それから2人とゲームしたり、雑談したりして時間を潰した。
「ボク、わかったわ。」
「どーすればお前の欠けたピースを埋められるか」
「私も分かりました」
ってことは、もう日常に戻れるってこと?
「そう…だな」
「ツヨイ」
「最後だし、全てを彼女に説明した方がいいのでは?」
「うーん、」
「全部は無理だけど、色々抜粋して話すわ!」
この不可解な出来事のクライマックスだ、と感じた。
「ボクらって、もともと神様に任命された神様なんだよ。 」
「だから力も中途半端にしか使えないし、この『ツヨイ』って名前も神様から頂いた仮の名前」
「神様の命令は、お前が審査に通るように教育しろ、とだけ。何をするのか具体的には分からなかった」
「確かにお前は何かが足りなくて、それを埋めるのが使命だと思った」
「何が足りないのか、はっきりしたんだ」
「貴方にはスキ、キライ等の感情がほとんど揃っています」
「にもかかわらず、何故ワタクシ達が派遣されてきたのか」
「それは、貴方の大切な2つの心が限りなく弱かったからです」
「大丈夫だ。心配すんな!」
「なんせ、ボクらがこの魂をかけてお前をサポートするんだから」
…3割くらいしか理解出来なかった
「www」
「それでいいんだ、おまえは」
ツヨイはそう言い、眩しいほどの笑顔をこちらに向けたあと、2人の手のひらが自身の瞼をそっと閉じた。
神様なんてこの世に存在してないと思う。
だって本当に神様が存在しているなら、絶対的な存在なのに、ちっぽけな人間のちっぽけな心になんてならない。それを許さない。
自信がある。
背後から名前を呼ぶ声が聞こえる。今まで何をしていた?夢を見ていた気分だ。背後の声は毎朝一緒に登校している友達だろう。呼び掛けに応えるために振り返った。
案の定声の正体はクラスメイトで、共に学校へ歩みを進めた。
それにしても、本当に長い時間が経ったように思える。立ったまま寝ていたのだろうか?流石にそんなマヌケではない。
夢?のことはもうほとんど覚えてないが、この言葉だけはしっかりと脳裏に焼き付いていた。
「ボクが」
「ワタクシが」
「お前/貴方 の ツヨイ/ヨワイ になって やるよ/差し上げます」
心には、確かに暖かい何かがあった。
心強い味方が増えたような感覚。
これからの人生が、これまでよりもいいものになる、そう感じた。
貴方に、強い心と弱い心はありますか?
あとがき
うにさんのノベコン急かし投稿を見てやばいと感じ、駆け足で完結させました。テラコンにも出すので後々書き直すと思います。
にしても、この物語謎ですので、解説が必要ですね。と、いうことで、解説していこうと思います!
まず、主人公。主人公の名前は明かされておりません。主人公は女子生徒という情報しかなく、その理由は「この不可解な体験の前後で生まれ変わってほしい(出来れば性格まで)。だったら、名前という共通点は少し邪魔なのでは?」と思ったからです。主人公はちゃんと生まれ変われていたのでしょうか?
次に、ツヨイとヨワイ。彼らの正体は作中で語られたものとほぼ同じなので、ここでは省略します。ここからは裏話なのですが、天国へ行った人は良い行いをしてきた者なので、わざわざ何かをしなくても転生できます。実は、ツヨイもヨワイも地獄出身です。そのうち2人sideのお話も書きたいですね。
次はナオの存在です。主人公は2人から頭を撫でられたり色々あって、「あぁ、この人たちは自分のことをこんなに考えてくれてるんだ」という一種の承認欲求のようなものが満たされました。そして、心に余裕が出来たのです。そう、余裕が出来てしまったのです。他人の心が世界に影響を及ぼすまでに。
ツヨイとヨワイは、この世界は主人公の心とリンクしていると言っていましたが、実は2人の心ともリンクしています。2人は、何か主人公の心情に変化が起こる出来事が起きて欲しいと思っていました。神様は、ツヨイとヨワイを転生させる気がなく、利用し尽くす気しかなかったので、2人が主人公の心となること前提で話を進めていたのです。
結局、最後にはツヨイとヨワイは主人公の心の1部、強い心と弱い心になりました。主人公には自覚がありませんが。
もしかしたら、貴方のその「心」も「誰か」かもしてませんね。
END
コメント
1件
完結おめ!! 物語性しっかりしてたしめっちゃ面白かった!!