいな立場なわけ。」
「それは分かったけど、一体全体僕は何をすればいいの?」
「そうそう、なろくんにはね、魔王を倒して欲しいのよ。」
「魔王?」
これって漫画のあるある展開じゃん!僕からしてみれば大歓迎な事故だ。変わらない境遇には申し訳ないけど飽き飽きしてたところ。少し夢の中で遊ぶくらいならいい…よね?
「分かった。僕、魔王倒すよ!」
「よし、そーと決まれば村で色々買おう!」
「うん!!」
かくして僕の冒険は始まったのだ。