猫司「オレと結婚してくれ!!」
「…よし!!」
オレは類に渡すための花を持つ。
たんぽぽ、というやつを集めて、花束にした!
…オレは今日、類にプロポーズをする!!
オレの大好きな類は、現在屋根の上で昼寝している。
気持ちよさそうに眠っている姿がとても好きだ!!
…いつプロポーズしようか…。
…そうだ、プロポーズの言葉を考えよう!!
「寧々!!頼みが」「嫌。」
「ほとんど何も言ってないぞ!?」
「巻き込まれたくない。」
寧々はオレと類みたいな野良猫とは違い、飼い猫だ。
いつも飼い主のえむに溺愛されていて、自分からはなかなか外に出ない。
「プロポーズの言葉を考えたいんだ!!」
「ふぅん。」
「一緒に考えてくれ!!」
「嫌。」
「なぜだ!?」
「自分で考えたほうがいいでしょ。」
「ぐぬぬ…。」
「じゃ、私はお風呂入るから。」
「あっ、おいっ!!」
そう言って家に帰ってしまう。
…確かに自分で考えたほうがいいだろう。
…しかし!!
思いつかん!!
…どうすれば…!!
「司くん?」
「るっ、るるっ、類っっ!!??」
「動揺してるねぇ…。何かあったのかい?」
類は小首を傾げる。
そんなところもまた可愛い。
って、プロポーズの言葉を…!!
「?何を持っているんだい?」
そうだ、花束…!!
オレは類に向ける。
「わっ。」
「オレと結婚してくれ!!」
「!」
…他になんと言えば…!!
「えっと…!!ねっ、寝ている姿が可愛い!!」
「へっ///。」
「小首を傾げる姿も可愛い!!」
「ちょっ///。」
「ご飯を食べているときも可愛い!!
嘘泣きも可愛い!!
すぐに拗ねるところも可愛い!!
怖い夢を見た時に助けを求めるところも可愛い!!
トランプで負けた時、裏で悔しがっているところも可愛い!!
それと___むぐっ!?」
「だっ、黙ってくれ…///。」
「んんんん!!(可愛い!!)」
「っ///。あのねぇ…///!」
「ん?」
「君は毎回突拍子もない事を言って僕を照れさせて何が楽しいんだい///!?こっちは照れるのを隠すのに必死なんだよ///!?君に分かるかい///!?いーや分からないね///!!だって君は照れないからね///!!それに唐突に褒めるのやめてくれ///!!嬉しいのを我慢するの大変なんだよ///!?それとね///!?」
「猫ちゃんたち楽しそうだね!」
「人の家の前で何やってんのよ…。まったく…。」
猫類「旅したいな…。」
…最近、思っていることがある。
オーロラを見てみたい。
よく飼い猫のKAITOから聞く。
「テレビで見たオーロラっていうの、とても綺麗だったんだ。いつかリアルで見てみたいなぁ…。
僕はテレビとか見たことないからわからないけど、KAITOが写真に撮ってくれて見た。
とても綺麗で、KAITOが言うことも頷ける。
僕が興味を持ち過ぎて、KAITOが写真をくれた。
…リアルで見たい。
きっと写真でみるより、何倍も美しいんだろう。
「旅したいな…。」
いつもの屋根の上で、ふと呟く。
オーロラ事が頭から離れない。
昼寝でもすれば忘れると思ったが…。
…だって、あのオーロラを…。
「旅したいのか…?」
「!?司くん!?」
気づくと、隣に最近ずっと一緒にいる司くんがいた。
いつの間に…?
っていうか、今の言葉、聞いてたのか。
「うん。旅したいんだ。」
「オレと離れたいのか…?」
「えっ。」
司くんは明らかに落ち込んで言う。
「そういうことじゃないんだ。ただ、オーロラを見てみたいな、と思ってね。」
「オーロラ…?」
「これ。」
そう言ってKAITOにもらった写真を見せた。
すると司くんの瞳は輝く。
「綺麗だ!!」
「だろう?司くんと見るのもいいかなって思ってね。…あっ。」
思わず口に出してしまった。
オーロラを見た時、とても綺麗とも思ったが、司くんと見るのもいいな、と思った。
…言うと恥ずかしいな…。
「オレと見たいのか…?」
「…うん…///。」
言われるとさらに恥ずかしくなる。
司くんを見ると、嬉しそうに笑っていた。
「オレも類と一緒に見たい!!」
満面の笑み。
…よかった。
「…じゃぁ一緒に見よう…///?」
「ああ!!」
そして僕たちはオーロラを見る旅に出かけた。
結婚おまけ
「…説教はこれでいいかな…///。」
そう言って口にあった手を外される。
オレは類の手を掴む。
「ちょっ///!?」
動揺している類。
オレは類の手の甲へ軽くキスをする。
「ひゃっ///!?」
異常に反応する類。
「それで、結婚、してくれないか?」
オレが尋ねると、類は口をパクパクさせる。
可愛い。
「類、どうだ?」
「っ〜〜///!!…いい、よ…///?」
類は顔を真っ赤にして言う。
もぅ類の頭の中はパニック状態だろう。
「よかった!!」
オレは類を抱きしめる。
「…だから人の家の前で何してんのよ…///!」
「仲良しで、と〜ってもわんだほいだ
旅おまけ
「…これが、オーロラ…!」
「すごいな…!!」
僕らは一緒にオーロラを見ていた。
とても綺麗で、司くんと見られてよかった。
「類みたいに綺麗だ!!」
「っ///!?何言ってるんだい…///!」
司くんを左手で軽くパンチする。
司くんは嬉しそうに笑っていた。
そして左手を定位置に戻そうとしたときに、ふと薬指が目に入る。
司くんが作ってくれたもの。
司くんのものもあって、毎日つけている。
これを見ると、いろんなことを思い出す。
勘違いをした日、面白い日、楽しい日々。
一日一日がかけがえのない宝物で、忘れたくなくて。
まるでこれに、忘れないように詰まってるみたい。
少し微笑むと、司くんが視界にひょっこり現れる。
「どうかしたか?」
「…なんでもない!」
そう言って抱きつく。
司くんも抱きしめ返してくれる。
司くんにもらった指輪が、オーロラに照らされて、より美しく見えた。
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