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[ぽこた目線]
あれから彼女の作った朝ごはんを食べ、ラテを飲み、市街地まで来た。完全プライベートでのデートなんて久しぶりで彼女も俺知ってるとこだから勝手に頬が緩んでいく。最近新しい商業施設なんかも出来たらしく、以前来た時とは街並みが変わっていた。自分より少し背の低い彼女と並んで歩くだけでも楽しく、今日は俺がコーヒー好きと知ってか行きつけの喫茶店に連れてってくれるらしい。
帽子の下でにやけてたら、彼女にジト目でぼそっと『なおちゃん何にやけてんの?キモイよ』って引かれてしまった。
かわいいんだから仕方ない。どうやらお店は路地裏だったらしく、しばらく歩いてようやくお店に着いた。
彼女の母親から教えてもらったらしく、コーヒーの苦手な彼女でも飲めるくらい美味しいコーヒーがあるらしい。
少し地下に入り、木製の少し重たい扉を開けたら、香ばしいコーヒー豆の香りとお洒落な雰囲気の店内に優しそうな奥さんと思われる店員さんと気のいいマスターが出迎えてくれた。
豆の販売もしてるらしく、入口付近に計りと豆の入った容器が置いてあった。コーヒーが美味しかったら買って帰ろうかとおもう。彼女が手を引いて奥の座り心地のいいソファに座った。『ここはコーヒーが美味しいんだけど有名なのはサンドウィッチなんだよ。』と勧められるがままマヨネーズが苦手な彼女はホットサンドのセット、自分はおすすめのサンドウィッチセットをそれぞれ頼む。コーヒーは食後に来るらしく数分後2人とも料理が来た。
おすすめのサンドイッチは2種類あり、ひとつは新鮮なレタスに特製ソースと肉厚の香ばしくジューシーに焼き上げたベーコンに瑞々しいトマトが、もうひとつは分厚い卵とマヨネーズが濃厚なソースがそれぞれ挟んであり、セットにはよく煮込まれた根菜のコンソメスープがついておりとても美味しそうだ。
彼女のホットサンドはマヨネーズが食べられない彼女のオーダーを聞いたとろとろのチーズとハムが入っていてトマトソースのとてもいい匂いがしてる。彼女のセットにも同じスープがついていて、2人でいただきますをして食べ始める。
まずスープを1口飲んでみる。口の中に広がる野菜の甘みとコンソメの旨みが広がり、思わず「これ美味しいな…」と口から勝手に感想が出てしまい恥ずかしくなって彼女の方を見ると『ここのスープは本当に美味しいよねぇ』幸せそうな顔でスープを飲んでいたのでおすすめのサンドイッチに手を伸ばす。1口齧った瞬間、野菜の美味しさと特製のソースがしっとりとしたパンと混ざり合いこれもとても美味しく一息に食べてしまった。「ここ美味しいな。教えてくれてありがとう」と素直な気持ちを伝えたら耳まで真っ赤にしてホットサンドをかじる彼女が『そんなに気に入ったならまた連れてくるよ』と言ってくれた。 食べ終わる頃、店員さんがコーヒーを出してくれた。
彼女はコーヒーカップを取り置きしてるらしい。今どきそういう店も珍しくなったな。とコーヒーを1口飲むと、口に広がる深い旨みと少しの酸味に爽やかな苦味がとても絶妙で美味しい。後で豆を買っていこうと思う。彼女がコーヒーが飲めない人でも美味しく飲めるというのもうなずける。『コーヒーも美味しいでしょ?運が良ければ希少な豆を使ったコーヒーも飲めるんだよ。ちょっと高いけどね』と教えてくれたので今度個人的に飲みに来ようと思う。『次どこ行きたい?』と彼女に聞かれ「おまえのおすすめは?」と聞き返すと『うーんそうだねぇ…んじゃ少し歩くけど新しく出来たとこ行く?』と最近できた商業施設に行くらしい。ホテルも完備されていて、4DXと呼ばれる体感出来る映画館もあるらしい。「そこいいな。俺まだ行ったことないから行こう」と話に乗ると嬉しそうに「そうだね笑わたしも1回しか行ったことないし、行こうか」と言うことになり、店を出てしばらく歩くと、木とガラスでできたオシャレな建物が見えてきた。
