テラーノベル
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消毒液の匂い
俺はここが大嫌いだ
ベッドには呼吸器を付けられたロウが眠る
思ったよりも撃たれた場所が悪く、手術を終えた今‥‥経過を見るしか無い
「コイツは本物だったな」
「‥‥親父?」
「俺の目に狂いは無かった。またいつでもお前の盾になるだろう」
「‥‥もうそんな事させない」
「何言ってる?その為にここに居るのに」
「だからもうさせねーって言ってんだろ⁈もう‥‥」
「なんだ‥‥絆されたか?」
「そうだよ‥‥悪いかよ!」
「随分と気の強い嫁をもらったもんだな」
「‥‥え?‥‥良いのかよ」
「どんな方法でもお前とロウの子供2人作ってもらえばいいんだろ?」
「なんでその話‥‥っ!」
「お前には内緒話は出来ないって小さい時から言ってあるだろ?」
「あれって本当だったのかよ⁈」
「ハハハッ、嘘だよ。お前の叔父が悪さしそうで、少し前から付けてただけだ。心配するなよ、もうしないから。多分」
そう言うとロウの顔を見て親父は背中を向ける
「早く良くなれよ。奏斗が寂しがるからな」
「うるせぇな!早く帰れよ盗聴野郎!」
「お前達を守る為ならなんでもする。好きに呼べよ」
そう言って出ていく姿を見ながら、今の言葉を思い返す
俺だけじゃなく俺達をって言ったよな?
本当にロウを家族にしても良いって事?
頑固に見えて意外な所が見れた
「ありがとう、親父」
あとはロウが起きるだけ
「早く起きろよ」
管に繋がれてない方の腕を取り、手を握る
その手は冷たい
「ロウ‥‥いつ起きるんだよ」
「もう‥‥起きてるけど?」
「ロウ⁈‥‥お前っ!」
くぐもった声
呼吸器を外そうとしながらロウが俺を見ていた
「馬鹿、お前‥‥腕を動かすなよ!」
「だってこれ‥‥苦しくて」
それを聞いて俺は呼吸器を外してやる
まだ動くのは辛そうだ
「‥‥良かった‥‥お前目が覚めないから‥‥」
「擦り傷って言ったろ?」
「どこがだよ!何時間も手術したんだからな!」
「うるさいな‥‥早く医者呼んで体見てもらお」
看護婦を呼ぶボタンを手にしたロウの手を掴む
そのボタンを俺が握り、ロウの顔を見た
「お帰り」
「た‥‥ただいま」
ロウから初めて聞く言葉
今までは俺がおかえりと言っても「あぁ」しか言わなかった
自分の帰る場所はここでは無いと言わんばかりに‥‥
でも今日は言ってくれた
どうして言ってくれたのかは聞かない
だって俺の元が帰る場所だと思ってくれたからだろ?
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コメント
4件
親父〜!✨ こや生きてて良かった〜!!
もう家族やん! 親父優しいって☺️ こや 心配させたくないから酷い傷でも隠すとこ解釈一致すぎる