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初コメ失礼します...! めちゃくちゃ面白すぎます... 話す作るのとっても上手ですね(´;ω;`) ハラハラしたり、ニマニマしちゃったり、話のつなげ方が天才すぎました... もともと橙桃・桃橙大好きだったのに更に大好きになりました...最終回...めちゃくちゃ楽しみにしてます!これからも頑張ってください...!!✨
急!展!開!
橙桃です。本人様とは関係ありません。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
橙side
橙「……………そんなん、自分でも知っとるわ」
赤「あはっw知ってるのに助けに行こうとしてるの?マジであの妖人に惚れたわけ?そんな状態で境界に行ったって灰になるだけだよ」
橙「…元々アヤカシは妖人を守る為にいるんや。……確かに惚れているのは事実。だけどその前に俺はアヤカシとしての役目を果たそうとしてるだけ。灰になったって構わん。」
赤「………昔から馬鹿だとは思ってたけどここまで可笑しいとは。行きたいなら行けば?まぁ助からないだろうけどw」
力を振り絞り立ち上がる。
短刀を握りしめ、宙を丸く切り裂くと境界へと続く道が現れた。
後ろで笑っている赤を無視して歩き始める。
身体が持つかも分らない。だけど桃が俺にとっては命よりも大切だから。
どうか無事でありますように。
橙「今すぐ助けに行くからな」
桃side
桃「………どういう、こと?」
橙が死ぬ………?何で………?
桃「だっ、だって!橙は既に妖怪なんでしょ?!もう死ぬはずないじゃん!!!」
黄「…まぁ死ぬと言うよりは消えるの方が正しいですかね。橙さんはアヤカシとしての規則を破ったんですよ。その罰としてアヤカシとしての魂ごと消えます」
桃「消えるって……何の規則を破ったって言うんだよ!!」
黄「………それは僕の口からは言えません。でもそのうち塵となって消えるでしょう。もう既に魂だけの存在なので何も残らず…」
桃「そ、んな……ポロポロッ……どうにかして助けることは出来ないの…?」
黄「………1つだけ方法はあります…………」
桃「!!何?!」
黄「でもその代わり………桃さんの命はありません」
桃「え………それって死ぬってこと?」
黄「はい。桃さんの命と引き換えに助ける方法はあります。ですが命と引き換えることを告げると皆さん諦めます」
俺の命と引き換えれば橙は生きていられる…?
そんなの………
桃「やるに決まってるでしょ」
黄「え?!桃さんが死んでしまうんですよ?!折角大切な人の名前を思い出せたのに!!」
桃「ずっと橙が守ってくれていたの。そのたびに俺は何も出来ないって悔しくて。橙は命をかけて俺を守ってくれているのに俺は恩返しもせずに生きていくなんてそんなの嫌だよ」
黄「でも………」
桃「やっと橙の為になれるんだ。その方法教えてよ」
黄「…………………そこまで言うのなら僕は止めません。ただし、絶対に後悔しないでくださいね」
桃「うん」
境界の森の奥深くに大きな宮殿があります。そこに薬が置いてあります。その薬を取ったとき____________
桃「……森っていうよりジャングルだろ…」
ジャングルのように歩く事すらままならない森の中を彷徨う。
蔦の棘が刺さるし、変な動物はいるし…着く前に死ぬんじゃないのかと不安になってくる。
でも橙の傷はもっと深かったし痛そうだった。俺に今出来ることはこれしかない。
桃「ハァハァ……何処だよ…」
宮殿らしきものは一向に見えてこない。
桃「……早くしないと…橙が…消えちゃうッ」
?「ほれ、そこの若者よ」
後ろから掠れた声が聞こえてきた。
振り向くと皺くちゃで杖を着いたお爺さんがいた。
桃「俺ですか…?」
?「そうだよ。こんな所で何をしているんだい?」
桃「宮殿を探していて…」
?「宮殿…?あぁあれか。もっと奥だよ。そして高い崖がある」
桃「崖……頑張ります…」
?「ほっほっほっ頑張りなさい」
そう言うと踵を返して去って行った。
何でお爺さんがこんな森の中にいるんだよ…まぁ教えてくれたのは有り難い。
桃「…行くかぁ………」
橙side
橙「ハァ…着いた…桃ッ」
境界に着き、案内人の黄のもとに駆け寄る。
橙「黄!!」
黄「あ…橙さん」
橙「桃は?!名前ッ思い出せたん?」
黄「はい、思い出しましたよ」
良かった……じゃあもう戻ったのか…
黄「………」
橙「?どうしたん?」
黄「あのッ桃さんのことなんですけど…」
橙「……?」
橙「ハァハァ……ッ…桃ッ」
『桃さん…宮殿に薬を取りに…』
橙「何でッ何でッ……」
桃は俺が消えることを知って薬を取りに行ったのか。
折角名前を思い出せたのに…何で俺の為に…ッ
橙「間に合えッ………!!!」
桃side
桃「たっか…………」
そびえ立つ崖を眺める。こんなん登れるのか?
