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「確か……三途だったよな……?」
「はい…?そうですけど何か様ですか?」
俺が天竺に来た頃なかなか馴染めず(馴染むつもりもなかった)1人武藤さんを待っていると声をかけてきたのは今でもお人好しのアイツ 、コンビニ袋をガサガサと漁りガリ〇リ君を差し出してきたそれに俺は戸惑ってたのを今でも覚えてる 。
「えっと…………なんですか?」
「やる 、」
「え、……あ、ありがとうございます…?」
渋々それを受け取り眺めているとじっと俺を見つめるアイツ
「食べないのか?」
そういうとガ〇ガリ君を指さして”溶けるぞ?”と
「あー、いや……タベマス」
俺は押し負け渋々マスクを取りアイスを齧った
「その傷…………」
「あぁ、コレですか?俺はコレのせいで俺は損してるらしいので…………」
少し嫌味ったらしくそう言えばアイツは眉を下げて”すまない……”と申し訳なさそうな顔をする。全く気に食わねぇ、そう思いながらアイスの棒をへし折り投げ捨てるとマスクをつけ直し笑みを貼り付ける 。
「アイス、ありがとうございました」
「あ、……いや…………うん」
なんだよその顔は、お前が渡してきたんだろーが
「俺は武藤さんが来るのを此処で待ってるのでお気になさらず」
「1人だと危ないから俺も待ってる」
「………………は?」
「天竺はお世辞でも良い奴らとは言えないような人間が集まってる、いきなり現れた新人なんて絶好の鴨にされる 。俺が居ればアイツらも馬鹿じゃないから手は出してこない筈だ」
「…………そっ……すか」
つまり俺が弱いから、舐められてるからここにいて守ってやると……ぶっ殺してやろうか???どうせ直ぐにマイキーの元に帰るんだ、仲良くなる必要もねぇし関わるつもりもなかった。
でも何となくアイツを見るといつの間にか目で追ってた
王の傍にいるアイツの目はいつもキラキラしてて、コロコロと変わる表情は見てて飽きねぇし何だかんだ言ってその姿は見ていて結構好きだった。
だから早く楽にしてやろうと思ったんだ 。
手に力を込めるとアイツの顔は苦しそうに歪む、首を絞めるのは結構力がかかるようでぽたぽたと汗が垂れ冷たいコンクリートの床に染みを作る。アイツは抵抗することも無くただ首を絞める俺の手に触れ優しく微笑んだ
『あ、り、が、と、う』
そう、口が動いたような気がした。俺が硬直して手の力が緩んだ次の瞬間俺の体は横に吹っ飛びコンクリートの壁に思い切り体を打ち付けた
「何してんの?………………三途」
「げほッ…………ま、まいきぃ……」
どうやら俺を吹っ飛ばしたのはマイキーの蹴りだったようですっかり表情の抜け落ちた顔で俺の胸ぐらを掴み拳を振り上げ______
「……首領…ケホッ…………三途は悪くない」
首を押え苦しそうに咳き込みながらアイツは言う。俺は悪くない?何を言ってるんだこいつは、俺はお前の首を絞めて殺そうとしたんだぞ?
「何があったか説明しろ」
「けほっ……俺が三途に頼んだんだ」
「「は?」」
俺とマイキーの声がハモった
「…………鶴蝶は死にてぇの?」
「………… 。」
マイキーは俺を離すとアイツと向き合い話し始める
「なぁ、死にてぇの?って聞いてる」
「……わからない」
「じゃあ質問を変える、なんで三途を”使った”」
声から伝わるイラつき、怒りは俺とアイツの体を硬直させた
「…………三途は優しいから、きっと殺してくれると思っ…………」
バキャッ……
「その腕治るまでお前は暫く部屋にいろ」
そう言って去っていくマイキーを見届けふと、アイツの方へ目を向けると腕が変な方向へと向いていて脂汗をかきながらその腕を抑えうずくまっている姿が見えた
「お、おい……大丈夫かよ」
流石に心配になって声をかけるとアイツは無理やり腕の方向を治し少し青くなった顔を上げる
「多分2ヶ月……3ヶ月はかかる。その分の仕事はPCの方に送っておいてくれ、俺は暫く謹慎だから…その、迷惑をかけた」
そう言うとアイツは部屋へと帰っていく。俺はただアイツが去っていった方向をじっと眺めた。
続きは灰谷兄弟に強奪され、没
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すき