etさんが屋上に行くところからです
et視点
私が屋上に着くと、雨が降っていた
et)そういえば…昔はttnが傘に入れてくれてたな…
私はよく忘れ物をするから、ttnが毎回傘に入れてくれた
そんなttnも今はいない
et)…はぁ
少し大きめのため息を付き、フェンスへとそっと手を伸ばす
雨で濡れたせいか、少し滑りやすい
しかし今の私はそんなことも気にせずフェンスに登る
…そうだ、最後に呪文を唱えなきゃ
et)サンb_
私は呪文を言い終わる前にフェンスから滑り落ちてしまった
もう少し、警戒しておくべきだったかもしれない
…でも、呪文は途中まで言えた。だから…もし覚えていても一人くらいだろう
覚えている人が…私になんの感情も持っていませんように
ttn視点
今更、今更etさんの気持ちに気づいた
そして気付いた瞬間屋上の階段に駆け上がろうとしていた
でも、窓の外から見えた
幸せそうに微笑みながら目を閉じて落ちているetさんが、見えてしまった
その瞬間、屋上へ行こうとしていた足を一瞬で踏み変えて校舎裏の階段へ走った
きっと生きていた中で一番早く走った
わかっていた、わかっている答えだった
でも予想していた100倍以上のダメージがあった
校舎裏、誰もいない。静かな雨音だけが響き渡る
ゆっくりと、目の前の情報を受け入れることを拒みながら近づく
数歩歩いた俺の目の前には血だらけのetさん
jpp達にも教えようと思ったが、俺はそんなことできるほど冷静でもないし頭も良くない
ttn)…あぁ
膝からガタッと崩れ落ちる
あともう少し早く気づけていれば、助かったのかもしれない
そんなことは絶対にないのに考えてしまう
自分が悪いんだと、勝手に自分を追い込む
ポロッ
今、頬を伝った水も雨なのか涙なのかはわからない
でも、でも涙は止まらない。今まで泣くのを我慢していた分の涙が溢れ出たかのようだ
ttn)et、さん…
無理に笑顔を作る。誰もいないのに、etさんは見てないのになぜ笑顔を作っているのか自分自身もわからない
少しだけ、少しだけetさんとの思い出が蘇る
5年前
俺達が出会ったばかりのとき、etさんは俺のことを君付けで呼んでいた
et)ttnくん!見てみて!
嬉しそうに笑いながら俺の手を引き猫を指差す君
ttn)猫、好きなん?
et)うん!だって猫って見てて癒やされるしさ!
ttn)そやな、俺も猫派やで!
et)まじ?やった〜!krptで猫派の人って少ないからさ〜
そんな他愛もない会話をしながら猫を撫でている君の記憶
ザー
俺の気持ちも知らずに降る雨
この世の全部が恨めしい
何も言えなかった自分が、etさんを肯定することができなかった自分が憎たらしい
ポロポロ
俺の涙がetさんの頬に当たる
ttn)…なぁ、etさん。俺etさんの前でしか泣いたことないで?特別に見させてあげるわ〜!
そう言いながら笑う俺。気色が悪い、吐き気がする。
…勿論etさんは起きない
ttn)…etさんって意地っ張りよなぁ。ちょっとは起きて俺の話聞いてくれてもええやん…なぁ…
涙が溢れ出す、泣きたくない。これ以上泣いたら俺もetさんの元へ行ってしまうかもだから
きっとetさんはそんなこと望んでない
…いや、望んでないと願っていたい
ttn)…でも、俺は…前etさんを一人ぼっちにせぇへんって約束したんやから…
ttn)死ななきゃいかんな
尖っている石が俺の目に入る
ttn)krptの皆、…俺は…
ttn)etさんのとこ行ってくるわ…
グチャッ
end.二人ぼっち
コメント
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最高っす