桃「……登るしかない…」
命綱も無いから落ちたら終わりだ。
桃「ッ…ぅゔッ……」
怖えええ!!!死ぬぅぅぅ!!!
でも……
桃「橙のッ…為ッ……!!」
桃「ハァハァ…ッ……ヒュッ…」
つ…着いたぁ………
桃「疲れたぁ…橙といれば飛べたのに…あ、」
目の前に大きな宮殿が現れた。
桃「これか…思ったよりデカイ」
キィィィ…
錆付いたドアを開く。真っ暗でとても人が住める状態では無い。
こんな廃墟みたいな所に薬なんてあるのか…?
ギシギシとなる床を歩く。落ちそうで怖い。
意外と怖がりな俺にとっては最悪な状況。
いつもなら橙が居てくれたのに
大丈夫だよって手を握ってくれたのに
寂しくなった手を握りしめて進む。
薬を取ったとき、俺は死ぬ。もう、橙とは会えない。会いたい。会いたいよ。抱きしめられて、可愛いって言ってほしいよ。恥ずかしくて言えないけど、橙の甘ったるい声で好きって言ってくれるのが俺は大好きで。
今思うと、俺って本当に橙のこと大好きだったんだなぁ。
桃「見ていないのは…この部屋だけか」
扉を開くと、綺麗なショーケースに収められている小瓶があった。
桃「……、これか」
これを取れば…橙は助かる。俺は死ぬ。
最期に…橙に会いたかったな。
俺…まだ好きって伝えていないし。
ねぇ橙。俺たちって両想いだったのかな。
好きって伝えてくれたの嬉しかった。その好きは主人として?それとも__________
ありがとう大切な人。バイバイ愛してるよ。
薬を手に取ろうとした。
その時だった。
桃「カハッ………ッ」
け、蹴られ……
「良かったー間に合って」
桃「え、、…何でッ」
「やあこんにちは…桃くん」
桃「、ッ紫ーくん…何でいるの…」
紫「んー?止めなきゃなーって」
桃「紫ーくんは…人間じゃないの?」
紫「そうだよ?俺は橙くんと同じアヤカシ。橙くんは俺のこと知ってると思うよ?」
桃「えっ…」
紫「そういえば、橙くんそろそろ消えちゃうね〜まさか薬を取りに来るなんてびっくりしちゃった」
桃「何で…止めるの?」
紫「俺の計画が台無しになるから」
桃「計画…?」
紫「そう!桃くんが死んだらまた長い年月を待たないといけないからね!!桃くんに死んでもらっちゃ困るんだよ〜」
桃「その計画って何?俺がいないと駄目なの?」
紫「勿論!!桃くんの力を借りて
妖怪と妖人を滅亡させるんだ」
桃「なに…それ……」
紫「俺がずっと考えていたことなんだ。妖怪さえ消えれば誰も苦しまないからね!それに妖人にも復讐出来る!!一石二鳥!」
桃「復讐って…」
紫「いいねぇ〜その絶望した表情!俺は好きだよ?」
桃「………」
紫「桃くんの魂の力はこれまでの妖人より倍ぐらい強いんだ。俺の作った装置にその力を加えて世界中にばら撒く。そうすれば妖怪たちみーんながお腹いっぱいになって襲われず回収出来てあの世行き。そして妖怪が消えれば自然に妖人も消える。まぁこの計画には桃くんの魂を全部使うから結局死ぬけど。ね?いい計画でしょ?」
