( 杏 side )
「 え ー っと … 此処かな ? 」
土曜日 。 まだ誰も居らず 、 待ち合わせ場所を間違えたんじゃないかと少し不安になり 、 携帯を取り出し 、 地図を確認する 。 待ち合わせ場所と今いる所が一緒だったから 、 『 まだ来てないだけか … 』 と少し安心する 。
「 こはね達 、 遅いな ~ …… 」
そう小さな声で呟く 。 日差しが強くて 、 とても暑い 。 一応今は9月なのに 、 なんでこんな暑いのかな … ? 日陰も無く 、 仕方なくそこら辺にあったベンチに座り 、 3人が来るのを待っていた 。
「 あつい ~ ッ … 」
自分の手を使ってぱた ゞ と 仰ぐ 。 ずーっと下を向いていたら 、 何故か少しだけ日陰が出来ていた 。 不自然に思って 、 上を向くと 、 何とそこには 汗だくの彰人が居て 、 びっくりして 「 うわ ッ !? 」 なんて みっともない声を漏らして 。
「 … 何だよ 、 そんな驚いて … んで 、 冬弥達は ? 」
自身の汗を手で拭いながらそう言う彰人 。
「 嫌 、 上向いたら 急に彰人が居るんだもん !! そりゃ 驚くよ !! … あー 、 こはね達 ? まだ 来てないんだよね ~ 、 」
そんな事を言っていたら 、 「 杏ちゃーん ! 東雲君 !! 」 と聞き慣れた声が聞こえて 。 振り返ると 、 そこには こはねと冬弥が居た 。
「 あ ッ !! 2人共 おそーい ! 」
「 すまない 、 困った人を 小豆沢と助けていたら 遅れてしまった … 」
困った人を助けるか … 2人らしいなぁ 、
「 よし 、 全員揃った事だし 早く花屋行くぞ 。 」
「 おっけー ! 道案内は任せてよね !! 」
「 迷子にならないといーけどな 。 」
けら ゞ と 笑う 彰人 。
「 な ッ 、 なる訳 ないでしょ ~ !? 」
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「 は ぁ … ッ 、 やっと 着いた … !! 」
「 ほーら 、 迷子になったじゃねーか 」
正論 …
「 ま 、 まぁまぁ !! 2人共 落ち着いて …… !! 早く 店の中 入ろう !! 」
御店のドアを開けると 、 ちりん ゞ と ベルが鳴る 。 クーラーが効いて 、 とても涼しい 。
「 は ~ ッ ! 涼しい ~~ !! 」
御店の中一面に花があって 、 いい匂いがする 。
「 じゃ 、 各自 好きな花買って 御店の外で集合ね ~ !! 」
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「 お っ 、 皆 花 変えたみたいだね ! えーっと 、 こはねは 何て花 買ったの ? 」
「 あ 、 私は アネモネ って 御花 を 買ったよ … !! 可愛くて 、 好きなんだ !! 」
アネモネかぁ … 、 確か 色んな色があるんだっけ 。
「 冬弥のは ~ ? 」
「 俺 は ネモフィラ 、 という 花を買ってみた 。 」
ネモフィラ …… 、 色が なんか 冬弥の髪の毛の色と 似てる気するな …… 。
… だから買ったのかな !?
「 よーし最後 !! 彰人の花 !! 」
「 あー 、 オレ は 勿忘草 って 花 だ 。 」
勿忘草 ? 聞いた事ない花だな …
青色の花が 沢山 咲いていて 綺麗だな … !!
「 ん 、 これ やるよ 。 」
「 え 、 いいの !? 偶には 気が利くじゃん ありがとう ~ !! 」
花を 受け取って 彰人の肩を ぱし ッ 、 と叩く 。
「 いて っ 、 」 と 小さく 言う 彰人 。 だけど その顔の表現は 何処か 笑っている気がした 。
__________ 白石杏 転校まで 後 25日 。
コメント
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青色の勿忘草の花言葉って…!