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この世界には基本4大属性が存在する。一人一つ基本属性のどれかを神様から授かる。
でも、一年に5人くらい。属性を持たない者が生まれ、よく親に役立たずとして見放される人が多い。
親に見放された子供はラントと呼ばれ、国々に囲まれているオートにラント専用の施設があり、13歳になるまでその施設にいる。出るまでの生活は保証される。
その施設に6歳で黒髪に海のような綺麗な瞳のラントの男の子がいた。
現在6歳 ルイズ
ベットに座りながら本を楽しそうに読んでいた。
「何読んで〜ん〜の」
妖精のギルベアが不思議そうに聞いてきた。
「いつもの。ギルベアも読んでみる?」
「その本て、君がここにきた時から持っててよね」
僕の持っている本を指差しながら、嫌味を言うように言ってきた。
「うん。ギルベアが文字を教えてくれたからこの本を読めるようになったんだよ!ありがとうギルベア」
「いや…当然だから」
ギルベアが照れて、僕に顔を見られないように背を向けた。
「ルーのお母さんて、ルーがなにも属性を持ってないからルーを捨てたんでしょ?何でそんな親がくれた本を大事に持ってんのよ」
僕は本を抱きしめながら答える。
「この本は最後のお母さんとの思い出だから…」
一瞬部屋に沈黙が走る。ギルベアが気を使ったからなのかわかんないけど、僕の肩にゆっくり座った。
「ルーはここを出たらお母さんを探すの?」
「違う…お母さんより優先して探さないといけない人がいるんだ…」
「…誰を…」
ギルベアは察して続きを言うのをやめた。
ギルベアはこの空気を変えようと話を変えた。
「この施設に貴族が来たみたい」
貴族か…まあ僕には関係ないし。
廊下からコツコツと足音がして、ドアの前で足音が止まり部屋のドアが開く。
「ルイズくんちょっとついてきてくれるかな?話があるの」
僕に話し?誰だろう…まさかさっきギルベアが言ってた貴族の人?いや、そんなはず…
そんなことを考えて歩いていると、待合室の前まで来た。
「さあ、入って。くれぐれも粗相の無いようにね」
僕が待合室のドアを開けるとそこには、中年夫婦の貴族らしき人がソファーに座っていた。
「失礼します」
二人は僕を見ながら微笑んだ。
「ほら、座って」
僕はそう言われて向かい側のソファーに座った。
「先に自己紹介をさせてもらうね。私はメリオス=アルディア。アルディア公爵家の当主をやっている。それでこっちが」
「メリオスの妻、ファミリスと言います。よろしくね」
「よろしく願いします。僕はルイズです」
満遍の笑みで答える。
貴族がどうして僕に…僕何かした?
「早速だけど、ルイズくんは何か好きな事はあるかな?」
「え、えっと本を読んだりすることですかね…」
「勉強とか興味あるかな?」
「はい」
ふたりは顔を見合せて頷く。
「私たちは新しい家族が欲しかったんだけど、もうこの年だと子供も産めない…だから偽物の家族でもいいから、ここからラントの子供を私たちの家に迎えたくてきたの」
「それで…私たちの家族になる気はないか?」
「よ、養子って事ですか!?」
「ダメ、だろうか…」
少し悲しそうに見える。僕はその表情を見て少し戸惑う。
養子か…それは予想していなかった。
「いえ養子になれると思わなくて…僕、ふたりの家族になりたいです!」
ふたりの顔がパーっと明るくなるのが分かった。
「ありがとう。明日、あなたを迎えに来るから」
そう言ってふたりは帰った。
僕は部屋に戻ってベットに座った。そしたら服の中からギルベアが出てきた。
ビックリした….まさかずっと服の中にいたのかな?
