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#異能力
ここと🌹🫶 @低浮
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#異能力バトル
名無の男2
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「俺っちのチャームポイントといえば、この青いネイルだろって!! それがどーーして分かんねーのよ!」
「何度目だよお前の爪の話! 別に一度もディスってねえだろうが!!」
「いやいや! こんなチャーミングなのに煌っちの反応が薄いからさぁ! もっと褒める言葉あるっしょ、ホラーーっ!」
「一日に何度もてめえのナルシストに付き合ってたらそりゃ反応も薄くなるの当然だろーが!」
天渦流星のナルシズムにはもう飽き飽きだ。
金髪、ネイル、柄シャツ、ネックレス、ブランド物の小財布。あらゆる物を自慢げに見せびらかし、評価を求めてきやがる。
どうしてクラスの奴らが流星に対して塩対応なのか、転入してすぐに体感した。
このクラスの全員が、既に流星のナルシズムをマトモに食らいすぎて感情が死んでいるんだ。
最早、誰も流星のナルシズムに反応などしてくれない。
故に、まだ新鮮な対応をしてくれる転入生たるオレにフォーカスが集まった。と、言うわけだ。
「アレ? 煌っちそれどーした?」
「……ああ、これか」
昨日の鮫島の一件で、ぶん殴られて尻餅ついた時に腕を擦ってしまったらしく、軽い擦り傷が残っていた。
「ちょっと転んでな」
「転んだー? 結構ドジなとこあるんだなー。 お前も目のクマさえなけりゃ、結構イイ顔してんだから気をつけろよ! モテるもんもモテねえぞ、そんなのじゃ!」
「いや……、余計なお世話だ」
流星は、兎角容姿を気にする。
授業中も鏡を取り出し、よく自面を確認している。
「お前って、どうしてそんなビジュアル気にしてんだ? そんな注意しなくたって、素の時点で充分な格好良さは担保されてんだろ」
「おっ、マジ!? 俺っち素でイケてる!? ホントかぁ、ホントなのかぁその感想はぁ!!」
「う、うぜえ…………」
「ウヒヒ! いやー、自分でも俺っち格好いいって分かってんだけどさ! 長所ってより伸ばしたくなんねえ? 折角のイケメンなら、よりイケメンにしたくなるモンなのよ」
「そういうものか……」
「あとなー、俺っちはさぁ。 自分以上にイケてる奴見たくねーのよ。 なんか、顔面負けてるってだけでスゲェ悔しくなるっつーか、死にたくなるっつーか……。 人生負け組っての実感しちまって、劣等感?に殺されかけんだよな」
急に流星の顔が曇り始めた。
自分の容姿を自慢していた時はあんなにも嬉々としていたのに、話ついでに自分よりビジュアルの良い奴のことを頭で思い出してしまったのか、急に鬱々しいオーラを発しだした。
なんだか、忙しいヤツだな……。
「これは理解されねーかもだけどさー、俺っち、そういう嫉妬を芸能人とかモデルさんとか、インフルエンサーにもしちゃうんだよなー。 SNSに映画の最新ポスター画像とか、コスプレ写真とか回ってきただけで……、あぁ辛え!! ビジュって整形みたいに大金かけなきゃ変えられねえもんじゃん!? 生まれた時点で固定されちゃってんじゃん!? ゲームの自キャラみたいに気軽にキャラメイクできねーーじゃん!? もうブサめに産まれた時点で華々しい芸能界ルートの未来は絶たれてるワケじゃあん!?!? ぁぁぁあああ辛い……! その現実が突きつけられるのが嫌すぎて中一でスマホは叩き割って持たねえようにしてんだぞ!?」
「……そういえばお前ってよく鏡見てるけどよ、スマホの内カメとか使ってるのは見ねえよな。 まさか、それだけの理由でスマホ持ってねえのか……」
「勿論! スマホなんてのは持つべきじゃねえよ、あんなのは幸せを覗く車窓だ。 窓の外には自分以上のイケメン、自分以上の金持ち、自分以上の幸せ者。 クラス1のイケメンたる俺っちも、スマホの中じゃ下から数えた方が早いって事実を痛いほど知らされちまう。 自分はその駅には降りられない。 向かってる先は、そんな華やかな場所から遠く離れた平凡……、負け組の暗いトンネル行きが判明してんのよ。 そんなのが分かったら、もう……、人生なんてやってらんねえっしょ……。 それもこれも、全部俺っちの顔がもっと良ければ……! 有名事務所にスカウトされたり金持ちのヒモになったりして、幸せ者の仲間入りできるってのによ……、はぁ……!」
現代の高校生の必需品、スマホを持たない理由。それが……、ネットで自分より人生上手くいってる奴を見るのが辛いから、か。
熱を持った解説を聞いて……、気持ちは分からなくもねえけど、流星だってオレとか平々凡々な人間から見たらイケメンとかビジュアルが良い側の人間だ。
上の下、上の中ですら普通に羨ましいもんだが、そんな中途半端じゃ満足が出来ないってのは、そのランク帯に居るからこそ分かる特別な感情なのかもしれない。
より強い嫉妬と羨望、そして上昇欲。
それが、流星のナルシズムの源ってわけか。
「押し付けて感想聞きにくんのはウゼェけど、流星のことは嫌いじゃないぜ。 自分に自信を持ってる奴ってのは、一緒にいて面白いしな」
まあ……、その自信とか思想ってのが強すぎた結果、テロリストしてる奴を何人か知ってるから、これ以上のアップグレードは抑えてもらいたいけどな……。
流星が野崎や御山の兄のようなサイコパスに成り代わるとは当然思っていないが、恐怖はある。
なんせ、野崎曰く「狂うのに劇的な人生イベントは必要ない」らしいからな。
火種となるような何かを秘めていれば『少数派』のになりうる可能性があるというのなら……、予備軍はかなり広域となる。
こいつは大丈夫だろって思ってた奴が次の日には仮面をつけて街を混乱させる一員になっているかもしれない。
何とも、恐ろしい時勢になってしまったものだ。
「打倒! 外見至上主義! 人間を顔面ではなく、内面で見る世間へー! 真の美しさは心の中にあるのだーー! 戦えー、厳しき現代を生きる戦士たちよー!」
「…………ホントに大丈夫かなァ」
コメント
1件
「……流星、すごく生きづらそうだなって思った。煌っちが言う通り、単なるナルシストに見えて、奥にはめっちゃ深いコンプレックスと嫉妬が渦巻いてるんだよね。“幸せを覗く車窓”っていうスマホの例え、めっちゃ刺さった……。自分より上の誰かを見るたびに傷ついて、それでも自分を保つために鏡を見てるっていうの、なんか泣ける。煌っちの“嫌いじゃないぜ”っていう距離感も好きだよ🌙」