新しい商業施設ということもあり、テンションが勝手に上がっていく。つい楽しくて、彼女の手を取り歩いていく。デパートに着き、少し休憩したいという彼女のためにカフェに入る。さっき行った純喫茶の落ち着いた大人の雰囲気とは違い、若者も好きそうなオシャレな感じだ。2人で席につき、まもなく店員さんが「ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」とメニューとお冷とお手ふきを置いていってくれた。俺はアイスコーヒーを彼女はアイスミルクティーをそれぞれ頼む。しばらくしてドリンクが来た。「ごゆっくりどうぞ」という店員さんに2人で会釈して彼女が「このあとどうする?」と聞いてきた。何がこの建物に入ってるか分からなかったから、「案内板見て気になる店行ってみよう。それでもいいか?」と提案してみるとそれいいね!と了承の返事が来たのでアイスコーヒーを1口飲む。やはりさっきの店よりは劣るが沢山歩いて火照ったからだにはちょうど良かった。カフェで休憩した後エレベーターの近くにある案内板を見てそれぞれ行きたいところに交互に行った後映画を見ることにした。しばらく服やアクセサリーなどを見て周り、スマホで今日上映する映画を調べ、今話題の監督の4DXにすることにした。映画館のロビーに着き彼女曰く「座席ごと動くからなんか食べたりする余裕ない」と教えられてたからロビーのテーブルで軽く喋ったり物販を見たりしながら時間を潰す。すると暫くして上映時間を知らせるアナウンスがあり専用シアター前のロッカーに荷物を入れ、席へ向かった。人気の作品でちょうど真ん中よりやや後ろを並んで取れたのは運が良かったと思う。2人で腰かけ、「楽しみだね」とか軽く喋り、劇場内が暗くなり上映の注意とか予告が流れたあと3Dメガネをかけるアナウンスが流れ本編が始まった。
色々座席は動くし風や雨の演出もすごくてふと彼女を見るとキラキラした目で時おり驚きの声を上げながら(もちろん小声で)ストーリーに熱中していた。映画も終わりロッカーの荷物を取って事前に連絡を入れておいたいつもの居酒屋に行く。適当にお酒とツマミを頼み食べ始める。
彼女は見た目に反して酒豪だ。自分も強い方だが彼女はいくら飲んでも変わらない所謂ザルだとおもう。いい感じにお酒もまわり料理も食べ終わりそろそろ帰ろうと2人で席を立つ。会計を済ませ夜風にお酒で火照った体を冷ましながら家路を歩く。
店を出る時繋いでた彼女のと俺の腕には付き合い始めた頃お揃いでおくりあったブレスレットが光ってる。「今日楽しかったーあのお店美味しいし、お酒も料理もいっぱいあってよかったー教えてくれてありがとねー」と少し赤くなった彼女がふわふわした口調で言ってくる。
その顔がすごく可愛くて思わず顔を背け、「お前ならいつでも連れてくよ」と少し早口で返すとあれ?照れちゃった?かーわいいとからかうように言われた。アルコールが入ったことにより火照った身体を夜風にあてながら最寄りの駅まで帰る。
ブレスレットをしてる方の手を取りポケットの中に収め、「今日は楽しかった。なかなか会えなくてごめんな」と歩きながら告げる。「いいよ…わたしもココ最近は忙しくて連絡する暇なかったもん…わたしこそごめんね?」と寒さで赤くなった顔でこちらを見上げて(いわゆる上目遣い)返される。
ものすごくかわいい(ちょっと俺の理性戻ってこい)彼女に思わず抱きしめる。最寄り駅につき、電車に乗り家に2人で帰る。ここ最近は某ウイルスが流行ってるせいもあり消毒と手洗いとうがいは欠かさない。先に荷物などを起き終わった彼女が暖房をつけてくれ俺は2人分の飲み物を用意する。彼女のはミルクたっぷりに砂糖を少しのカフェオレにして。2人でソファに座ると珍しく彼女が甘えてきた。うにゃうにゃと擦り寄る彼女が可愛くて思わずにやけながら撫でると「どうしたの?」とぽこたの方を向く。正直可愛すぎる…そろそろ理性が吹き飛ぶのでやめて欲しいところではある。なんとか理性を抑え、カップを置きもう飲み終わってた彼女の膝に寝転がってみる。「ぽこちゃんは甘えんぼさんだねぇ」と頭を撫でてくれる手が気持ちよくてすりすりと甘えるように擦り寄るとかわいいと笑う彼女が愛おしくて自分まで笑顔になる。
しばらく2人してにこにこしていたが彼女がトロトロと眠そうに目を擦り始めた。「眠いのか?」と尋ねると「うん…」ともはや夢の世界へ半分旅立ちそうな彼女の声がする。一旦起き上がり彼女を抱えベッドルームへ足を運ぶ。相当眠いのだろう。彼女も大人しく首につかまり首筋に顔を埋めてる。正直くすぐったい…彼女をベッドに下ろし自分も横になる。「今日は久しぶりに会えて楽しかった…おやすみ…いい夢を」と額に口付けてみる。ふにゃふにゃと笑う彼女は年齢よりも幼く見えた。彼女を抱き枕に今日はよく眠れそうだと思うぽこただった。
朝起きて額にキスされたのを覚えていた彼女に恥ずかしさのあまりべしべし叩かれた話は…またいつか話そうかな。
END