「ねえ、明日あの貴族の家に行くんでしょ!」
「まあそうだけど…」
「私も連れてって!」
僕はギルベアが言ったことに驚いた。
ずっとこの監獄にいたって言ってたのに急にここから出るなんて…そんなことを言うなんて珍しい
「いいけど…どんな風の吹き回し?」
「いいでしょ、そのくらい。ここにいるのも窮屈だったし」
「そ、そう?まあ個人の自由だから止めないけど…」
僕は明日のために準備を始めた。
「本当は別にあるんだけどね…」
ギルベアが小声で言った。でもそれは僕には聞こえなかった。
翌日の朝
「お〜い、起きなさい!」
「んん….」
目を少し開けると外の光が差し込んできた。
目を擦りながら起き上がる。
「おはよう、ギルベア」
「もうすぐそこまで来てるよ」
「え」
急いで準備をしている僕の姿をベルギアが静かに見ていた。
「ルイズくん、準備はいい?」
「はい!」
カバンを肩にかけて、ギルベアがスルッとカバンの中に入る。
僕はカバンの紐を握りしめて施設長についていく。
この監獄から出る一番の目的は 生き別れの双子の兄を探すため…兄の記憶もあまり無い中、手探りで探すしかない。だからこそ今ここから出るのは第1歩にすぎない。
そんなことを考えていると、光が見えてきた。
久しぶりの外だ…何年ぶりだろうか。3歳の頃にお母さんが僕を手放して本だけを僕と一緒に置いていった。
「あれから2年も経つんだ…」
外に近づいてきた時久しぶりの外で興奮する。
外に出ると太陽が僕を照らしている。
メリオスは馬車の前で笑顔で待っていた。
「お待たせしました」
「じゃあ行こうか」
僕はゆっくり馬車に乗る。
「馬車に乗るのは初めてかい?」
「はい」
「そうか…すぐに着くが初めての馬車を楽しんでくれ」
外を見たら素敵な風景があったんだ。
綺麗…昔と変わってる。外にはこんな広い世界が広がってたんだ。
「外を見るのは初めて?」
「いいえ…最後に外を見たのが2年前です。でも2年前とだいぶ変わっていて驚きました」
「そうか…」
メリオスは少し同情する様に僕を見つめる。
「これからは君のお父さんだから気軽にお父さんて呼んでいいよ」
「お父様?」
「ああ、お父様だよ。これからよろしくね」
そんな話をしていたら大きな家が見えてきた。
「あの大きな家が君の新しい家だよ」
あれが僕の新しい家…ってことはアルディア公爵家。
馬車が家の前で止まり、馬車の扉が開く。お父様が先に降りて、僕に手を差し出す。
「あ、ありがとうございます」
お父様の手を掴んで馬車を降りる。
上を見ると家が大きいことが再確認できる。
家の扉が開き、そこにいたのは複数のメイドにお母様と8歳くらいのおとなしそうな男の子が笑顔で立っていた。
「おかえりなさいませ」
これが貴族…こんなに人を雇えるなんて。想像していたよりもよっぽど規模が大きいこの屋敷にだいたい20人くらいのメイド、執事が1人… 貴族はよく分からないな〜
「さぁ」
お父様が僕の背中を優しく押す。
僕は家の中にゆっくり入りメイドと執事が僕の前に出てくる。
「ルイズ様初めまして。私はノイと申します。いつもは旦那様の秘書けん執事をしております」
ノイさんが頭を下げたので僕も頭を下げる。
「私はルイズ様の専属メイドをさせていただくルシアと申します。どうかこれからよろしくお願いいたします」
「お願いします」
「ルイズ様。先に身だしなみを整えましょう」
ルシアが手を差し出してきて僕はその手を取ってどこかに歩き出した。
「さぁ、みんな持ち場に戻って!」
後ろからお母様の声がする。
僕のためにみんなを集めてくれたなんてなんか嬉しいな。それにしてもあそこにいた優しそうな男の子は一体誰だったんだろう?….
服を脱いで浴場にルシアと行くとドアを開けた瞬間大きな浴場が広がっていた。
『わ〜こんな大浴場久しぶりに見た〜』
突然脳内にギルベアの声が聞こえた。横を見るとギルベアがめっちゃお風呂を満喫しようとしている格好をしていた。
「わ!」
僕はギルベアが横にいると思わなくて尻もちをついてしまった。
「だ、大丈夫ですか!?」
ルシアが立たせてくれた。
「う、うん。ありがとう」
「怪我はありませんか?」
「うん 」
ルシアが慌てながら僕の体を調べて、怪我がないと安心した。
「次から気をつけてくださいね」
「うん」
なんでギルベアの事言わないんだろう?まさかルシアには見えないとか?まあいいや。
僕はルシアに体を綺麗にしてもらった。大浴場に入ろうとすると先にギルベアが入っていた。
『あ〜気持ち〜』
めっちゃくつろいでた。僕もゆっくり湯船に浸かる。
あ、温かい。こんな大きいお風呂は初めてだ…
僕は浴場から出て、ルシアが体を拭いてくれた。
「風よ吹け」
ルシアがそう言うと一瞬で髪が乾いた。
これが魔法…
ルシアが服を持ってきて、服を着せてくれた。
「似合ってますよ、ルイズ様」
こんな服着るの初めてだ。
「ありがとう!」
笑顔で答えた。
「…」
「ルシアどうしたの?」
「い、いえ行きましょう」
僕はルシアと手を繋いでどこかへ歩いた。