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花言葉と恋模様

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花言葉と恋模様

6 - 第6話

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2025年09月02日

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冬の風が街を冷たく包むころ。Ifの部屋は、いつもより少しだけあたたかかった。


その理由は、ソファで毛布にくるまって眠っている初兎――と、その肩にそっと寄りかかっているIfだった。


「……起きてるんやろ」


「……バレた?」


「いつもより静かすぎる初兎は、だいたい嘘や」


初兎は苦笑いしながら、少しだけ体を起こした。

毛布がずれて、ふたりの間に小さな隙間ができる。


それが寂しくて、Ifはそっと手を伸ばす。

指先が重なって、またぬくもりが戻ってきた。


「……ねぇ、まろちゃん」

「ん?」

「冬の花ってさ、あったかい色が多いよね。真っ赤だったり、白だったり」


「寒い季節ほど、あたたかさが必要やからな。見てるだけで、ちょっと元気出るやろ」


初兎は嬉しそうに笑って、テーブルに飾られたポインセチアを見つめた。

クリスマスが近づく季節、真っ赤な葉がふたりの冬を彩っている。


「この花、もしかして……今日、僕のために?」


Ifは頷いた。


「花言葉は、『祝福』『幸運を祈る』。付き合って初めての冬やし、記念に」


「……ずるい。そんなの、好きが増えるだけやん」


「じゃあ、もっと増やしてええ?」


Ifは、そっと初兎の手を握ったまま、もう片手で小さな椿の花びらを見せた。


「椿はな、『控えめな優しさ』って意味があるんや。初兎みたいな人に、ぴったりやと思って」


初兎はそれを受け取って、静かに胸に当てた。


「僕も贈りたいな。まろちゃんに、あったかい気持ち」


そう言って、毛布をIfの肩にふわっと掛け直す。

そして、そっと額にキスを落とした。


「これで、今年の冬はぬくもり満点。ね?」


窓の外では、粉雪が舞い始めていた。

けれど、ふたりの部屋には灯るような赤が咲いていた。


寒さなんて、もう怖くなかった。

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