え?正気かアリス。
俺みたいに禁忌魔法を覚えたいって。
やめとけ。
ただでさえ俺が過去に覚えたその禁忌魔法の後遺症が遺伝してるので精一杯なんだからさ。
それでも覚えたいんだな?
いいぞ。
じゃあ今から俺が話す過去話に耐えれば覚えるのを許可する。いいな?
-33年前-
ある山の中に、小さな学校があった。
そこは一見廃校寸前の学校に見えるが、実はそうでもないんだよ。
俺はイヴを手に入れるために試行錯誤してたんだが、親父がそこを勧めてくれたんだ。
行ってみると入学者は俺含め26人。
しかも年齢がバラバラだった。
俺が最年少らしい。
継見「みんな静かに!……よし、いい子だ。入学おめでとう。私は校長兼先生の継見だ。お前たちは記念すべき500期生だ。これから7年間、よろしくな。」
ここが俺が禁忌を犯しまくった原点さ。
別に怖くないって?
全く……最後まで聞こうや。
ここからなんだからよ。
わずか1ヶ月しないうちに、1人が死んだんだ。
そいつは2番目の最年少で、俺たちを越えたかったのか先生の言うことも無視して禁忌魔法習得への道のりを俺たちを置いて突っ走って死んだんだ。
まぁ、真っ先にレディ聖女を冒涜して殺されたんだがな。
俺?俺は別に何とも思わなかったよ。
イヴが全てだったし。
そいつが死んで混乱してる中、1人が声を上げた。
「別に殺し合いなんてしてないだろ。早く覚えたいんだったら黙って従って生きればいいんだよ生きれば。」
そいつの名前はヘリオドール。濁り1つない白い髪でクライと同じくらい目が赤かった。
ヘリオドールは当時頭髪も目も珍しいタイプの棒人間だったからかな。
最年長でもないのに俺たちの中で1番目立ってたからみんなアイツの言うことを聞いた。
変だよな、名前がヘリオドールっていう黄色い宝石なのに白髪赤眼なんだぞ?
それから俺たちは、素直に先生に従った。
まぁ死にたくないっつー魂胆が丸見えだがな。
だがそんな魂胆も虚しく、仲間は次々死んでった。
2人目は破壊魔法に耐えきれず身体破裂。
3人目は豪雨の中メンタル崩壊して学校を出ていく道中足を滑らせ崖に転倒。
4人目は良心を失い仲間に殺された。
5人目はその4人目を殺した後に自害。
6人目はヘリオドールの禁忌魔法の暴発に巻き込まれて身体爆散。
7、8、9、10、11人目はレディ聖女への冒涜をしたところ運悪く信者からリンチ。
12人目は最年長だからと仕切ったところ、仲間を庇ってクマの家族の糧になった。
13人目は自分が放った雷に打たれて感電。
14、15人目は再生を試みたところ身体が変形しショック死。
16人目は幻獣召喚の禁忌魔法に失敗し口からクリーチャーの胎児吐き出して死んだ。
17人目は16人目を想っていたのか後追い自殺。
18、19、20人目は精神的に追い込まれて俺と無理心中したがヘリオドールが俺を助けたから俺以外死んだ。
21人目は俺の転送魔法失敗に巻き込まれどこかに飛ばされ行方不明。
22人目は何を思ったのか自殺。
23人目は…………俺とヘリオドールが殺した。
これで生存者は俺とヘリオドールだけになったわけ。
今ヘリオドールがどこで何してるかわかんねえよ。
……ただ、親しげになった時に、四大天使になってやるって言ってたからきっと四大天使になったかもな。
……どうした?……怖かったか。
だからクライのために禁忌魔法なんてやめとけ。
きっといつか会えるじゃないか。
ヘル「ん……夢か。懐かしいな。アダム。いつか会いに行こう。」
コメント
6件
死者が多すぎて草(?)
地獄のような死人の数でヤバすぎて表情バグって笑っちゃうよ…()