桃「紫ーくんは何で妖人を消したいの…?」
紫「何でそれを桃くんに言わなきゃいけないの?」
桃「だって、…友達じゃないの………?」
紫「…………残念だけど俺はそんな友達ごっこした覚えなんて無いけれど」
桃「ッ…」
紫「…はぁ……俺はね、大切な人を妖人に殺されたんだ」
桃「え…ッ?」
紫「俺にはたった1人の兄がいた。大切でずっと俺を可愛がってくれていた。
兄の名前は星。兄は俺と同じアヤカシで、桃くんが生まれる前の妖人の守備についていた。
兄は主人に恋をした。アヤカシは妖人に恋してはいけない。これはアヤカシの規則の1つだった。だから罰として魂が消えた。主人は桃くんと同じく薬を取りに来たが、間に合わなかった。あと少しでも速かったら、兄は生きていたのに。
妖人さえ存在しなければ、兄は消えずに済んだのに。兄は恋なんてしなかったのに。
でも兄は主人が生きていればそれでいいと塵となって消えた。
兄が消えてから俺は妖人が憎くて仕方がなかった。
次の妖人が生まれたらその代で妖人を滅ぼす。俺の野望だった。
桃くんが生まれて、妖人としての力が強いと知ったときは嬉しくて仕方がなかった。これでやっと復讐が出来る。
兄を捨ててのうのうと生きた妖人は死んだけどね。
妖人なんて、生きてる意味ないでしょ?
さぁ桃くん!俺の装置に行こう!!」
桃「…ざけんなよ……俺だってなりたくて妖人になったわけじゃねぇ!!!」
紫「そんなに怒らないでよ。五月蝿いなぁ」
桃「俺がこの薬を取らないと橙が死ぬんだ!!そんな計画、俺は絶対に賛成しないっ!!俺がその計画に乗ったって、橙は結局消えるんだ。そんなことして死ぬなら、橙の為に死んだほうがよっぽどマシだ!!」
涙が溢れて視界がぼやける。
紫「本当に…これだから妖人は嫌いなんだよ。折角赤くんに手伝ってもらって境界にこさせたのに大切な人の名前思い出すし、普通は諦めるのに薬まで取りに来て。何で兄さんが妖人を好きになったのか…俺は分らない」
紫ーくんのお兄さんは…妖人に恋をして消えた…
待てよ。もしかして
桃「それって…橙も…、俺を好きになったからそれの罰として消えるってこと………?」
紫「なに?分からなかったの?橙くんはね君に一目惚れだったんだ。そのうち自分が消えることは最初から知っていたはずだよ?」
桃「…………」
何でっ…何で恋をしてはいけないんだ。
橙は…俺を好きになったから消えるのか。
こんなの……あんまりだ。
桃「……ポロポロッどうして…ッ」
紫「はぁ…ほら、来てよ。速く終わらせよう」
桃「嫌だ……俺は今ここで死ぬ」
紫「…良い加減にしろッ!!!」
桃「ッ!!!」
蹴られる…!!!!
橙「やめてくんない?俺の主人傷つけるの」
桃「!!!橙ッ!」
紫「………」
橙っ…生きてたんだ………
橙は俺のところに来て優しく抱きしめてくれた。あぁ…安心する。
橙「…残念やけど。主人は渡さへんから」