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後日談
若井が死んだ。
その時の記憶は断片的で、よく覚えてない。
ただ、ひたすら泣いたんだった。
若井とは同居してから、凄く仲良くなった。お互いに分かり合えた気がする。若井の良いところも沢山知った。
若井は最年少なのに皆に気を配れて、ミセス1の努力家だ。ギターを弾く姿はかっこよくて、でも笑った顔はとても可愛くて。酔うと、だいぶ末っ子ぽくなる。
年下とは思えないほど、自慢のメンバーだった。
だから、若井が死んだと聞いた時には言い表せないほど悲しかったし、受け入れたくなかった。
お葬式でも僕は人一倍泣いた。皆泣いていた。若井は愛されてるんだと思った。
でも、その中で泣いてない人がいた。
“元貴”だ。
僕だけじゃなくサポートメンバーも、スタッフさんも心配してた。
若井と元貴は付き合ってたから。
若井は元貴を守って亡くなったという事実を聞いた。多分元貴が1番つらいだろう。
会社からミセスの休止も進められた。勿論辛かったし、元貴が了承すれば休止しようとも考えた。
だけど元貴は一言「休止はしない。」の一点張りだった。
[ねえ、元貴。]
僕は元貴に声を掛けた。心配だったし、ミセスについてもちゃんと話さなきゃいけないと思ったから。
「…なに」
[…若井のこと、、だいじょ]
「っ…」
元貴が走り出してしまった。
でも、寝てないのだろう。弱った体では僕にすぐ追いつかれた。
[はぁ…はぁ、元貴]
[話を聞いてよ…、]
「っ…どうせ、僕のせいで若井が……と思ってるんでしょ?!」
[えっ…]
「知ってるよ!僕が死ねばよかったって!」
「だって涼ちゃんは若井のこと、好きだったもんね。」
[な…まって!もとき!]
元貴を責めようと思ってなかった。元貴のせいだなんて考えてもなかった。だって、元貴は悪くないから。
そっか、バレてたのか。若井に惚れてたこと。
だからって元貴が嫌いな訳じゃないし、2人が付き合ったこともすごくめでたいことだと思ったし嬉しかった。元貴も、若井も大好きだよ。
だから、元貴を心配してた。
だけど、元貴は僕の心配を求めてなかった。
[…どうすれば、いいんだろう…泣]
その後元貴は仕事に来る事はなく、家に篭りきりになった。
[…]
今日も元貴にLINEを送る。家に行っても迷惑だろうし。
だけど、既読がつく事はない。スタッフさんも未読だったらしい。
こうなると最悪の場合。元貴が自殺した可能性が出てくる。
でも、あの事があってから踏み出すことが怖かった。
僕って本当に弱虫なんだ。
お風呂に入った後ソファーに座ってぼーっとする。
若井と同居していたからこの家が未だにとても広く見える。
3人で撮った写真が飾られてる。その写真の中の僕らは皆笑顔だった。
[…]
ピコン
[LINE…]
スタッフさんからの連絡かなと思って開く。
それは
[っ…!?]
「“LINEありがとう。心配かけてごめん。明日、会おう。”」
と言う元貴からのLINEだった。
今回はここまで。
涼ちゃん視点だ〜。涼ちゃんなりに色々あるんだね。
後日談2は土日に出せると思います。
お楽しみに☺️
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