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「はじめまして」

そう声がした方をみる。そこには、たった今思考を開始したばかりの美しいアンドロイドがいる。一人で研究を重ね早数十年、ようやく完成させたものである。

「はじめまして。名前は分かるかい?」

「ゼロです」

「大丈夫だね。少し質疑応答していこうか。」

「はい」

設定や動作を確認する為に質問していく、問題無さそうだ。

「それでは、暫くはここで過ごしてもらうから、よろしく。」

「よろしくおねがいします」



あれから数日経った。ゼロともかなり打ち解けてきて新しい仲間が増えた気分だ。これから更に改良を進め人間と変わらないレベルにしていく。何年掛かるか分からないが、やり切ってみせる。



もう数年も経ったのか。しかし、アンドロイドの研究を初めてした日も目を閉じると昨日のことのように思い出せる。きっかけは一人が寂しくて話し相手を作る為だったか。そして、ゼロは私が想像していた以上に素晴らしい結果を出し、今や私以外はアンドロイドであることすら気付かないであろうレベルになった。実際、ゼロは人間社会で働いている。

「只今戻りましたマスター。」

丁度ゼロも帰って来た様だ。

「お帰り、ゼロ。」

今日も、この研究室は暖かい___

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